越後長野温泉 嵐渓荘 (三条市) B (泉質B、浴室B、設備C、眺めB)
三条市長野1450 TEL:0256-47-2211 営業時間:11:00-14:30 定休日:なし
泉質:ナトリウム-塩化物冷鉱泉、16.5℃、循環
タオル:あり サウナ:なし 露天:あり 石鹸:あり シャンプー:あり 休憩所:なし 食堂:なし(食事可)
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場所:三条から国道289号線を下田、笠堀ダム方面に進む。八木ヶ鼻という景勝(垂直に切り立つ巨岩)があるが、その手前を右手に入っていく。案内板に従って急な狭い道を降りていく。かつては守門川という渓流の河原が駐車場となっていて、川の対岸の温泉まで吊り橋が架かっていたが、2011年7月の水害で流されて、旅館も大きな被害を受けた。ここは知る人ぞ知る秘湯の一軒宿。木造3階建ての本館(緑風館)は風情があり、文化財にもなっている。
料金:入浴は大人1000円、子供700円。タオルは貸してもらえる。
浴室:大浴槽のほかに岩造りの露天風呂もある。浴室はガラス張りで開放感がある。木の椅子・洗い桶が趣深い。洗い場にはボディソープ、シャンプー類完備。女湯は「妙の湯」、男湯は「真木の湯」と命名されており、それぞれいわれがある。「妙」というのは、法華経の信仰厚い創始者が泉質が大変優れているという意味を込めて命名したもので、真木というのは温泉湧出の地名に由来するものとのことである。
この大浴場のほかに、本館から渡り廊下で進んだ先に、「山の湯」という浴室がある。「石湯」、「深湯」という2つの浴室があり、時間帯によって男女が分かれ、夜間帯は貸切風呂となる。木造で、風流な造りになっている。
泉質:源泉名は越後長野温泉。泉質はナトリウム-塩化物冷鉱泉。湧出量21L/分(動力)。湯は薄緑色透明で無臭、料理とすれば程良い塩味。肌はつるつるとなる。家内は化粧水もいらないほどだとお気に入りである。温泉は大正12年湧出といい、昭和2年の成分表は文語調でよく理解できないが、源泉温度は21度。表示によると(前略)無色澄明ニシテ弱アルカリ性ノ反応ヲ呈シ強塩味ヲ具ヘ摂氏拾度ニ於テ比重0壱参七ヲ示ス 之ニ就キ定量分析ヲ施行シタルニ本水千分中ニ含有スル固形物総量ハ約壱八・0分ニシテ各成分ノ量左ノ如シ(後略)などと掲示されている。ホウ酸の含有量が多く、薬効に優れているという。なお平成14年11月26日の分析表(イオン濃度mg/kg)では、Li
0.2、Na 5584、K 33.5、Mg 101.0、Ca 102.5、Sr 0.4、Ba 1.3、Mn 1.0、Fe(II)
1.6、F 0.3、Cl 7854、Br 34.8、I 1.3、SO4 36.7、HCO3 1651.0、CO3 4.8、メタ珪酸32.8、メタ硼酸23.2、遊離CO2 108.9、などガス性除く成分総計は15460mg/kgと成分豊富である。
その後の再訪時の掲示では、源泉は2つあり、越後長野温泉と越後長野温泉平成保男井戸。泉質はナトリウム-塩化物冷鉱泉。源泉温度16.5℃。湧出量は各源泉が21L/分、27L/分(動力揚湯)で合計48L/分、pHは7.6。主な成分(イオン濃度:mg/kg、平成22年10月分析)は、Li
0.5、Na 5649、K 60.1、NH4 0.4、Mg 177.5、Ca 161.5、Sr 0.7、Ba 0.8、Al
0.2、Mn 0.6、Fe(II) 0.9、Cu 0.1、F 0.2、Cl 8045、Br 30.4、I 3.0、S2O3
0.4、SO4 16.7、HCO3 1441、CO3 4.3、メタ珪酸 42.1、メタ硼酸 32.0、遊離CO2 60.7 など、ガス性除く成分総計は15670mg/kg、となっていた。
湯は加水なし、加温あり、循環あり、消毒あり、入浴剤なしで、オーバーフロー分は新湯が供給されている。実際の湯は、無色透明で、ほぼ無臭。昆布茶のような、ほど良い塩味で、ツルスベ感があって、浴感は良好。温まりは良く、湯上りの汗が引かなかった。1階のラウンジでは、ほうじ茶と合わせた源泉を飲むことができる。
コメント:泉質は確かにすばらしい。渓流と吊り橋(現在は存在せず)、水車と役者もそろっている。ロケーションは最高。立ち寄り湯でなくゆっくりと過ごすべき宿である。単に入浴だけで評価するなら、1000円はやはり高い。以前、タオルなしと紹介したが、タオルは貸してもらえるとのこと。旅館の方からメールをいただきました。ありがとうございました。
附記:嵐渓荘のホームページは一見の価値あり。是非ご覧下さい。
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(No.100 1998/11/01、2005/5/1合併により住所変更、2005/11/4一部改訂、2014/3/9追記) |