第3回音楽大学 学生オーケストラの祭典  第2夜 昭和音楽大学・桐朋学園大学
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2001年11月28日 東京文化会館 大ホール
 
 

 
1.ドニゼッティ:歌劇「ドン・パスクァーレ」序曲

2.クレストン:アルトサクソフォーンと管弦楽の為の協奏曲 op.26a

        管弦楽:昭和音楽大学管弦楽部
        独奏: 松原孝政(アルトサクソフォーン)
        指揮: 柳澤明良

(休憩)

3.ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 op.18

4.プロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」より
        (1)モンタギュー家とキャピュレット家
        (2)ロメオとジュリエット
        (3)タイボルトの死
        (4)ジュリエットの墓の前のロメオ

        管弦楽:桐朋学園オーケストラ
        独奏: 森田義史(ピアノ)
        指揮: 梅田俊明

 

 
 
 東京出張の夜、ネオン街に繰り出す元気もなく、懐寂しい今夜は学生オーケストラです。何と1000円というのはありがたいです。
 会議が長引き、定宿の秋葉原の安宿にチェックインしたときにはすでに6時20分。急ぎ足で上野の文化会館に駆け込んだときには、開演に先立つ学生作曲によるファンファーレが演奏されていました。3階席正面に席を取ったのですが、ガラガラ。ゆったりできて良かったです。

 1曲目の序曲は知らない曲でしたが、弦の音が澄んでいて、オケの音の美しさに驚きました。明るく、爽やかな演奏でした。2曲目も初めてでしたが、現代の曲らしからぬ美しい、落ち着いた曲でした。ソロ、オケとも美しいサウンドを堪能させてくれました。
 総じて、オケの音の良さに感動しました。さすがに音楽大学。地方のアマチュア・オケとはレベルが違うんだなあと実感しました。

 休憩の後、再び学生作曲によるファンファーレが演奏された後、楽員の入場。今度は桐朋学園。斎藤秀雄や小沢征爾ゆかりのオケということで、実際の演奏はどうなんだろうかと期待が膨らみました。
 まず、ラフマニノフ。曲の性格もありますが、重たい、濁ったようなオーケストラサウンドで、意外に感じました。ピアノは楷書で書いたような演奏でしたが、なかなかの熱演。サウンドの混濁感はありますしましたが、演奏そのものは立派。さすがだと実感。

 最後はプロコフィエフ。これは技術的にも難しい曲だと思いますが、ダイナミックな演奏で、オーケストラの楽しみを味合わせてくれました。3年前に聴いたゲルギエフの演奏を思い出しました。

 1000円分は十分楽しませてもらいました。この催しは、今夜は第2夜でしたが、昨日の第1夜では、東邦音楽大学と洗足学園大学で、トリスタンとイゾルデ・前奏曲と愛の死、ナブッコ序曲、サンサーンスの交響曲第3番、チャイコフスキーの祝典序曲1812年などが演奏され、あの秋山和慶氏も指揮しています。明日の第3夜は、東京音楽大学と東京芸術大学で、イベールの寄港地、ラヴェルのピアノ協奏曲とスペイン狂詩曲、プッチーニのラ・ボエーム、レスピーギのローマの松などが演奏されます。最後の第4夜では、国立音楽大学と武蔵野音楽大学で、マーラーの巨人、ヴェルディのレクイエムが演奏されます。プログラム的にも多彩で、楽しめるメニューです。なかなか良い企画であり、今後の発展を期待させました。

 一夜で2つのオケを聴くことができましたが、いずれも技術的には確かなものですが、オーケストラとしてのサウンドが全然違うのに驚きました。桐朋学園の超絶的演奏に感嘆しましたが、昭和音大の澄んだ、美しいサウンドが忘れがたかったです。

 得した気分で、宿へと向かいました。さて夕食はどうしよう。ビールでもひっかけようかな。