新栃窪温泉 あばれ井戸の湯 (上越市柿崎区) A  (泉質A、浴室C、設備C、眺めC)

上越市柿崎区栃窪 TEL:025-536-3339  営業日:土曜、日曜、連休の月曜、冬期間(11月中旬〜3月一杯)は休業  営業時間:10:00-17:00
泉質:ナトリウム-塩化物泉、9.6℃、ため湯
タオル:なし サウナ:なし 露天:なし 石鹸:あり シャンプー:あり 休憩所:あり 食堂:あり(軽食のみ)

場所:栃窪温泉「鷺乃湯」の手前に、平成11年に「清乃湯」がオープンした。「鷺乃湯」とは別源泉であり、通称・新栃窪温泉と呼ばれ、温泉ファンの間では高く評価されていた。布施さんというご老人が始められたのであるが、ご高齢になり、後継者もないため、長らく休業状態となっていた。再開が待ち望まれていたが、この度新しい経営者を迎え、リフォームされて、平成20年4月11日に「あばれ井戸の湯」として再オープンした。主人によると「清乃湯」という名を受け継ごうとも考えたそうだが、インパクトがないので、源泉の名前を取って「あばれ井戸の湯」としたそうである。浴室は従来のままであるが、旧来の建物の手前側が拡張されて、休憩場所とキッチンが作られ、軽食(うどん、カレー、丼物)が可能となった。外の源泉池は従来同様に存在感たっぷりであるが、護岸が石積みになって立派になっている。

料金:大人500円、小人300円、タオルなし。

浴室:浴室は旧来と同じであり、変更はない。左右2つの浴室があり、右が板張り・木製浴槽の浴室で、左はポリバス浴槽の浴室である。ともに家庭風呂の大きさなので、1人ずつしか入れない。浴槽には厚い木のふたがしてあるので、ふたをめくって入浴する。浴槽には源泉の蛇口と普通の水・湯の蛇口がある。洗い場にはシャワーがあり、ボディソープ、シャンプーが置いてある。脱衣場には洗面台、脱衣籠のほか、一応ロッカーもある。ドライヤーも置いてあった。窓から見える木々の緑は爽やかであり、鳥のさえずりが心を癒す。

泉質:源泉名は栃窪温泉・あばれ井戸。泉質はナトリウム-塩化物泉。源泉温度9.6℃。主な成分(イオン濃度:mg/kg、平成20年1月23日分析)は、Li 0.36、Na 2900、K 28、NH4 28、Mg 10、Ca 14、Sr 0.74、Ba 0.34、Al 0.08、Fe(III) 0.27、Cu 0.02、Zn 0.06、Cl 4000、Br 23、I 12、SO4 24、HPO 0.04、HCO3 780、CO3 14、メタ珪酸 29、メタ硼酸 61、遊離CO2 14、など、成分総計は7490mg/kgである。湯は淡緑色混濁、微アブラ臭、上品な塩味がして昆布茶のようである。肌のツルスベ感がある。湯は溜め湯になっているが、加熱した源泉蛇口があるので、掛け流すことも可能ではある。濃厚なお湯で温まりは良い。以前の分析表より数字の上では若干薄くなっているが、源泉の良さは変わらない。源泉温度が非常に低いが、分析が1月であったためであろうか。

コメント:浴室は旧来のままであるが、休憩所が若干拡張され、軽食やビールなども提供されるようになった。混み合うこともないとは思うが、入浴は1人ずつとなるので順番待ちになる場合もあろう。館内はきれいであり、生け花などちょっとしたところに主人のセンスの良さを感じる。営業日が少なく、営業時間が短いのが難点であるが、源泉の良さは満足感が高い。
 丘陵の谷間にひっそりと佇み、世間の喧噪から逃れて森林浴や秘湯気分を味わうことができる。ウグイスの鳴き声を聞きながらの入浴は格別であった。心を癒す隠れ家として、大事にしたい温泉である。
 国道8号線法音寺交差点から山側に進むに連れ、平成から昭和30年代へと時間を遡るように変化していく周りの風景は何とも趣深い。茅葺き屋根も健在である。行楽としての温泉ではなく、温泉そのものをじっくりと味わいたい大人の温泉人に自信を持ってお勧めしたい。

附記:前身の「清乃湯」を始めた布施清吉氏は、平成20年6月に逝去されました。ご冥福をお祈りします。

*2008年10月より、営業日が当分の間、週末のみとなり、冬期間は休業となりますのでご注意下さい。

(No.441 2008/7/5、2008/10/6営業日・時間変更)

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