ジョイントコンサート 〜若手演奏家による「三都物語」〜
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2014年5月6日(火) 14:00 新潟市民芸術文化会館 スタジオA
 
ピアノ:本間 優、高橋沙紀子
ファゴット:小武内茜
ヴァイオリン:伊野晴香
ソプラノ:若月櫻子、加茂愛里
 
1.ピアノ連弾:本間 優、高橋沙紀子
     ブラームス:ハンガリー舞曲第5番
     ドヴォルザーク:スラブ舞曲 Op.72-2

2.ソプラノ独唱:若月櫻子、高橋沙紀子(ピアノ)
     ジーツィンスキー:ウィーン、我が夢の街
     ドヴォルザーク:歌劇「ルサルカ」より 「白銀の月」
     J.シュトラウスII:歌劇「こうもり」より 「チャルダッシュ」

3.ソプラノ独唱:加茂愛里、高橋沙紀子(ピアノ)
     スメタナ:歌劇「売られた花嫁」より 「ああ、なんという苦痛」
     リスト:おお、愛してください、愛しうる限り長く

4.ピアノ独奏:本間 優
     ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第26番「告別」 Op.81a

(休憩15分)

5.ピアノ連弾:本間 優、高橋沙紀子
     リスト:ラ・カンパネラ(ピアノ連弾版)

6.ファゴット独奏:小武内茜、高橋沙紀子ピアノ)
     モーツァルト:ファゴット協奏曲 変ロ長調 k.191(186a)

7.ヴァイオリン独奏:伊野晴香、本間 優(ピアノ)
     ドヴォルザーク:ユモレスク Op.101-7
     ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第2番 Op.100 より 第1楽章

8.ピアノ独奏:高橋沙紀子
     リスト:リゴレット・パラフレーズ
 
 
 

 LFJ新潟2014の関連イベントとしてはこれが最後になります。音大を卒業して間もない新潟出身の若手演奏家6人によるジョイントコンサートです。LFJ新潟の今年のテーマにちなんで、このコンサートも「三都物語」と題して、ウィーン、プラハ、ブダペストの3つの町に関連した曲が選ばれたようです。

 昨日の雨が嘘のように、今日は晴れとなり、気持ち良い休日となりました。いよいよ連休も今日で終わり。最後の〆にこのコンサートを選びました。
 実は、新潟クラシックストリート疲れのためか、その後体調を崩し、2日間寝込んでしまいました。花粉症に感冒の合併というのが自己診断。今日もどうなるかと思いましたが、朝起きたら頭重はあるもの気分は楽になり、晴天に誘われ出かけた次第です。

 地元の若手演奏家を応援しようと駆けつけたのですが、受付の花束の数が物語りますように、会場は出演者の関係者らしき人たちで満席。私が行くまでもなかったようです。
 会場を見回しても、いつものコンサートでお見受けする顔ぶれもなく、ちょっと肩身が狭かったですが、それにひるまず、最前列に席を取りました。

 ピアノ連弾で開演。お二人とも演奏を聴くのは初めてです。ハンガリー舞曲は、曲が曲だけに、荒っぽさを感じないでもありませんでしたが、豪快に演奏してくれて、オープンニングを飾るに良い演奏だったと思います。
 2曲目のスラブ舞曲は、力強さだけでなく、もう少し感情豊かに、哀愁を感じることができればもっと良かったかなと感じました。

 次は若月さんの独唱。声量豊かに、スタジオAいっぱいに声が響いていました。大きなホールで歌うにはちょうど良いのでしょうが、狭い会場ですので、うるさく感じる場面もありました。でも、迫力ある歌声に、会場からはため息が聞かれました。

 次は加茂さんの独唱。黄色いドレスが愛らしく、リリカルな歌声は、スタジオAという狭い会場にはちょうど良かったです。

 続いて本間さんのピアノ独奏。最初は固さを感じないではなかったですが、次第に乗ってきて、演奏に引き込まれました。音に力強さがあり、小気味良い演奏でした。

 休憩後は再びピアノ連弾。お馴染みのラ・カンパネラのピアノ連弾版ですが、ピアノ独奏版とちがって、あっという間に終わってしまって拍子抜け。もう終わりなの?と感じました。

 続いて小武内さんのファゴット演奏です。小武内さんの演奏を聴くのは、昨年3月の加藤桜子さんとのデュオリサイタル以来となります。そのときと同様に、音色に渋さを感じましたが、気のせいでしょうか。
 演奏はすばらしく、高橋さんのピアノとも良くかみあって、聴き応えあるコンチェルトに仕上がっていました。昨年からの成長が実感され、ブラボーを贈りたかったです。

 次は伊野さんのヴァイオリンです。伊野さんといえば、新潟大学管弦楽団のコンミスを務められていましたので、良く存じ上げているのですが、独奏を聴くのは初めてです。
 音量的には大きくないものの、繊細な音色が美しかったです。ただし、豪快さのある本間さんのピアノに埋れてしまう場面があったのが残念でした。これは私の席の問題なのかもしれません。

 最後は高橋さんのピアノ独奏。ここまで、本間さんの色彩感と力強さのあるピアノに感銘を受けていたのですが、この最後のリストで、高橋さんの素晴らしさを実感しました。高音の輝き、きらめきにため息をつきました。連弾で高橋さんが高音部を受け持っていた理由もわかったように思います。

 最後に全員が整列して、本間さんが挨拶して終演となりました。演奏家にとって、特に卒後まもない若手にとって、演奏する場を持つことは大変であるということを話されていました。演奏家は人前で演奏してなんぼですから、こういうコンサートは大切だと思います。またこういう会がありましたら、できるだけ参加して、応援したいと思います。
 連休の最後を飾るにふさわしい、さわやかな演奏会でした。出演された皆さんの、これからの益々のご活躍を祈りたいと思います。


(1列目左側、\1000)