新潟で地道な活動をされている古楽アンサンブル「プロジェクト・リュリ」の演奏会も8回目となりました。今日もたくさんのコンサートが重なっていますが、このコンサートを外すわけにはいきません。
東響ロビーコンサートの終演が1時40分を回っていましたので、2時開演のこのコンサートに間に合うか心配になりました。駆け足する体力はありませんでしたから、思い切ってタクシーを奮発。余裕を持って到着できました。
ロビーに中山先生がおられましたので、挨拶して客席につきました。いつもの席を確保できましたが、客の入りはまずまずというところではないでしょうか。配布されたプログラムの解説を読むまもなく、開演となりました。
プロジェクト・リュリの3人に、客演の庄司さんを加えての4人で、パーセルの曲で開演となりました。古学奏法のほのぼのとしたヴァイオリンの響きに、チェンバロとガンバの通奏低音が加わり、宮廷にいるかのような優雅な気分になりました。
続いてのクープランは庄司さんが下がって、3人での演奏です。いぶし銀のような佐野先生のヴァイオリンに、ふくよかな響きの中山先生のガンバが加わり、師岡先生のチェンバロが華やかな味付けをしていました。
続くモンテクレールのカンタータでは、黄金のドレスに身を包んだ風間さんが登場。豪華な衣装にため息が出るようでした。身振りを交えながら優しく歌い、ソフトな、癒されるような歌声に、うっとりと聴き入りました。歌詞の和訳が配布されましたが、見る余裕はありませんでした。歌詞がわからなくても十分に楽しめました。
休憩後は今日のコンサートの標題にもなっているクープランの「リュリ賛」です。庄司さんを加えた4人で演奏されました。13の小品と4楽章のトリオ・ソナタからなる曲で、慣例に習って各曲の表題を、風間さんが日本語で、カルトロンさんがフランス語で読み上げて演奏が進められました。
風間さんの歌でアンコールを演奏し終演となりました。通常のクラシックコンサートでは聴くことのない楽器の響きや歌声を楽しめるのがこのコンサートの楽しみです。優雅な響きに浸り、非日常を味わえるというのが喜びです。
毎年珍しい曲を聴かせてくれて感謝でいっぱいです。プログラムの解説も詳細であり、大変勉強になります。地道な活動を何年も継続されているプロジェクト・リュリの皆さんに、賞賛のエールを贈りたいと思います。
(客席:E-6、 ¥1000) |