えこじの湯 (小千谷市) A  (泉質C、浴室C、設備D、眺めD)  閉館 ブログ

小千谷市真人町中央通り TEL:0258-86-3276 営業時間:10:00-22:00(要確認) 定休日:月曜日
泉質:単純泉、30℃、循環
タオル:あり サウナ:なし 露天:なし 石鹸:あり シャンプー:あり 休憩所:あり(茶の間) 食堂:なし、頼めば食事可能

場所:関越道・越後川口ICから国道117号線に出て、十日町方面に南下。案内板に従って川西方面への県道を進み、しばらく進んだ先にある。前頁の「ふれあいメゾン」の斜め向かい、真人小学校入り口にある。全くの民家であるが、入り口に「えこじの湯」と書いてあるのでこことわかる。

料金:入浴は500円(以前は300円だったが値上げされた)。受付やフロントというものは存在しない。茶の間に主人がいるので、入浴したいというと、勝手に入ってくれという。金は後でいいからとのことで、この家の裏手に作られている浴室に向かう。

浴室:浴室はひとつで、男女別になっていない。そんなに客がくるわけでないので、これで十分。30分以上たって次の客が来たらブザーで合図される。浴槽は畳3畳ほどの長方形の大浴槽がひとつだけ。浴槽奥には木々や動物の置物が置かれたりして、独特のほのぼのとした雰囲気がある。この浴室はすべて主人の手作りだという。決してきれいではないが、汚い印象も受けない。浴室片隅に岩塩の入った箱が置いてあり、足の裏をマッサージすると良いとのこと。浴槽の中にも一部でこぼこした場所があり、足裏のマッサージ用である。洗い場には石鹸・シャンプー類あり。シャワーが2つあるが、お湯が出るのは、手前のピンクの管のシャワーだけである。タオルは浴室に掛けてある物を自由に使ってよいとのこと。

泉質:湯は無色透明無臭、若干の鉄味がある。源泉名不明のアルカリ性単純泉。ふれあいメゾンのすぐ向かいであり、同じような成分なのであろう。湯は長く入れるようにぬるめに設定してあるとのこと。主人に聞くと、メゾンは源泉そのままで赤い色をしているので多少汚れていても目立たないが、ここは鉄分を取って透明にしているのですぐに濁り、管理が大変なのだという。湧出量は豊富でポンプで汲み上げているが、最高毎分1500L出るという。玄関先で絶えず水が流されているが、これは温泉そのもので、冬季は消雪用に使用しているとのことである。もったいない話だと笑っている。ぬるめなのに上がった後汗が出てくる。いい湯なのだろう。

コメント:入浴後は一休みしてくれと、こたつのある茶の間でお茶を何杯かいただいた。茶菓子まである。温泉のこと、きのこや山菜のことなど色々話が聞ける。食事はしなかったが天然きのこ料理が自慢らしい。帰りには女将が見送ってくれた。こんなに親切にしてもらってたった300円(現在は値上げされて500円)とは申し訳ない。故郷に帰ったような安らぎを得ることができる。誰にも教えないで、そっと自分の宝物にしておきたいような温泉であった。

附記:NT21の「Dr近藤の温泉手帖」で紹介させていただきました。
  
家族連れで行くには向きません。心が疲れたとき、心のすき間を埋めに1人で訪れて下さい。
 

附記その2:テレビでの紹介などあって、その後えこじの湯のご主人と懇意にさせていただいている。自慢のきのこ料理もご馳走になった。この主人は若いときいろいろ苦労されたそうだ。酒と女で身を崩したが、断酒して立ち直ったそうである。この波瀾万丈の人生は聞いていておもしろかった。頑固一徹の人柄で、飾り気が全くない。女将さんも、息子さんも、お孫さんも、他人の私を家族同様に迎えてくれた。客人というより親戚、家族という雰囲気の扱いである。
 えこじの湯は、もともと「ニュー瑞豊」という料理屋で、川魚料理など出していたそうだ。テラピアの養殖に手を出し、養殖用と消雪パイプ用の井戸を掘って出た温泉を利用するため、家の裏に自らの手で浴室を作ってしまった。いかにも手作りということが分かるバラック立ての素朴さがたまらない。一見古そうだが、温泉としての営業はまだ5〜6年とのことである。えこじの湯の斜め向かいに、ふれあいメゾンがある。そちらは真人地区の共同運営で、小千谷市の補助を得ている。それに対してえこじの湯は、全く個人経営である。風呂を作ったって入りに来る人などいないと後ろ指を指され、地区の人ともいろいろと確執があったらしい。それでかえって意地になって、風呂場を作ってしまったという。まさにえこじ(意固地)の湯である。温泉はアルカリ性の単純泉、源泉温度は30度弱程度。最近温度が下がったそうだ。源泉名を聞いたが特にないとのこと。向かいが真人天然温泉だから、こっちは真人温泉とでもしようかと主人は笑っていた。向かいと違って、お湯は毎日入れ替えている。薄暗く、レトロな浴室だが、無色透明なきれいなお湯はすがすがしい。このお湯にゆったりと使っていると、疲れた心が安らぐ。温泉としては全く無名であり、温泉通の人からちゃんとした温泉なのかという質問もいただいたが、正真正銘の天然温泉である。温泉利用の許可証も、成分分析表も玄関先の片隅にひっそりと掲げられている。宣伝活動をしているわけでないし、また客が多く来ても対応は困難である。ということで、対外的に紹介したのは私が始めてであった。
 浴室はひとつのみ。女性が入浴中の時は、あがるまで茶の間でお茶を飲みながら待つことになる。30分経って待っている人がいると、インターホンで呼ばれる。これがまたここの魅力。したがって、客がいっぱい来られても困ってしまう。待ちついでに、できれば、天然きのこ料理をいただくとよい。すべて主人が山から採ってきた天然物である。主人の現在の生き甲斐は、このきのこである。幻のきのこと呼ばれる(仮称)ミヤマホウキタケの人工栽培に取り組んでいる。山から採ったこの幻のきのこをいただいた。松茸に勝るとも劣らない高貴な香り、味わいを堪能した。これを人工栽培して、スーパーで買えるようにするのが主人の夢だとのこと。
 いずれにせよ味わいのある温泉である。観光地化し、混雑する温泉に飽き飽きした人にはお勧めできる。素朴な温泉、庶民的温泉の究極的な姿である。あまりに究極的で、一般人に広く勧めることはできない。このアットホームな雰囲気、アットホームすぎる雰囲気になじめない人もいるかもしれない。しかし、なじめた人には心の安らぎとなる温泉、心の隠れ家となろう。
 

その後噂がひろまって、温泉好きの方々が多数訪問されています。あの温泉チャンピオンの郡司さんも2001年秋に訪れたそうな。あの良さが分かってくれる人が多くいて心強く思っています。

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2013年8月、女将さんがが亡くなられ、9月にご主人も亡くなられました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

(No.106 1998/11/28、1999/10/24追記、2001/11追記、2012/5/20ブログリンク追加)

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