茂木大輔のオーケストラコンサートNo.10
ムソルグスキー 組曲「展覧会の絵」 徹底解説!
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2014年9月28日(日) 16:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮・話:茂木大輔
ピアノ:田村 緑
オーケストラ:もぎオケ交響団(コンサートマスター:森下幸路)
 


第1部:ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」全曲 (オリジナルピアノ版)

第2部:ラヴェルによる管弦楽編曲版徹底解説 (ピアノ版との比較演奏と実験演奏)

  ラヴェル:ラ・ヴァルス (ピアノ版)

(休憩15分 )

ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」全曲 

(アンコール)
  ラヴェル:ラ・ヴァルス (管弦楽版)
 
 
 9月最後の日曜日。秋晴れの上天気となりました。行楽に出かけたい所ですが、芸術の秋を堪能しましょう。ということで、10回目を迎えた茂木さんの解説付のコンサートに出かけました。
 昨年の第9回は第九でしたが、今回は展覧会の絵です。解説もさることながら、プロオケのトップ奏者が集まる臨時編成の茂木オケが毎回素晴らしい演奏を聴かせてくれるのが楽しみです。

 快晴の空の下、りゅーとぴあへ到着。ちょうど開場時間となりました。客席は3階席は閉鎖されていましたが、ちょっと空席があり、もったいなく感じました。

 開演時間となり、場内が暗転し、第1部の開演です。スライド投影の後ステージが明るくなり、赤いドレスの田村さんが登場。スライドによる解説を流しながら、ピアノによる全曲演奏がなされました。
 田村さんは最近この曲のCDを出しているだけあって、素晴らしい演奏を聴かせてくれました。容姿端麗、音には華やかさと繊細さがあり、力強さも併せ持っていました。ホールいっぱいに響き渡るピアノの迫力は、この後に聴くオケにも負けない輝きを感じました。これまで名前は存じ上げませんでしたが、お名前を知ることができて良かったです。

 茂木さんが登場し、休憩なしで第2部が始まりました。田村さんとのトークの間にオケのメンバーが登場し、以後は、田村さんのピアノ演奏と、ラヴェル編曲によるオケの演奏を比較しながら、ラヴェルのオーケストレーションの非凡さが解説されました。この解説は分かりやすくて、この曲の理解を深めることができました。個々の奏者の演奏も素晴らしく、その実力を知らしめてくれました。最後に、ラヴェルつながりで、田村さんのピアノ独奏でラ・ヴァルスが演奏されて第2部の終了となりましたが、ここまでで1時間45分休みなしでした。
 個人的には、ストコフスキー編曲をはじめ、ラヴェル以外の編曲についても解説があったら面白かったと思いましたが、時間が足りませんね。

 休憩の後、第3部はオーケストラによる全曲演奏です。大阪交響楽団ソロコンサートマスターの森下さんをコンマスとして、弦5部は10-8-6-6-4と小編成ですが、音量は十分です。さすがに要所は主要オケのトップ奏者が固めているだけあって、演奏技術、アンサンブルは常設オケと遜色はありません。フルートの高木綾子さんやヴァイオリンの磯絵里子さんなど、ソリストとして活躍されている方も混じっていて、豪華なメンバーが揃っています。チェレスタはピアノで活躍した田村さんが務めていました。
 臨時編成とはいえ、実力者揃いのオケですので、ソロは全く危なげなく、アンサンブルもバシッと決まります。大音量でも音は濁らず、豪華絢爛な音絵巻を創りだしました。

 アンコールにラ・ヴァルスの管弦楽版を演奏して終演となりました。第2部の終わりにピアノ版ラ・ヴァルスを演奏したとき、ラヴェルつながりとはいえ、どうして演奏するのか疑問を感じましたが、最後にオーケストラ版を演奏する伏線だったんですね。なかなか憎いプログラミングと感銘しました。

 いつもながら、スライドでの解説を見ながら演奏を聴きますと、曲の理解が深まって良いですね。これだけ内容豊富なコンサートを低料金で楽しめるのは大変お得であり、このコンサートに来ないなんてもったいないと思います。何で満席にならないか不思議なくらいです。

 次の予定のアナウンスはありませんでしたが、次回を楽しみに待ちたいと思います。

   
   
(客席:2階C3−11、S席:定期会員 \3780)