新潟室内合奏団第62回演奏会
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2011年11月12日(土) 18:45  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮: 本多優之
ピアノ: 石井朋子
 



ベートーヴェン:序曲「レオノーレ」第3番 Op.72b

モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491

(休憩15分)

モーツァルト:交響曲第40番 ト短調 K.550

(アンコール)
シューベルト:交響曲第5番 第3楽章 メヌエット



 

 
 

 毎年春と秋に演奏会を開催し、活発な活動をされている新潟室内合奏団ですが、いつも決まって土曜の夜であり、意外に行きにくいです。毎回行こうと思いつつ、なかなか行けなかったというのが実情です。
 今年は、5月のLFJ新潟プレ公演ですばらしい演奏を聴かせてくれたのは記憶に新しいところです。今回は、ピアノの石井朋子さんの出演とあって、是非にということで、馳せ参じました。音楽だけでなく、ビジュアルも重視の私には外せません。

 今日は同時刻に劇場でバレエの公演があり、開場待ちの長い行列ができていましたが、コンサートホールの方は、それなりにという感じで、開場時間ちょうどに到着したのですが、すんなりと入場できました。いつものCブロック前方に席を取りました。3階席は閉鎖され、1階と2階席のみでしたが、6割程度の入りでしょうか。

 最初はレオノーレ3番です。さすがというような良い演奏でした。この曲はつい最近、佐渡裕/ベルリン・ドイツ響の演奏を聴いたばかりですが、当然プロにはかなわないものの、十分聴き応えある演奏でした。ステージ裏でのファンファーレも決まっていました。1曲目からブラボーの声が上がりました。

 続いてお目当ての24番のコンチェルトです。黒いドレスの石井さんは素晴らしい容姿で、ステージ映えしますが、ちょっと緊張されたご様子でした。短調の曲ということもありますが、しっとりと抑えた演奏でした。ピアノはいつものスタインウェイではなくて、ベーゼンドルファー。石井さんのこだわりなのでしょうか。陰のある演奏にぴったりだったと思います。第2楽章などうっとりと聴き入りました。
 この曲、木管楽器が活躍する場面が多いのですが、管の皆さんも素晴らしいアンサンブルだったと思います。ただし、オーボエの音色がどうも私好みでなく、チャルメラのようなやせた音に感じてしまいました。そんなこと言うのは私くらいかなあ・・。
 カーテンコールの石井さんのちょっとぎこちないしぐさが魅力的でした。やはり新潟を代表する素晴らしい演奏家ですね。

 休憩後はメインの40番の交響曲です。弦は5−6−5−4−3という配置で、管に比して、音の厚みに欠けましたが、キビキビした良い演奏だったと思います。ただし、モーツァルトの指示した反復を省略せずに演奏し、それが裏目に出て、冗長さを感じさせました。いつ終わるのかと不安になるほどで、ちょっと退屈したというのが正直な感想です。

 アンコールは、この40番の第3楽章を手本にしたというシューベルトの5番の第3楽章が演奏されました。これまで何気なく聴いていて気が付かなかったのですが、こんなつながりがあったとは面白いですね。

 曲によって、管は入れ替わりがありましたが、皆さん頑張って、素晴らしいアンサンブルを聴かせてくれました。後半はちょと息切れというパート(ホルン)があったのが残念でしたが、クラリネットの柔らかな音色は美しく、フルートは奏者により大きく音色が変わって面白かったです。
 
 次回は、来年5月19日、ウェーバー:オイリアン序曲、モーツァルト:セレナータ・ノットゥルナ、ドヴォルザーク:交響曲第7番とのことです。指揮者が変わるようですが、また素晴らしい演奏を聴かせてくれることでしょう。
 

(客席:2階C2-9、1000円)