場所:岩船港から粟島行きの船に乗り、フェリーで90分、高速船で55分。船から降りると右手に茶色の外壁の建物が見えるが、そこが温泉である。歩いて1分もかからない。港側から見える方は裏で、玄関は海と反対側にある。「何にもないを楽しむ島」がキャッチフレーズで、島の玄関口のはずなのに、船を降りても閑散として何にもないので、迷いようがない。 料金:大人550円、小人220円、タオルなし。下足棚に靴を入れ、受付で料金を支払う。右手には広いロビーと大広間、左手に浴室がある。 泉質:無色透明無臭だが、塩辛く苦い。これだけ苦い温泉は県内屈指であろう。源泉名は、粟島の湯。泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物泉。地下1500mから湧出し、源泉温度は、32.7℃。主な成分は、Naイオン4570mg/kg、Caイオン3535mg/kg、Mgイオン573.2mg/kg、Kイオン39.3mg/kg、Srイオン28.3mg/kg、塩素イオン13690mg/kg、硫酸イオン1771mg/kg、炭酸水素イオン41.5mg/kg、臭素イオン37.2mg/kg、メタ珪酸20.3mg/kg、遊離二酸化炭素18.2mg/kgなどで、ガス性除く成分総計は24310mg/kgと成分豊富な高張性の湯である。Caイオンが多いほか、Naイオン、塩素イオンが多すぎて、泉質決定の基準になるmval%では低くなってしまうが、Mgイオン、硫酸イオンの絶対量としては相当なものである。苦さの原因はここにあるものと推測され、旧泉質名でいう正苦味泉としての特徴を示している。当初は、小さな島の温泉であるので、海水と地下水が混じったような単なる食塩泉だろうと期待していなかったのだが、実際はなかななかの成分であり侮れない。 コメント:船で渡らなければならないので、気軽に立ち寄り湯ということにはならないが、釣りやキャンプで夏場は賑わうので、もし粟島に行く機会があったら是非立ち寄られることをお勧めします。 (N0.211 2001/7/7、2012/5/10リンク改訂、2019/9/21URL訂正、2020/7/12料金訂正) |
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