北区ジュニア吹奏楽団講師による オータムコンサート connect
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2020年11月15日(日) 14:00  新潟市北区文化会館
フルート:平松文子、オーボエ:金子いつか、クラリネット:林佳保里、サックス:樋口健太郎
トランペット:真水京子、トロンボーン:丸井瑞稀、ホルン:宮野大輔、テューバ:藤浪由起子
コントラバス:別森 麗、パーカッション:倉澤桃子、ピアノ:斉藤晴海(賛助出演)
MC:高坂元己
 

メンケン/鹿野草平 編:「美女と野獣」メドレー (全員)

福田洋介:さくらのうた  (FL, Ob, Cla, T.Sax, Cb)

スーザ/高橋宏樹 編:ジョン・フィリップス〜Sousa's Pieces 
               (Tp, Hr, Tb, Tub, Per)

オッフェンバック:チェロのための6つのデュオ 作品49-1 より 第1楽章 
               (Tub, Cb)

ハチャトゥリアン:バレエ音楽「ガイーヌ」より 剣の舞 (全員, Pf)

(休憩15分)

福島弘和:コタンの雪 (全員)

西村 翼:「秋のうた」メドレー  (Ob, Cla, A.Sax, Pf)

ギャニオン/金井 信 編:めぐり逢い  (Tb, Tub, Pf)

ビゼー/伊藤康英 編:カルメンの魅力 (全員, Pf)

(アンコール)
東海林 修:ディスコキッド (全員, Pf)
 

 2015年に北区文化会館が立ち上げた北区ジュニア吹奏楽団の講師の皆さんによるコンサートです。このメンバーを見てわくわくされる人も多いのではないでしょうか。
 皆さん新潟で演奏家・指導者として活躍されているプロの音楽家です。各楽器のトップ奏者が一堂に会するこのコンサートは、否が応でも期待が高まります。

 以前、新潟のプロの音楽家が結集して、新潟☆ブラス☆ブラス☆ブラスという吹奏楽団が結成され、コンサートが開催されていましたが、数回で活動が休止され、その後どうなったか定かでありません。その小型版ともいえそうなのが今回のコンサートです。
 入場無料ですが、整理券が必要なため、早々に整理券をもらいに北区文化会館まで赴き、今日のコンサートを楽しみに待っていました。

 昼食をゆっくりと摂り、新潟西バイパス〜新潟バイパス〜新新バイパスと快適に車を進め、競馬場ICから豊栄市街に入り、北区文化会館にあっという間に到着しました。
 開場時間まで時間がありましたが、館内に入りますと、既に開場待ちの列が延びていて、自販機でのどを潤した後、私もその列に並びました。
 検温を受けて、ほどなくして開場となり、半券を自分で切り取り、プログラムを自分で取りました。受付では、この4月に館長に就任された元BSNの高坂さんが、直々に出迎えていらっしゃいました。

 ホールに入りますと、客席は1席おきに使用されており、前方に席を取りました。ステージには椅子が並べられており、左にパーカッション、中央奥にピアノ、右奥にティンパニが配置されていました。

 開演までにかなり時間があり、席に座ってこの原稿を書きながら開演を待ちました。整理券は直ぐに配布終了になったとのことであり、開演時間が近付くとともに、客席は子供たちから老人まで、幅広い年齢層で埋まりました。

 りゅーとぴあと同じ開演のチャイムが鳴り、ほのぼのとした若者による開演のアナウンスがありました。再度チャイムが鳴り、いよいよ開演です。

 出演者が静かに入場。女性陣は色鮮やかな衣裳で、ステージが華やぎました。前方左からフルートの平松さん、オーボエの金子さん、クラリネットの林さん、サックスの樋口さん、後方左からパーカッションの倉澤さん、ホルンの宮野さん、トランペットの真水さん、トロンボーンの丸井さん、テューバの藤浪さん、コントラバスの別森さんが並び、「美女と野獣メドレー」で開演しました。
 各楽器とも1人ずつという小編成ですが、さすがに実力者揃いであり、分厚いサウンドを作り出し、ディズニーの音楽世界へと誘ってくれました。

