ジュニアオーケストラ・フェスティバル 2010 in NIIGATA
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2010年8月22日(日) 12:30  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
 
(ロビーコンサート)
新潟市ジュニア邦楽教室/新潟市ジュニア合唱団
  川崎絵都夫:邦楽と合唱のための「こどもうた」
(新潟市ジュニア邦楽教室委嘱作品)

1.岡山市ジュニアオーケストラ(指揮:山田和樹)
  ビゼー:「アルルの女」第2組曲より ファランドール
  上田真樹・編:クラシックのおもちゃ箱

2.北九州市ジュニアオーケストラ(指揮:関谷弘志)
  リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲 作品34
  ドボルザーク:交響曲第8番 ト長調 作品88 より 第4楽章

3.みたかジュニア・オーケストラ(指揮:内藤佳有)
  シューマン:序曲、スケルツォとフィナーレ 作品52

4.仙台ジュニアオーケストラ(指揮:山下一史)
  吉松隆:鳥のシンフォニア「若き鳥たちに」
          
(仙台ジュニアオーケストラ20周年記念委嘱作品)

5.トリフォニーホール・ジュニア・オーケストラ(指揮:松尾葉子)
  ムソルグスキー(ラヴェル・編):組曲「展覧会の絵」抜粋

6.ジュニアオーケストラ浜松(指揮:田尻真高)
  ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
  ハチャトゥリアン:組曲「仮面舞踏会」より

7.新潟市ジュニアオーケストラ教室A合奏(指揮:藤井裕子)
  ワーグナー(ウッドハウス・編):楽劇「さまよえるオランダ人」より
                 「糸紡ぎの合唱」、「水夫の合唱」
  新潟市ジュニアオーケストラ教室B合奏(指揮:上野正博)
  グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
  ボロディン:歌劇「イーゴリ公」より だったん人の踊り

8.フェスティバル・オーケストラ
(7団体選抜メンバー)(指揮:上野正博)
  シベリウス:交響詩「フィンランディア」作品26
  ホルスト:組曲「惑星」より 木星
 
 

 全国には数多くのジュニアオーケストラがありますが、その中で全国公立ジュニアオーケストラ連絡協議会に加盟し、交流を続けている7団体による演奏会です。新潟市では2007年に続き3回目の開催です。前回も聴きに行きましたが、全国の子供たちの頑張りに感激した記憶があります。今回も大変楽しみにしていました。相変わらずの猛暑続き。子供たちから元気をもらわねば・・・。

 11時45分開場なので、早めに昼食をとり、ホールに駆けつけました。一般者は1階と2階のB・C・Dブロックのみで、その他の席は関係者席となっていました。テレビカメラが各所に配置さていました。私はいつものCブロックに席を取りました。前回は早々にチケット完売となり、今回もそうかと思い、早めにチケットを買っておいたのですが、かなり空席がありました。

 開演前に、12時から新潟市ジュニア邦楽教室と新潟市ジュニア合唱団によるロビーコンサートが行われました。新潟市ジュニア邦楽教室の委嘱作品で、この催しに参加する各ジュニア・オケの都県に関連する童歌で構成された曲でした。浴衣姿のジュニア邦楽教室の見事な演奏とジュニア合唱団の澄んだ歌声がホワイエにこだまし、渾身の名演と言えるものでした。これだけで満足というほどのできばえで、新潟のジュニアの実力に驚きを感じました。
 
 その後各オケの演奏が約30分ずつ繰り広げられました。最初は、岡山市ジュアオーケストラでしたが、いきなりの爆演に驚嘆しました。指揮は今最も話題の若手指揮者の山田和樹さんです。快速のファランドールにあっけにとられ、ベト7に始まり、タコ5にロメ・ジュリ、ラプソディ・イン・ブルー、新世界にツィゴイネルワイゼン、ウィリアムテルにブラ1、第九、大学祝典序曲にボレロと、名曲オンパレードの「クラシックのおもちゃ箱」に感激しました。とても50数人の編成とは思えない迫力でした。演奏技術はさておき、若さあふれるスピード感あふれる元気いっぱいの演奏に大満足でした。(評価4.5)

 続いては北九州市ジュニアオーケストラです。大編成の芳醇なサウンドが良かったです。落ち着いた演奏で、各ソロも巣晴らしかったですが、緩徐部では多少冗長な印象がありました。(評価4.2)

 休憩の後、みたかジュニア・オーケストラです。弦5部が7-5-4-5-2で、総勢37人の小編成です。明らかにトラと思われる人も混じっていました。ヴァイオリンは対向配置をとっていました。演奏はジュニアらしからぬ落ち着いた渋い演奏で、大人の音楽を聴かせてくれました。(評価4.2)

 続いては仙台ジュニアオーケストラです。フルート5、オーボエ5、クラリネット6、ファゴット5、トランペット6、ホルン10、トロンボーン5、チューバ1に打楽器4という大編成であり、迫力満点でした。吉松隆による曲も素晴らしく、文句のない演奏でした。(評価4.8)

 休憩の後、トリフォニーホール・ジュニア・オーケストラによる「展覧会の絵」です。小さな子も多く、いかにもジュニアという編成なのですが、各ソロも素晴らしく、ジュニアの域を超えた名演奏でした。今日の演奏の白眉じゃなかったでしょうか。(評価5)

 続いてはジュニアオーケストラ浜松です。ワーグナーはイマイチかと思いましたが、仮面舞踏会は良かったです。コンミスのソロも良く、聴き応えありました。(評価4.3)

 続いてホスト・オケの我等が新潟市ジュニアオーケストラ教室です。最初は初級者のA合奏でしたが、いつもより演奏が素晴らしく、十分に他のオケと渡り合えるだけの演奏だったと思います。(評価4)
 次は真打のB合奏。指導者の広川さん、庄司さん、渋谷さんをはじめとして、トラが混じっていましたが、さすがというべき好演奏だったと思います。新潟のレベルの高さを実感しました。(評価4.6)

 休憩後の最後は、各オケの選抜メンバーからなるフェスティバル・オ−ケストラによる演奏です。ティンパニが元気良すぎた感がありましたが、さすがというべき迫力ある演奏でした。(評価4.7)

 12時のロビーコンサートに始まる5時間半以上に及ぶ長丁場で、少々疲れましたが、心地よい疲労感でした。各オケの演奏水準の高さには驚かされました。とてもジュニアの演奏とは信じられないものでした。
 私の好みから評価しますと、岡山の爆演が面白かったですが、トリフォニーホール・ジュニア・オーケストラは頭ひとつ抜けていたように思います。仙台もお見事。新潟のA合奏も実力を出していました。全国には今回参加したオケ以外にも多数あります。そういうオケにも声をかけ、新潟で大々的な音楽祭を開催したら良いのではないでしょうか。吹奏楽の普門館のように、ジュニアオケの聖地として新潟がなれれば・・、と夢想しています。
 

(客席:2階C4−7、全席自由:会員割引1800円)