新潟市北区の旧豊栄市街の中心部に、昨年6月、北区文化会館がオープンしました。557席のホールのほか、大小4つの練習室を備えた、立派な文化施設です。ガラス張りの館内は明るく、色使いや館内の作りはりゅーとぴあと似ており、弟分的な印象を受けます。(→ブログ)
この文化会館を拠点として、昨年(2010年)11月に結成された市民オーケストラが北区フィルハーモニー管弦楽団です。結成間もないのですが、今年の5月のLFJ新潟では、有志によるロビーコンサートが行われました。その演奏を聴き、音楽に取り組む情熱に感銘を受けた記憶があります。
あれから半年近くが経ち、いよいよ第1回の正式なコンサートが開催されます。ファミリーコンサートと銘打っており、定期演奏会とは違う位置づけのようですが、第1回ということで、どんな演奏を披露してくれるか楽しみであり、早々にチケットを買っていました。
開場の列に並んで入場。当日券完売ということで、空席は僅かです。8〜9割の入りでしょうか。学生さんの団体をはじめとして、老若男女で大賑わいです。
「魔笛」序曲で開演です。さすがに硬さが感じられ、緊張感ある演奏でしたが、大きな破綻なく演奏を終え、出だしとしては良かったようです。
その後は、チェロパートの女性がMCを務め、指揮者の長谷川さんとのトークを交えながら演奏が進められました。ルロイ・アンダーソンの3曲は、曲調もあってか、硬さが取れて、オケも良く鳴って、良い演奏だったと思います。会場の空気が明るくなり、観客の心を捕らえたようでした。
前半の最後は、初心者の「育成コース“カンタービレ”」のメンバーが参加して、「運命」の第4楽章が演奏されました。初心者ですから、通常の版の演奏は困難であり、新潟市ジュニアオケのA合奏でも使用される簡略化したウッドハウス編曲版での演奏でした。ゆっくりしたテンポで、聴く方もハラハラドキドキでしたが、何とか演奏しきってくれました。新潟市ジュニアオケのように、全くの初心者から受け入れるというのはすばらしいですね。まさに市民オーケストラです。
休憩後の最初は、「ハンガリー舞曲第5番」での指揮者体験コーナーでした。大人から子供まで5人が登壇して演奏しましたが、オケが良く合わせてくれて、楽しかったです。最初の音楽経験があるという男性の指揮はお見事でした。
続いては「カルメン組曲」。なじみやすく、聴きやすい曲ですので、会場の皆さんも楽しく聴いていたようです。打楽器と弦のバランスの悪さなどを若干感じましたが、十分に聴き応えある、迫力ある演奏であり、オーケストラの醍醐味は感じ取られたものと思います。
アンコールの「トトロ」では、会場から手拍子も起こって、和やかなムードとなりました、「ふるさと」をきれいに演奏して終演となりましたが、内容豊富で、飽きさせず、ファミリーコンサートとしては大成功だったと思います。
結成間もないのに、ここまでまとめ上げたのは、相当なご苦労があったものと思います。団員の皆さん、そして音楽監督の長谷川さんに拍手を贈ります。
さて、来年6月10日(日)に、いよいよ第1回定期演奏会が開催されます。ベートーヴェンの「田園」ほかが演奏されます。すばらしい演奏が期待できそうです。
(客席:12−25、全席自由:1000円) |