111 オーケストラアンサンブル金沢、三ツ橋敬子
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2014年4月25日(金) 19:30  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:三ツ橋敬子
管弦楽:オーケストラアンサンブル金沢
 


ドヴォルザーク:スラブ舞曲集より 第1番、第6番、第10番、第8番

バルトーク:ルーマニア民族舞曲

ブラームス:ハンガリー舞曲集より 第1番、第5番、第6番
 
 
 いよいよオーケストラアンサンブル金沢(OEK)によるオープニング公演です。本当は井上道義さんの指揮のはずだったのですが、健康上の理由により三ツ橋敬子さんに交代になりました。

 井上さんは、震災後で暗い雰囲気で向かえた2011年のLFJ新潟を盛り上げてくれたのが記憶に新しく、特に仲道郁代さんと共演した最終公演の感動は、LFJ新潟の歴史の中でいつまでも語り継がれるものと思います。
 三ツ橋さんもその年のLFJ新潟に登場し、仙台フィルとの熱い演奏を聴かせてくれました。今年は残念ながら井上さんが出演できず、オープニングコンサートの代役の重責を三ツ橋さんが担うことになりましたが、逆に魅力を感じたのは私だけではないものと思います。

 私がOEKを聴くのは、2012年7月のダニエル・ハーディングと共演した妙高公演以来となります。また、昔は新潟定期公演と称して、新潟市での公演もあったのですが、久しく来演がなく、新潟市で聴くのは2004年9月以来10年ぶりになります。

 今年の開幕公演ですから、ホールは満席かと思いましたが、1階席、2階席Cブロック以外は客が数えるほどでした。ステージには色とりどりのチューリップが飾られて、祝祭気分を盛り上げてくれましたが、寂しさを禁じえませんでした。
 
 拍手の中、団員が入場。全員揃うまで起立して待ち、コンマスとともに全員で一礼してチューニングに入りました。弦5部は、8-6-4-4-2の編成で、ヴァイオリンが左右に分かれる対向配置です。

 三ツ橋さんが颯爽と登場して、最初はお馴染みのスラブ舞曲を4曲。1番は先日のプレコンサートで演奏されましたが、さすがにプロの演奏は違いますね。各曲の性格の違いをうまく演出していました。小さな編成ながら、ゴージャスなサウンドを作り出していて、お見事でした。

 次は、弦楽だけで、ルーマニア民族舞曲。そしてフル編成に戻ってハンガリー舞曲が演奏されました。キビキビした三ツ橋さんの指揮は小気味良く、見ていても気持ちよかったです。音楽は軽快で、勢いがあり、若さが弾けるような、生き生きとしたものでした。
 アンコールはありませんでしたが、期待通りの熱演で良かったです。三ツ橋さんの指揮はこの公演のみというのはもったいなく感じました。団員の皆さんも三ツ橋さんを讃えていました。最後は全員で礼をして終演となりました。

 このように、演奏はすばらしく、何の不満もないのですが、オープニングを飾る曲としては貧弱に思います。小曲ばかりで、盛り上がりに欠けました。コンチェルトでも豪快にやってくれれば良いと思うのですが、プログラミングの工夫が欲しかったと思います。ただし、演奏そのものは良かったです。

 ちょっと地味で魅力的でない演目を反映してか、前記しましたように客の入りは悪く、1階と2階正面以外はガラガラ状態でした。これまでのオープニングコンサートの中では、一番寂しいものになりました。明日は賑わうと良いのですけれど・・・。
 
   

(客席:2階C8−28、¥2000)