場所:咲花温泉街の中程、佐取館の駐車場と佐取館の間に挟まれるようにして立つ旅館である。 料金:入浴は、大人700円、小人400円、タオルなし。(湯巡り手形は利用可。) 浴室:玄関ロビー左手奥に浴室がある。正面に「正鬼の湯」、横の階段を数段上がった所に「花の湯」があり、男女で分かれる。訪問時は他に客はなく、両方覗いてみた。「正鬼の湯」は、昼間でも薄暗く、古ぼけた感じがする。大浴槽は黒っぽい色をしているので、温泉の色がわかりにくい。隅の石組の湯口には飲泉用のコップが置いてある。注がれた源泉は掛け流しされている。また自然岩を使った露天風呂があり、緑白色に濁った湯がたまっている。湯温はぬるく、注がれた湯もぬるい。かなり源泉が劣化したような湯であり、循環されているように思う。周囲は塀で囲まれ、屋根もあるため、景色は見えず、開放感も乏しい。足下が凸凹で滑りやすいので注意が必要。洗い場にはボディソープ、シャンプー類があるが、温度調整はマニュアル式。脱衣場は狭く、きれいとは言い難い。洗面台にドライヤーあり。一方「花の湯」は、「正鬼の湯」に比べて脱衣場は多少広くきれいである。浴室は長細い大浴槽のみで、露天風呂はない。こちらも景色は楽しめない。 泉質:掲示によると、源泉名は咲花温泉7号井。泉質は単純硫黄泉。源泉温度は51.5℃、使用位置51.0℃。成分はイオンの種類の記載はあるが、量の記載がない。他の旅館同様に、硫黄味、硫化水素臭のする淡緑色透明なお湯が、掛け流されているが、その日だけの問題かもしれないが、湯の鮮度が若干劣るように感じた。黒色の湯花の浮遊あり。露天風呂は、硫黄分が析出し、白濁したお湯は一見すれば趣深いが、新鮮な源泉とは言いがたいように思う。湯温は低く、長湯するにはちょうど良い。浴室には、「加熱 循環なし 源泉そのままの 若返りの湯です 黒い沈殿物は当温泉特有の湯の花です 最初に露天風呂から これが より効果的な入浴法です」と掲示されていた。 コメント:訪問時は他に客はなく、貸し切りで利用できた。静かで落ち着いた雰囲気は良いが、川縁にありながら景色は楽しめないし、内風呂、露天風呂とも開放感が乏しいのは残念である。「源泉100%、非加熱、掛け流し」を自慢しているが、浴室がもっときれいだとありがたみが増すだろう。露天風呂はぬる湯でゆっくり入るのが趣旨で、あえてそうしているのだろうが、エメラルドグリーンの新鮮な咲花の源泉を知っている者としては、この濁り湯は違和感を覚える。ここも源泉掛け流しにしてほしいというのが私の希望である。 (No.326 2004/6/26、2013/2/24訂正、2020/4/25URL訂正、2020/5/18訂正:湯めぐり手形利用可) |
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