りゅーとぴあ恒例の1コイン・コンサートも、回を重ねて、今回は第125回となりました。ほとんどが平日開催で聴きに行けないのが残念ですが、今回は今シーズン唯一の土曜日開催になりましたので、久しぶりに聴きに行くことにしました。前回行ったのが、2021年6月の第114回でしたので、ちょうど2年ぶりになります。
梅雨真っ只中の新潟。昨日は雨が降りましたが、今日は曇り空ながらも雨は降らず何よりです。掃除・洗濯・ゴミ出しと、与えられたいつものルーチンワークを早めに終えて、急いで家を出ました。昨夜雨が降ったらしく、車の屋根に雨粒が載っていました。
りゅーとぴあに着きますと、既に開場されており、ロビーは多くの人たちで賑わっていました。インフォメーションで某コンサートのチケットを買い、ワンコインではなく、100円玉5個の5コインで入場しました。
客席は、3階席が使用されていないためもあり、既にかなり埋まっていました。空きを見つけて座った席は、かつて東響新潟定期で20年間私が使っていた席でした。最近別の席に移動したのですが、古巣に戻ってきたかのようで懐かしく感じました。
客席でこの原稿を書きながら開演を待ちましたが、開演時間が近づくに連れて客席はさらに埋まり、開演直前になって3階席も解放されました。
開演時間となり、白い衣装が麗しい瀧本さんと黒いドレスのピアノの五十嵐さんが登場して、挨拶代わりにエルガーの「愛の挨拶」を明るく爽やかに演奏して開演しました。
ここで瀧本さんの挨拶があり、以後、曲毎に瀧本さんによる曲目紹介と曲の解説、ちょっと早口なトークを交えなから演奏が進められました。
2曲目は、「タイスの瞑想曲」です。柔らかなピアノとともに、しっとりとしたフルートの音色が、残響豊かなホールに、ゆったりと美しく響き、心を鎮める瞑想の時間を過ごしました。
続いて、フルートの定番曲である「アルルの女」の「メヌエット」とグルックの「精霊の踊り」を続けて演奏し、美しい音楽と美しいフルートの音色にうっとりとしました。
ピアノの五十嵐さんがステージから下がり、5曲目はフルート独奏で「シリンクス」です。幻想的なフルートが、静まり返ったホールに響き渡り心が清められるかのようでした。
五十嵐さんが戻り、6曲目は「亜麻色の髪の乙女」です。ゆったりと穏やかな演奏が心地良く、ドビュッシーの名曲をうっとりと聴き入りました。
2人が一旦退場して小休止して再登場し、続いてはプーランクのフルート・ソナタです。単なる名曲コンサートに終わらせず、ソナタを加えたことに、瀧本さんの気概を感じました。
これまでの柔らかな音楽から変わって、ちょっと現代的な響きが新鮮に感じました。ゆったりと幻想的な第2楽章から快活でスピーディな第3楽章へ。激しさを増すピアノとともに熱さを増していき、ひと呼吸置いてフィナーレとなりました。小品が続いていましたので、なかなか聴き応えある曲に感じました。
そして、プログラム最後は、フルートの定番といえる「ハンガリー田園幻想曲」です。ゆったりと幽玄に歌うフルート、どこか日本的な尺八的な響きもあるこの曲の味わいを、雄弁に示してくれました。後半は明るく爽やかに奏でて、大きな感動をもたらしました。
大きな拍手に応えて、アンコールにアンデルセンの「スケルツィーノ」を明るく軽快に演奏し、瀧本さんの容姿そのままの、爽やかなコンサートは終演となりました。
同年齢という五十嵐さんのサポートに支えられて、フルートの素晴らしさ、音楽の喜びを教えてくれる素晴らしいコンサートでした。これをきっかけに、コンサートに足を運んでくれる人が増えてくれると良いですね。
いい音楽を聴いた満足感を胸にりゅーとぴあを後にして、白山公園から上古町へと歩き、いつもの楼蘭で冷やし中華(大盛り)をいただき、さらに幸せな気分になって駐車場へと向かいました。
(客席: 2階C5-35、¥500) |