アークブラス
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2023年9月3日(日) 14:00 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
トランペット:佐藤友紀、松山萌 ホルン:福川伸陽 
トロンボーン:青木昂 テューバ:次田心平
 
ルネサンス組曲より
 フランソワ:トランペットのためのイントラーダ
 アグリコラ:悲しみを忘れたい
 ヴェッキ:サルタレッロ
シャイト:戦いの組曲
 T. 戦いのガイヤルド
 U. 悲しみのクーラント
 V. カンツォーン・ベンガマスク
J.S.バッハ:目覚めよと呼ぶ声あり
ヘンリー8世:組曲「棘のない薔薇」
 T. 私にとって大いなる喜び
 U. 良き仲間との気晴らし ― ああマダム
 V. さよならマダム、そして愛しき人
 W. タンデル・ナーケン
 X. 別れはつらい
 Y. まことの愛に ― 良き仲間との気晴らし

(休憩20分)

ジョブリン:ジ・エンターテイナー
フランス民謡:フレール・ジャック
サイモン・ギャビー/セシル・コルベル:アリエッティズ・ソング
ピアソラ:リベル・タンゴ
リムスキー=コルサコフ:熊蜂の飛行
ホロヴィッツ:ミュージック・ホール組曲
 T. おてんば娘の歌
 U. 曲乗り自転車
 V. アダージョ・チーム
 W. ソフト・シュー・シャッフル
 X. 踊り子たち

(アンコール)
ロッシーニ:ウィリアムテル 序曲
スイス民謡:かっこう
D.Gills 編:JUST A CLOSER WALK
 

 今日は、2021年に日本のトップ奏者により結成されたという金管アンサンブルのアークブラスのコンサートを聴きに行くことにしました。
 トランペットの佐藤友紀さん(元東響主席)、ホルンの福川伸陽さん、トロンボーンの青木昂さん(読響)、テューバの次田心平さん(読響)のコアメンバーに、今回はトランペットの松山萌さん(東響)が加わって、金管五重奏の構成で演奏が行われます。

 実はアークブラスのことは何も知らなかったのですが、会員更新のときに東響定期会員向けの割引セット券が販売され、それにつられてチケットを買ったというのが真相です。
 チラシの紹介文によりますと、70年代を中心に世界で活躍した伝統の金管アンサンブルであるフィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブル(PJBE)の偉業を継承し、21世紀のブラス・アンサンブル界をリードしていく存在を目指してトップ・プレイヤーたちが結集したドリーム・アンサンブルだそうです。

 眠れね夜を過ごし、心配して慰めに来たネコと戯れ、東響のネット配信を楽しみました。ホームページ、ブログをアップして、ゆっくりと昼食を摂り、りゅーとぴあへと向かいました。白山公園を散策しましたが、9月になっても日差しは強いですね。
 館内に入り、チラシ集めをし、開場とともに入場して席に着き、この原稿を書きながら開演を待ちました。セット券を購入したときには席は選べませんでしたが、指定された席はなかなか良い場所でラッキーでした。

 開演時間となり、場内が暗転し、暗闇の中に5人が入場しました。照明がつき、「ルネサンス組曲」で開演しました。左からトランペット(佐藤)、ホルン(福川)、チューバ(次田)、トロンボーン(青木)、トランペット(松山)という並びです。
 1曲終わるごとに照明が落とされ、3曲が続けて演奏されましたが、ふくよかなブラスサウンドが、残響豊かなホールに豊潤に響き、今日のコンサートが素晴らしいものになることが確信されました。

 ここで佐藤さんによるMCがあり、アンサンブルの紹介がありました。固定メンバーは4人ですが、曲目に合わせて他のメンバーが加わり演奏を行っているとのことでした。以後曲間にMCを挟みながら演奏が進められました。

 2曲目はシャイトの「戦いの組曲」です。3曲からなりますが、戦いとは言うものの、金管の柔らかでふくよかな調べが心地良く感じられました。

 ここで福川さんにより金管楽器についての説明があり、マウスピースだけで「カエルの歌」を演奏したりして楽しませ、今日の演奏で使う3種類のトランペット(トランペット、ピッコロトランペット、フリューゲルホルン)とホルン、トロンボーン、チューバについて、演奏を交えながらユーモアたっぷりに解説してくれました。

 続く3曲目は、バッハの「目覚めよと呼ぶ声あり」が演奏されましたが、演奏の素晴らしさもさることながら、各楽器の音色の美しさに魅了され、楽器の解説の後でしたので、トランペットとフリューゲルホルンの音色の違いなども良く分かって良かったです。

 そして前半最後は「棘のない薔薇」です。6曲からなりますが、各曲とも素晴らしいアンサンブルで楽しませてくれ、各奏者の素晴らしさが如実に示されました。

 休憩後の後半は、「ジ・エンターテイナー」を軽快に演奏して開演しました。後半も曲毎にユーモアあふれるMCを挟めながらの演奏で、楽しませました。

 後半2曲目は「フレールジャック」です。演奏前にお馴染みのメロディの解説がありましたが、マーラーの交響曲第1番第3楽章の一節をホルンで演奏してくれたのも良かったです。曲は「フレールジャック」のメロディを元にした変奏曲で、楽しく聴かせていただきました。

 続いては、各楽器がソロをとる曲を演奏するとのことで、まず佐藤さんのピッコロトランペットがソロをとる「アリエッティズ・ソング」が演奏され、続いてホルンがソロをとる「リベルタンゴ」が演奏され、美しい演奏にうっとり聴き入り、チューバとトロンボーンによる「熊蜂の飛行」での超絶的な演奏に驚嘆しました。

 ここで、これから開催される東京交響楽団と読売日本交響楽団の演奏会の宣伝があり、プログラム最後の「ミュージック・ホール組曲」が演奏されました。5曲からなりますが、それぞれが楽しい曲で、ホールを沸かせて予定のプログラムは終演となりました。

 大きな拍手に応えて、アンコールに「ウィリアムテル序曲」をフルオーケストラさながらに、迫力いっぱいに、躍動的に演奏して感動を誘いました。
 そして、「かっこう」をユーモラスに演奏し、最後に「JUST A CLOSER WALK」を演奏して、感動の中に演奏会は終演となりました。

 いずれも実力ある奏者たちですので、演奏は期待以上に素晴らしく、ブラスアンサンブルの魅力をダイレクトに知らしめてくれました。良い演奏会にめぐり合えた幸運に感謝し、大きな満足感を胸にホールを後しました。
 

(客席:2階C2-24、S席:バリューパツク:\2200)