Noism2 定期公演 vol.12 Complex 〜旧作と新作の複合による
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2021年4月24日(土)17:00 新潟市民芸術文化会館 劇場
演出振付:金森 穣
稽古監督:浅海侑加
Noism2:池田穂乃香、カナール・ミラン・ハジメ、坪田光、中村友美、青木愛実、兼述育見、小林亜優、土屋景衣子、渡部梨乃
 

第1幕

(休憩15分)

第2幕


音楽
Aphex Twin《Prep Gwarlek 38》
cyclo.(ryoji ikeda+carsten nicolai)《C2》《id#8》
Bolot Bairryshev《天国の歌》
Heinrich Iganz Franz von Biber《Passacaglia》
Hugues Le Bars《Casse-Roulement》
J.S.Bach《無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ》
《Prelude in E minor BWV855a》
《Das Orgelbuchlein,BWV599-644:Wen WirinHochsten Noten sein,BWV641》
Jordi Savall《Improvisation Sur Les Folies d'Espagne(Marin Marais):Exrraits》
The The《Marking Time》
Steve Reich《Dramming Part4》
梅林茂《La lettera》《AYA》

Noismレパートリー
『Training Piece』(2014年)より
『ZONE』(2009年)より「academic」
『solo for 2』(2012年)より
『R.O.O.M.』(2019年)より
『ZAZA』(2013年)より
『ASU』(2014年)より
劇的舞踊『ラ・バラデールー幻の国』(2016年)より
『passacaglia』(2017年)より
 

 日本初であり、日本で唯一の公共劇場専属舞踊団であるNoism。市長の交代により存続問題に揺れましたが、その素晴らしさはこのサイトをお読みくださる方ならご承知のことと思います。
 芸術監督の金森穣氏の下、日本のみならず世界を視野に活動しており、自慢できることが少ない新潟市にあって、全国に誇りうる宝といえるでしょう。

 このNoismには、プロフェッショナル選抜メンバーによるNoism0、プロフェッショナルカンパニーNoism1、研修生カンパニーNoism2の3つの集団がありますが、今回はNoism2の公演です。

 Noism2としては12回目の定期公演となりますが、木曜日から3日連続3公演開催され、今日が最終公演となります。定期公演は、通常はスタジオBで開催されていますが、新型コロナ対策で今回は劇場での開催となりました。
 いつもの100席規模の狭いスタジオでなく広い劇場ですので、演じる上での大変さもありましょうが、たくさんの観客の前で踊ることができるわけですので、モチベーションも高まるものと期待されます。

 さて、音楽文化会館でのコンサートが終わり、りゅーとぴあに移動し、今度はNoism2です。開場時間までまだ30分ほどありましたが、すでに開場待ちの列ができていました。自由席でしたので私も早めに列に並び、先ほどのコンサートの記事を書いているうちに開場時間となりました。

 開場待ちの先頭近くにいましたので、開場とともにすぐに入場し、2階席と称されるブロックの最前列に席を取りました。客席は1席おきに着席するように指定されており、安心感があって良いですね。
 とはいうものの、観客のほとんどを占める女性方、特にご高齢の方はおしゃべりがお好きで、賑やかに話されていました。1席おきになっていますから、その分大きな声で話しますので困ったものですね。いたたまれず、開演時間近くまでロビーに避難しました。おしゃべり禁止のアナウンスを流すようアンケートに書きましたが、改善していただきたいものです。

 最終公演、それも土曜日の夕方ということもあり、開演時間が近付くにつれ客席はどんどん埋まり、空席を探すのに困っている方も見受けられました。ほぼ満席の大盛況となり、客席は熱気であふれました。

 場内が暗転して真っ暗となり、ステージ上の9人のダンサーにスポットとライトが当てられ、開演となりました。これまでのレパートリー公演の数々の演目に新作1つを加えてシームレスに演じられ、、公演名のように「旧作と新作の複合」が図られています。

 第1幕(30分)、第2幕(25分)とも、女性7人と男性2人のダンサーたちが曲毎に衣裳、フォーメーションを変えながら切れ目なく演じました。刺激的な激しい現代音楽が中心ですが、第1幕でのバッハ、第2幕でのビーバーが癒しを与えてくれました。

 研修生とうことで、プロとの溝は大きいものと思いますが、そんなことは全く感じさせず、十二分に楽しませていただきました。
 全国から新潟に集まった精鋭たちの渾身のパフォーマンスに、劇場を埋めた観客は大きな拍手とスタンディングオベーションで讃えました。金森穣さん、浅海侑加さんも当然舞台に出てくるものと思いましたが、そのまま終演となりました。

 プロを目指す若者たちの今後のさらなる研鑽と発展を祈念し、明るい気分で劇場を後にしました。

 

(客席:14-23、¥2000)