第36回 くにたちコンサート
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2014年6月22日(日) 14:00  新潟市音楽文化会館
 
 
1.ピアノ独奏:加藤桜子
     フォーレ:9つの前奏曲 作品103 より 第1、2、4、5、6、8、9番

2.ピアノ独奏:本間英子
     モーツァルト:ソナタ ハ長調 K.330

3.ソプラノ独唱:高橋希絵 (ピアノ:富田理紗)
     ヴェルディ:歌劇「椿姫」より ああ、そはかの人か
     コルンゴルト:歌劇「死の都」より この身にとどまる幸せよ

4.ソプラノ独唱:鈴木愛美 (ピアノ:斉藤美和子)
     R.シュトラウス:セレナーデ
     ドビュッシー:若き日の4つの歌より 幻
     グノー:歌劇「ロメオとジュリエット」より 私は夢に生きたい

    ヴェルディ:歌劇「リゴレット」より 慕わしき人の名は

(休憩15分)

特別ゲスト ピアノ独奏:花岡千春

     シューマン:アラベスク ハ長調 作品18
     コルンゴルト:シェイクスピアの戯曲「から騒ぎ」による3つの小品
     ドビュッシー:子供の領分

 (アンコール)
     ドビュッシー:月の光
     シューマン:トロイメライ
 
 
 梅雨で曇り空ですが、暑くなくて過ごしやすい日曜日になりました。当初は家で休養の予定でしたが、昼食後に家内からどこかへ行くようにとの命令を受け、急遽このコンサートに出かけました。
 当日券を買って早めに入場。客が入るにつれ、私の周りにはご高齢のご婦人方が多数。結局取り囲まれてしまいました。圧倒的に熟年女性が多く、男性は1割位でしょうか。

 最初は加藤さんのピアノです。加藤さんは、昨年3月に、ファゴットの小武内茜さんとのデュオリサイタルを聴いたことがあり、今回はどんな演奏をしてくれるのか期待しました。今日の出演者の中では一番お若いものと思います。演奏は、緊張感からか固さが垣間見えましたが、期待通りの演奏を聴かせてくれました。

 続いては本間さんのモーツァルトです。82歳という年齢を感じさせない、若々しい演奏に驚きました。音が抜けたりはありましたが、そんなことは些細なこと。流れるような演奏にうっとりしました。この年齢で、こんなにも速い指使いができるなんて、たいしたものです。日々練習をされているんでしょうね。いつまでもお元気でご活躍ください。

 次は、高橋さんの独唱。容姿端麗で華があり、美しいソプラノはリリカルで、声量も十分。うっとりと聴き入りました。初めて聴かせていただきましたが、こんな素晴らしい歌手が新潟にいるなんて驚きでした。ファンになってしまいました。

 そして次は鈴木さんです。鈴木さんは何度か聴かせていただいており、その素晴らしさは存じ上げています。先ほどの高橋さんに比べると小柄でいらっしゃいますが、声量豊かでホールいっぱいに歌声が響いていました。高橋さん同様のリリカルな歌声に魅了されました。さすがですね。

 休憩後は、ゲストの花岡さんのピアノ演奏です。国立音楽大学の副学長をされているそうですが、私は始めて演奏を聴かせていただきました。シューマン、コルンゴルト、ドビュッシーを休みなしに続けて演奏し、途中で何を演奏しているのか分からなくなりましたが、一連の曲のように違和感なく聴けたのは面白かったです。演奏は、ソフトな音色が耳に優しく、重厚で落ち着きのあるものでした。
 アンコールの2曲は絶品。実は周りのご婦人方が演奏中ガサゴソと雑音を発せられていて、苛立ちを感じながら聴いていたのですが、アンコールを聴いて、イライラして高ぶった心がなだめられました。まさに癒しの演奏で、気分良く帰ることができて良かったです。


 
(客席:10-9、当日券\1800)