キーロフ歌劇場管弦楽団演奏会

   1998年12月15日,新潟市民芸術文化会館コンサートホール

   曲目:チャイコフスキー:「エフネギ・オネーギン」より、ポロネーズ

      チャイコフスキー:「眠れる森の美女」より、ワルツ

      チャイコフスキー:「くるみ割り人形」より、行進曲、あし笛の踊り、花のワルツ

      ボロディン:「イーゴリ公」より、ダッタン人の踊り

      (休憩)

      プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」組曲

      アンコール:チャイコフスキー:「くるみ割り人形」より2曲
            グリンカ:「ルスランとリュドミラ」序曲


 本日は日本最終公演である。各地の公演を終え、再び新潟に帰ってきた。この間マスコミでの評判も良く、いやがおうにも期待は高まる。今日は立ち見席まで満席となり、最高の客の入りとなった。

 前半はポピュラー名曲が続く。流麗に音楽が流れる。さすが劇場指揮者。そういえばオペラやバレエの伴奏が本職だったんだと納得。でもちょっときれい過ぎかなと思っていたら、ダッタン人の踊りで大爆発。ブラスの炸裂には驚嘆。やっぱりキーロフはこれでなきゃ。合唱付きでないのは仕方ないが、打楽器の皆さんが頑張って、圧倒的な音量であった。
 後半はもう言うことなしの超名演。ゲルギエフの統率力のすばらしさを実感。そして、管楽器ソロのうまさ、特にトランペットはたいしたものだ。満足、満足。最後のピッコロ、よくあんなに息が続くんだろうと驚く。第1、第2組曲からの10曲を演奏会用に順番を変えて演奏。ストーリーに従って並べ替えたらしい。あらためてこの曲を見直すことができた。
 アンコールも圧巻。最後のルスランとリュドミラではゲルギエフは舞台左袖に下がって、指揮者なしの演奏を披露。乱れることは全くなかった。日頃の練習の成果を見せつけてくれる。粋な演出をしてくれたものだ。東京ではアンコール4曲と聞いたが、3曲で終わり。さすがに疲れたのかな。楽団員のほっとしたような笑顔が印象的。伝え聞くところによると、コンサート終了後打ち上げのパーティーが設定されており、そのため演奏を早く切り上げたという噂もある。まあどうでもいいか。もうちょっと聴きたかったなあというのが正直な感想。

 余談だが、ビオラのトップの女性は毎回裾が割れた衣装で、魅力的な足を大腿部まで露出。また、その後ろの奏者はミニスカートである。前の席に座っていた人に聞いたら、ハープ奏者はシースルーで、目のやり場に困ったという。これも外貨獲得のサービスの内?
 新潟ではオールロシア物であったが、他ではベートーベン、ブラームス、マーラー、ベルリオーズ、バルトークなど多彩。1日たりとも全く同じ演目はなかったという。レパートリーの広さ、オーケストラの力量に感嘆する。そして過密日程にも驚く。結局3夜聴くことができたが、満足であった。3年前の感動は幻ではなかった。今後の活躍に期待したい。また、NHKでの放送を楽しみに待ちたい。

 ブラボー!ゲルギエフ!