新潟サクソフォーン協会第27回演奏会
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2022年3月27日(日) 14:30 黒埼市民会館 ホール
 
サクソフォーン・ソロ
  ボザ:即興曲とカプリス
  サン=サーンス(須川展也 編):白鳥
  ベートーヴェン(M.ミュール 編):小ワルツ
  伊藤康英:琉球幻想曲
  シュルホフ:ホツト・ソナタ 第1楽章、第4楽章

(休憩15分)

ジャズ・アンサンブル
  チャーチル:いつか王子様が
  ハワード:フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン

サクソフォーン・アンサンブル
  ハーライン(啼鵬 編):星に願いを
  ピアソラ(浅利真 編):デカリシモ
  ピアソラ(越井慶 編):輝くばかり
  広瀬優人:春の小径
 
 3月最後の日曜日になりました。今日は、当初は所用もあり、行く予定にはしていなかったのですが、予定が変わって時間が空き、関係者よりこコンサートの案内をいただいていたことを思い出し、急遽出かけることにしました。
 黒埼市民会館は、西区在住の私としましては、近くて便利な会場であり、混み合う道路を通ることもなく、すぐに到着することができました。

 市民会館の奥にホールがあり、行ってみますと既に開場されており、500円を払って入場しました。平土間に収納式客席のある多目的ホールですが、音響反射板もあって、音楽用にも使用されています。それほどの混みようでもありませんでしたが、密集・密接にならない場所ということで、左端に席を取りました。

 美しい音色の開演のチャイムが鳴り、曲目紹介のアナウンスの後、開演となりました。前半はサクソフォーン・ソロが続きます。

 最初は樋口健太郎さんのアルトサックス独奏で、「即興曲とカプリス」です。ちょっと意味深な叙情性を感じさせる即興曲から、あっけに取られるような猛スピードで駆け抜けるカプリスで圧倒し、トップバッターの重責を見事に全うしました。

 続いては、アルトサックスの渋谷研一さんとピアノの北村さやかさんにより、2曲演奏されました。「白鳥」では輝くようなピアノにのせて、甘くゆったりと歌うサックスにうっとりと聴き入りました。「小ワルツ」では、舞曲を生き生きと明るく演奏し、心を明るくさせていただきました。

 続いては、ソプラノサックスの山宮昭彦さんとピアノの村山和子さんで、「琉球幻想曲」です。沖縄民謡の中でも最もポピュラーな「安里屋ユンタ」を基にした曲ですが、超絶技巧を駆使したソプラノサックスの高音が突き刺すように響き、ピアノとともに軽快に駆け抜けて魅了しました。

 前半最後は、アルトサックスの平田和彦さんとピアノの八子真由美さんで、「ホット・ソナタ」が演奏されました。ちょっとおどけるようなピアノのリズムにのせて、怪しげにも感じるメロディを奏で、違和感を感じながらも、いつしか曲に引き込まれ、変な心地良さを感じました。ちょっと不思議にも感じる曲でしたが、八子さんのピアノとアルトサックスが絶妙に絡み合って、楽しませていただきました。

 休憩後の後半最初は、テナーサックスの三国岳彦さん、ピアノの山際規子さん、ドラムスの磯野恭輔さんの3人によるジャズ・トリオの演奏で、「いつか王子様が」と「フラー・ミー・トゥー・ザ・ムーン」の2曲が演奏されました。
 ブルーのキラキラドレスが麗しい山際さんは否が応でも目立ち、夜の雰囲気を醸し出してくれました。三国さんのムード溢れるテナーサックスの調べとドラムスが、ナイトクラブにいるかのような、大人の雰囲気を作り出して楽しませてくれました。
 ピアノもドラムスもソロをとる場面があり、その素晴らしさも賞賛すべきと感じました。ジャズライブに来ているかのようであり、スウィングして、思わず身体でリズムを取ってしまい、ウキウキ気分にさせていただきました。
 
 続いてはサクソフォーン・アンサンブルです。まず、アルトサックスの平田和彦さんと大塚俊治さんによる二重奏で、「星に願いを」が演奏され、甘いサックスの調べとムード溢れる演奏に、うっとりと聴き入りました。

 続いては、ソプラノサックスの山宮昭彦さん、アルトサックスの渋谷研一さん、テナーサックスの大久保順司さん、そしてバリトンサックスの樋口健太郎さんの4人によるサクソフォーン四重奏で、「デカリシモ」、「輝くばかり」、「春の小径」の3曲が演奏されました。
 さすがに四重奏となりますと音の厚みもあって、聴き応え十分です。「デリカシモ」では、明るく洒落たメロディーが心地良く、楽しく聴きました。
 「輝くばかり」では、いかにもタンゴというようなリズムにのせて、躍動感と明るさに満ちた音楽を聴かせてくれました。
 「春の小径」は、まさに春を感じさせるような優しく美しいメロディが、心を明るくさせて、癒しを与えてくれました。昨今の社会情勢で疲れた心を励ましてくれるかのようであり、いい曲であり、いい演奏でした。

 コロナ禍で練習するにも大変だったことと思いますが、それぞれの練習の成果が存分に発揮され、多彩なプログラムで楽しませてくれました。さらなる発展を祈念し、次の機会を楽しみにして、明るい気分でホールを出ました。

 
 
(客席:A-1、¥500)