新潟では、新型コロナ感染はしばらく収束状態が続いていましたが、再び感染者が出てしまいました。東京を始め、首都圏では感染拡大が進み、深刻な状態が続いています。
このような状況下で、先週の石丸さんのリサイタルから、りゅーとぴあでの本格的なコンサートが再開されましたが、寂しい状態が続いています。
音楽を聴けないという問題のほかに、音楽家にとりましては、演奏の場がないということになります。この両者の問題を解決すべく企画されたコンサートがこの「Stay
at Niigata Concert」です。公募により参集した新潟の音楽家による新潟の人たちのためのコンサートということになります。
7月4日、5日の2日間に渡って、各日3公演ずつ、全部で6公演開催されましたが、5日は仕事で参加できませんでしたので、4日の2公演のみ参加させていただきました。3公演目も予定していたのですが、所用が入って断念しました。
梅雨空で小雨がぱらつく中にりゅーとぴあに到着しました。検温を受け、開場とともに入場し、2階正面に席を取りました。密集・密接を避けるため、客席間は3席空けられ、前後も1列おきで、十分過ぎるほどの社会的距離が確保されました。
本日1回目のコンサートは、前半がキャトルフルート in りゅーと、後半が加藤礼子さんと斉藤晴海さんです。なかなか魅力あるメンバーで、期待が高まりました。
開演時間となり、まずはキャトルフルート in りゅーと です。いつものキャトルフルートとはメンバーが異なり、手島さんと丸田さんの代わりに、齋藤さんと尾崎さんが加わってのフルート四重奏です。
まず西山さんによりメンバー紹介があり、その後西山さんによる曲目紹介と解説の後、演奏が行われました。西山さんは白、齋藤さんは薄いピンク、水島さんは赤いドレスで、黒一点の尾崎さんは黒シャツです。なお、尾崎さんはフランス帰りだそうですね。
1曲目はペトルミューの「アルカディ」です。並びは、左から西山、齋藤、尾崎、水島です。出だしでトラブルがあって再スタートしたのはご愛嬌。美しく澄んだフルートの音は爽やかであり、見事なアンサンブルで魅了されました。ブラボー禁止のはずでしたが、客席からはブラボーが贈られました。
2曲目は、「ローズ・ローサ」。並びは齋藤、西山、尾崎、水島で、尾崎さんはアルトフルートに持ち替えました。アルトフルートの低音がいい味付けをして、美しいハーモニーが心地良かったです。
最後は水島さんの曲目紹介で、マウアーの「フィクションズ」です。いかにも現代曲というような不協和音とリズムに戸惑いを感じるなか、空間を突き抜けるような高音の閃光で我に帰りました。緊張感を感じながらも、いい演奏に出会えたという満足感を感じました。
照明が落とされ、ピアノがセットされて、後半は加藤さんと斉藤さんです。レモンイエローのドレスの加藤さん、青緑色のドレスの斉藤さんが登場しました。
挨拶代わりに「愛の挨拶」を爽やかに演奏したあと、加藤さんによる挨拶があり、以後加藤さんによる曲目紹介の後、演奏が進められましたが、加藤さんのMCの素晴らしさにも感嘆しました。
2曲目は、クライスラーの「シンコペーション」。ヴァイオリンとピアノがせめぎ合い、さすが加藤さんと言わせるような聴き映えする演奏に唸りました。
3曲目は、「わが母の教えた給いし歌」。優しく、柔らかに歌い、母のぬくもりを感じさせるように包み込み、穏やかな気持ちに誘われました。
最後は、モーツァルトのロンドです。加藤さんの素晴らしさが如実に現れた名演だったと思います。超絶技巧をさらりとこなし、サポートする斉藤さんとともに、最後を飾るにふさわしい満足感をいただきました。ブラボー屋さんも大活躍の充実した演奏でした。やっぱり加藤さんファンはやめられませんね。
全部で1時間程のコンサートでしたが、充実した内容に満足感は高かったです。
(客席:2階C1-12、セット券:¥700) |