東京交響楽団 モーツァルト・マチネ第42回 Live from Muza!
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2020年8月22日(土) 11:00  ミューザ川崎 シンフォニーホール
ヴァイオリン(独奏・弾き振り):大谷康子
ヴァイオリン:水谷晃(コンサートマスター)*
 

<オール・モーツァルト・プログラム>

2つのヴァイオリンのためのコンチェルトーネ ハ長調 K.190(186E) *

ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調 K.219 「トルコ風」
 

 今週末はコンサート予定もなく、ステイホームしているのですが、このコンサートが無料配信されるとの情報があり、せっかくですので視聴させていただくことにしました。

 今回は東京交響楽団のモーツァルトマチネの生配信です。モーツァルトマチネはミューザ川崎の主催により開催されており、毎回休日の午前11時に開演し、休憩なしで1時間ほどのコンサートが組まれています。
 名前の如くモーツァルトの曲だけでの公演が行われており、今回が42回目となります。私は2011年11月に開催された第7回を聴かせてもらったことがありました。


 さて、今日は土曜日です。家の掃除、カメの水槽の水替え、ゴミだしを済ませ、リモートでの業務を一区切りして、このコンサートに臨みました。
 ニコニコ生放送のサイトに接続しますと、無人のステージが映し出されていました。開演時間となり、拍手の中に団員が入場。最後にコンマスが登場して一礼し、一段と大きな拍手が贈られました。

 オケの編成は小型で、弦5部は6-6-5-3-2。これに管楽器が6人(オーボエ2、ホルン2、トランペット2)が加わっていました。コンマスは田尻さん、次席は廣岡さんです。弦の皆さんはお馴染みの東響マスクを着けていますが、田尻さんだけマスクなしです。客席はかなり間引かれており、ソーシャルディスタンスが十分に取られていました。

 大谷さんと水谷さんが登場して、田尻さんと握手代わりの肘タッチ。二人が一礼して、最初の曲は、モーツァルトの「2つのヴァイオリンのためのコンチェルトーネ」です。朱鷺色のドレスの大谷さんが、ステージ中央左側で弾き振りをし、もう一人のソリストとして水谷さんが右側で演奏しました。二人のソリストの前には譜面台がありました。二人ともマスクなしです。

 大谷さんの指揮で演奏が始まり、まず美しい弦楽アンサンブルにうっとりとしました。管も素晴らしく、柔らかな美しい音色で魅了しました。大谷さんと水谷さんのソロが美しく絡み合い、天に昇るような極上のサウンドを作り出していました。
 オケでは、特にオーボエ首席の荒さん、チェロ首席の伊藤さんが素晴らしく、演奏終了後に大谷さんから前へ呼び出され肘タッチで讃えられていました。初めて聴く曲でしたが、美しくて良い曲ですね。モーツァルト18歳の時の作品とのこと。素晴らしいですね。

 カーテンコールが終わり、第1ヴァイオリンが一旦退場してステージが整えられました。管はトランペットが下がって、オーボエ2、ホルン2の4人になりました。コンマスは水谷さん、次席は田尻さんとなり、廣岡さんは2列目に移動しました。田尻さんは今度はマスクを着けています。水谷さんが加わりましたので、第1ヴァイオリンは7人になりました。水谷さんはいつものようにマスクなしです。この辺はポリシーがあるようですね。

 大谷さんが登場して、大谷さんの指揮で演奏開始しました。美しい大谷さんのソロ。力強くも優雅で落ち着いた演奏で、気品豊かに歌わせました。
 前半同様に、美しいオケのアンサンブルに支えられて、大谷さんが軽やかに美しく舞い踊りました。第1楽章終盤のカデンツァはさすがであり聴きほれました。
 大谷さんの大きな手の振りで第2楽章へ。ゆったりと歌い、淡々とした落ち着いた演奏で一息をつき、大谷さんが一瞬微笑んで、第3楽章へ突入しました。
 楽しげにメロディを歌わせて、曲名にもなった“トルコ”に突入。軍楽隊が切れ良くリズムを刻みました。再び明るく楽しげに演奏し、優雅に歌わせました。大きな身振りで指揮して、最後のフレーズを弾いて穏やかなフィナーレとなりました。

 大きな拍手に応えて数回のカーテンコールののち、最後に水谷さんが一礼して終演となりました。1時間ちょっとの短い公演でしたが、極上のモーツァルトを楽しめました。
 さすがに、大谷さんは東響の名誉コンサートミストレスだけあって、東響との息もぴったりでした。堂々と楽しげに演奏する大谷さんに、軽快で乱れの無い、切れの良いアンサンブルで応える東響の面々の抜群のパフォーマンスに息をのみました。

 このような素晴らしいコンサートを無料で聴かせていただき感謝です。ヘッドホンで視聴しましたが、配信された音質もすばらしく、ホールにいるかのようでした。生で聴けないのは残念でしたが、十分満足できました。
  

(客席:Web視聴、無料)