 全員舞台から下がって、MCの高坂さんが登場。以後高坂さんの軽妙なMCで演奏が進められました。さすがに元アナだけあって、話し上手で客席を和ませてくれました。

 2曲目は、「さくらのうた」です。左からフルート、クラリネット、コントラバス、サックス、オーボエという5人による演奏です。この珍しい編成に最初は違和感も感じましたが、柔らかなアンサンブルが次第に耳に心地良く馴染んできました。吹奏楽コンクールの課題曲だった曲だそうですが、ジブリの音楽のような美しい曲で、春の桜咲く光景が思い浮かぶようで、心が癒されました。

 3曲目は、スーザの有名なマーチのメドレーです。左からパーカッション、トロンボーン、テューバ、ホルン、トランペットというわずか5人の編成で、通常のマーチングバンドを聴くような演奏効果を作り出し、さすがと唸りました。

 4曲目は、オッフェンバックの曲でしたが、テューバとコントラバスのデュオという珍しい演奏で脅きました。もちろんこの低音楽器の二重奏など聴いたことはなく、貴重な経験をさせていただきました。

 高坂さんが客席でのインタビューなどで時間稼ぎをし、前半最後の5曲目は、マリンバが中央に出され、ピアノも含めて全員参加で、お馴染みの「剣の舞」です。オーケストラさながらのバックに支えられて、倉澤さんのマリンバが軽快に音を刻み、感動と興奮を誘いました。

 休憩時間となり、ロビーをうろついていましたら、MCで大活躍の館長の高坂さんから声をかけていただき、しばし歓談することができて良かったです。
 高坂さんとはかなり以前にお話しする機会がありましたが、しばらくぶりにも関わらず、私を覚えていて下さっていて恐縮でした。私のサイトのファンという副館長さんも紹介していただき、誠にありがとうございました。今後の励みになります。これからもよろしくお願い申し上げます。

 後半1曲目は、ピアノ以外全員で「コタンの雪」です。アイヌにちなんだ曲だそうですが、聴き応えある曲であり、演奏だったと思います。雪をイメージした照明効果も演奏を盛り上げていました。
 倉澤さんはビブラフォンにティンパニなど大忙し。平松さんはフルートとピッコロを持ち替えと、各奏者とも渾身の演奏でした。
 変拍子の難曲を難なく鮮やかに演奏し、フルバンドを聴くかのようなサウンドの厚みと迫力は、さすがというしかありません。わずか10人で、これほどのサウンドを生み出すなんて、驚異的にすら感じました。

 ここで、高坂さんによる出演者への楽しいインタビューがあり、ユーモラスなトークで和ませてくれました。出演者の人柄も感じられて良かったです。

 後半2曲目は、サックス、オーボエ、クラリネット、ピアノの4人で「秋のうた メドレー」です。日本のお馴染みのメロディが演奏され、秋のイメージの照明もあって、しっとりと、しみじみと音楽を楽しみました。

 3曲目は、トロンボーン、テューバ、ピアノの3人により、アンドレ・ギャニオンの名曲「めぐり逢い」です。この編成での演奏を聴く機会などあるはずもなく驚かされましたが、ふくよかなソフトなサウンドにピアノがいい味付けをして、しみじみと癒されました。

 北区ジュニア吹奏楽団の指揮者を務めるサックスの樋口さんとのトークがあり、プログラム最後は、ピアノを含めて全員登場し、「カルメンの魅力」です。お馴染みのメロディが次々と現れ、大きく盛り上がってフィナーレを迎えました。各個人の演奏技術に支えられ、迫力のサウンドと美しいアンサンブルが生み出されました。

 拍手に応えて、アンコールは吹奏楽の定番である「ディスコキッド」。躍動感ある演奏で、コンサートを締めくくるにふさわしい演奏でした。クラリネットの林さんのノリノリのソロには感激しました。

 興奮と感動をいただいて終演となりましたが、ピアノを含めて総勢11人で、これほど密度の高い演奏を聴かせてくれるとはさすがです。めったに聴けない珍しい編成での演奏を聴くこともできて良かったです。

 講師によるコンサートは今回が第1回でしたが、これからも継続してくれることを祈りつつ、ホールを後にしました。

 

(客席:8-9 、整理券:無料)