東京交響楽団 第14回新潟定期演奏会
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2001年11月11日 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:ジャナンドレア・ノセダ
 
マーラー:交響曲 第8番 変ホ長調「千人の交響曲」

     ソプラノT:佐藤しのぶ、ソプラノU:家田紀子、ソプラノV:森 麻季 
     アルトT:坂本 朱、アルトU:栗林朋子  
     テノール:エフゲニー・アキーモフ 
     バリトン:フェドール・モジャエフ
     バス:妻屋秀和
     合唱:にいがた東響コーラス、東響コーラス  
     児童合唱:新潟市ジュニア合唱団
     合唱指揮:樋本英一、宇野徹哉
     オルガン:松居直美

 
 
 

 本日は個人的には今年一番楽しみにしていたコンサートです。開館記念で「復活」が演奏されたとき、次は「千人の交響曲」はどうかなとこのホームページでも書いていたのですが、ついに実現されました。
 大規模な曲で、演奏される機会も多くはなく、当然ながら新潟初演です。新潟市芸術文化振興財団創立10周年・りゅーとぴあ開館3周年記念の特別公演であり、この機会を逃したら、当分新潟では聴く機会は無いに違いありません。

 秋晴れの日曜日、幸い仕事はオフです。5時開演ですが、早めに会場に行き、屋上庭園を散歩しました。眼下を流れる信濃川をモーターボートが行き、振り返ると佐渡の山並みが見えます。穏やかな晩秋の夕暮れです。

 さて、4時15分、ファンファーレの生演奏で開場。しばし、恒例のポジティブオルガンの演奏に耳を傾けていると開演間近です。早くから切符は完売されており、客席はほぼ満席です。

 拍手の中、合唱団と楽員の入場。合唱団はステージ横と後方の2階席に陣取り、児童合唱はステージ右後方に配置。ステージ上は楽員でぎっしり。ハープだけで4台もあります。
 正面二階最前列に独唱陣が着きます。左から、ソプラノT、U、アルトT、U、テノール、バリトン、バス。もうひとりのソプラノVは、第2部で3階席右に登場。さらに、2階席後方にブラスが配置。さすがに千人とうわけにはいかないですが、これだけの出演者を見るだけでも感動ものです。

 ノセダが登場し、演奏開始。オケ、合唱、パイプオルガンがホールにこだまし、出だしから圧倒的迫力です。独唱、合唱とも熱演で、音の洪水の中に身をゆだねるだけでしたた。文章で書ききれるわけもないので、もうよしましょう。久し振りに興奮し、恍惚感のなかでこみあげる感動を抑えることができませんでした。
 これまで様々なコンサートを聴いてきましたたが、久し振りの感動でした。ノセダはゲルギエフの弟子だけあって、師匠を彷彿させる熱気あふれる指揮ぶりでした。これだけの大曲を、これだけの出演者をまとめ上げた力量に感服しました。今後ますます活躍するに違いないことを予感させました。

 このところいろいろあって、精神的に疲れ切り、正直言えば、コンサートに来る気力もなくなりそうだったのですが、ホールにあふれる感動の渦の中で、現実を忘れることができ、気力を回復することができました。やはり、音楽ってすばらしいなあと実感しました。CDを何枚も聴いたって実演にはかないません。

 こういう大曲をこれからも是非聴きたいです。今度はプロの演奏で復活を聴きたいなあ。ベルリオーズのレクイエムはどうかな。などと、ワクワクしながら自宅に帰りましたが、誰もいません。束の間の夢幻の世界から現実に立ち返り、着替えをバッグに詰め込んで、むなしさを感じながら柏崎へと向かいました。
 

(2階C*−*)