東響ロビーコンサート
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2023年12月3日(日) 12:00 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール ホワイエ
ヴァイオリン:辻田薫り、竹田詩織
ヴィオラ:小西応興、多井千洋
チェロ:蟹江慶行、伊藤文嗣
 

チャイコフスキー:弦楽六重奏曲「フィレンツェの思い出」 op.70
 T.アレグロ・コン・スピリート
 U.アダージョ・カンタービレ・コン・エ・モート
 V.アレグレット・モデラート
 W.アレグロ・ヴィヴァーチェ


 

 今日は東京交響楽団新潟定期演奏会の日に恒例のロビーコンサートに参加させていただくことにしました。通常は13時開演なのですが、本日は変則的に12時開演です。17時からの本公演は、新潟独自のプログラムですし、新潟市ジュニア合唱団との共演がありますので、リハーサル時間を十分に取るために、ロビーコンサートは早めに終わらせようということかと想像します。

 今週の新潟は、冬型の天候が続いており、今日も悪天候となり、冷たい雨が降り続いています。出かけるのもはばかれるような天候で気分もふさぎますが、負けてはいられません。
 某所で昼食を摂り、りゅーとぴあへと向かいました。白山公園駐車場の案内板には満車のマークが出ていましたが、いつもの場所に空きがあって、スムーズに駐車できました。
 今日はりゅーとぴあ、県民会館、音楽文化会館とフル稼働しており、特に県民会館では吉本新喜劇の公演が午前・午後の2公演開催されており、駐車場は満車になったものと思います。タイミングよく駐車できて幸いでした。

 りゅーとぴあに入館しますと、コンサートホールのホワイエには、既にたくさんの人がおられ、開演を待っておられました。
 チラシを見回して私もホワイエに行きましたが、ちょうど出演者の皆さんがエレベーターで上がって来られ、私とすれ違いました。

 拍手の中に6人の奏者が入場。左から、第1ヴァイオリン:辻田、第2ヴァイオリン:竹田、第1ヴィオラ:小西、第2ヴィオラ:多井、第1チェロ:蟹江、第2チェロ:伊藤という並びです。直前に決まったという竹田さんによる挨拶とメンバー紹介、曲目紹介があり、演奏が始まりました。
 本公演のチャイコフスキーに合わせてこの曲を選んだこと、チャイコフスキーが50歳のときの作品で、室内楽曲としては最後の作品であることなどを解説してくれました。

 第1楽章は、激しいパッセージで始まりました。第1ヴァイオリンが美しく歌いますが、熱く燃え上がり、血沸き肉踊るような情熱あふれるパワーと熱量に満ちた演奏に、いきなりノックアウトされてしまいました。スピードアップして熱く駆け上がるフィナーレの高揚感には圧倒されました。

 第2楽章は、優しい調べにうっとりしました。他の5人のピチカートに載せて第1ヴァイオリンが優しく歌い、やがてそこに第1チェロが加わって甘くメロディを奏でました。一瞬暗雲がやってきますが、再び明るい日差しが舞い戻り、心安らかに音楽に身を委ねました。

 第3楽章は、ちょっともの悲しい響きに始まり、次第に激しさを増しました。吹っ切れたように駆け足して突き進み、そして悲嘆の中に彷徨し、安らぎを得て楽章を閉じました。

 第4楽章は、舞曲風に軽やかに始まり、スピード感を保ちながらも、ゆったりと歌い上げました。激しくリズムを刻んで熱量を上げ、ゆったりとしたうねりを繰り返して、津波の如く大きな波となって押し寄せて、感動の高みへと押し上げられました。

 これほど熱い演奏が聴けるとは想像できず、高揚感溢れる演奏に圧倒され、残響豊かなホワイエに響き渡る美しい弦楽の響きに魅了されました。
 これほどの音楽を聴かせてくれる音楽家の集団が東響であるということを思い、東響の素晴らしさを再認識させられました。
 素晴らしい音楽を無料で聴けるというのは幸せなことであり、新潟にりゅーとぴあがあり、東響新潟定期がある幸せを噛み締めました。

 17時からは本公演が控えています。それまでの間にこの原稿をまとめるべく、冷たい雨が降り続く中に家へと向かいました。
 

(客席:正面・後方、無料)