三国苗場温泉 美人の湯 (湯沢町) B  (泉質A、浴室C、設備D、眺めD)  現在は経営者が変わっており、「美人の湯」は存在しません。

南魚沼郡湯沢町大字三国 TEL:0257-89-2331 営業時間:9:00-22:00 定休日:なし
泉質:カルシウム・ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉、46.1℃、掛け流し
タオル:なし サウナ:なし 露天:なし 石鹸:あり シャンプー:なし 休憩所:なし 食堂:なし

場所:苗場と言えばスキーのメッカであるが、温泉もある。かねてから訪れたいと思っていたが、なかなかこれなかった。新潟県最南端の温泉である。越後湯沢から国道17号線をひたすら上っていく。苗場は全国的にもメジャーな観光地だから説明することもないだろう。苗場プリンスの豪華な建物を右手に見ながら旅館街をちょっと進むと左手に賑やかな看板が見える。駐車場に温泉の効能をうたった看板がいろいろ出ており、その内容はなかなか読んでいて楽しい。脇には温泉も流されている。看板をデジカメで撮ったり、お湯を手にすくって飲んだりしていたら、怪しまれて、主人に何をしているのかとにらまれてしまった。通りから少し奥まったところに建物があるが、いかにもひなびた感じ。元は「さかえや」というホテルだったが、不景気で宿泊はやめて日帰り入浴としてだけ営業しているとのこと。

料金:入浴料は700円、タオルなしなので安くない。フロントで料金を払って左手の浴室に向かう。館内も外見同様にひなびた感じ。

浴室:脱衣場にも温泉の効能がいろいろと掲示されている。いかにこの温泉がすばらしいか、自信を持って主張している。浴室は小さめの大浴槽のみ。赤茶けて汚く見える。お湯は掛け流しである。洗い場にはシャンプーはない。

泉質:カルシウム・ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉で、赤茶けた色で、塩味と苦みがある。臭いはない。主な成分は、カルシウムイオン869.7mg/kg、ナトリウムイオン749.7mg/kg、カリウムイオン29.7mg/kg、マグネシウムイオン20.8mg/kg、鉄イオン7.9mg/kg、ストロンチウムイオン5.9mg/kg、バリウムイオン5.3mg/kg、マンガンイオン1.5mg/kg、アルミニウムイオン1.4mg/kg、硫酸イオン1762mg/kg、塩素イオン1447mg/kg、炭酸水素イオン83.4mg/kg、臭素イオン6.4mg/kg、ヨウ素イオン5.0mg/kg、フッ素イオン1.8mg/kg、メタ珪酸27.3mg/kg、メタ硼酸60.5mg/kg、メタ亜砒酸1.7mg/kgなど溶存成分合計はガス性を除いて5087mg/kgである。
 源泉100%で、無濾過・無加熱・非循環で、かけ流しというのが自慢である。源泉温度は公称46.1度だが、実際は50度くらいあって、給湯パイプを川の中に通してさまして使用しているという。環境庁から許可された100L/分を目一杯使用しており、湯船は30分ですべて入れ替わるという。宣伝文句によれば、温泉成分19種類中16種類の成分があり、他の温泉より10〜20倍の濃度があるとのこと。成分総計がもっと多い温泉はあるが、たいてい食塩泉で、食塩以外の成分は乏しい。他の温泉旅館は源泉を薄めて使っており、実際の有効成分は乏しいんだという。しばし主人と温泉談義をすることができた。(主人の話は説得力があっておもしろいが、厳密に言えば、単にたくさんの温泉成分を含むということであって、各成分が温泉法第2条の温泉成分の基準値を満たしているということではない。)

コメント:浴室は赤茶けて汚く、休憩設備も乏しい。しかし、泉質には絶対の自信をもっている。いかに優れているか、いかによその温泉に問題があるか、数式を出して説明してくれる。また、その話が非常におもしろい。これだけ自信を持つ温泉は、ほかには寺泊の阿弥陀様の湯くらいかな。
 決して万人に勧められる施設ではなく、家族連れで楽しむ雰囲気もない。外見より中身を重視し、個性的な温泉を求める人で、主人と波長が合う人なら不思議な魅力を理解していただけるだろう。

(No.124 1999/8)

現在は経営者が変わり、名称・営業形態が変わっています。ここに記載した内容はあくまで、旧施設の情報ですのでご注意下さい。(2006/1/13追記)

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