硬派弦楽アンサンブル 石田組
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2016年8月28日(日) 14:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
ソロ・ヴァイオリン:石田泰尚
Vn1:廣岡克隆、鈴木浩司 Vn2:村井俊朗、執行恒宏 Vla:萩谷金太郎、原田友一  
Vc:西谷牧人、弘田 徹  Cb:米長幸一  Chem:中島 剛
 


モーツァルト:セレナード第13番 ト長調 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」 K.525

グリーグ:組曲「ホルベアの時代より」 Op.40

(休憩20分)

ヴィヴァルディ:《和声と創意への試み Op.8》より 「四季」

  協奏曲第1番 ホ長調「春」
  協奏曲第2番 ト短調「夏」 
  協奏曲第3番 ヘ長調「秋」
  協奏曲第4番 ヘ長調「冬」 


(アンコール)
クライスラー(大橋晃一・編):美しきロスマリン
E.ジョプリン&J.ウェットン(近藤和明・編):シーザーズ・パレス・ブルース

 神奈川フィルのコンマスである石田泰尚を「組長」として、首都圏のオーケストラメンバーを「組員」として結成した弦楽アンサンブルが「石田組」です。組員は男ばかりで、「硬派弦楽アンサンブル」を名乗っています。
 組員は流動的であり、その都度メンバーは変わるそうですが、今回は新潟でお馴染みの東響のアシスタント・コンマスの廣岡さんとチェロ主席の西谷さんもメンバーに加わっています。
 通常価格はS席4000円ですが、N-PAC mate 友の会会員は2000円で聴けるという特典があり、せっかくですので聴かせていただくことにしました。

 今日は隣の陸上競技場で大会があり、ほかにも催しが重なって、駐車場は満杯。空きを待っていましたら開演時間に間に合わず、1曲目はロビーで聴くことになりました。

 「アイネ・・・・・」の優しい調べが漏れ聴こえてきましたが、アンサンブルの素晴らしさ、演奏の流麗さは伝わってきました。

 拍手が起こったところで入場。メンバーはステージから下がらずに、そのまま「ホルベアの時代より」の演奏が始まりました。
 メンバーは石田組長のほか、第一ヴァイオリン2人、第二ヴァイオリン2人、ヴィオラ2人、チェロ2人、コントラバス1人という編成で、チェロ以外は立っての演奏です。
 全員黒シャツで決めて、いかにも「硬派」という風貌ですが、演奏は流麗で美しく、10人のアンサンブルもきれいでした。りゅーとぴあの響きの良さが演奏をさらに引き立てていました。

 休憩後はチェンバロも加わって、お馴染みの「四季」です。最初に組長から組員の紹介があり、以後組長がソロをとって演奏が進められました。
 演奏は前半同様に美しく、聴き飽きた感のあるこの曲に新たな息吹きを吹き込んでくれたように感じました。生き生きと、躍動感にあふれた音楽に、胸が高鳴りました。

 アンコールは、チューニングから流れれるように「ロスマリン」へ移行する演出がにくかったです。外見に似合わない爽やかな演奏にあっけを取られるようでした。この「軟派」な演奏で終わるはずはなく、ブリティッシュ・ロックをバシッと決めて、会場を熱狂させました。さすがとしか言えません。何でもこなす石田さんの技量に感服しました。

 最初から最後まで組長を演じきり、立ち居振る舞いはやくざの親分そのもの。まさに石田組です。組員はイケメン揃いで、男の匂いがプンプン。演奏もダイナミックでグイグイと押してきます。そのくせ繊細さも併せ持つところが憎いですね。良い音楽を聴かせていただきました。
 

(客席:2階C5-3、S席:会員優待:¥2000)