川崎市&東京交響楽団 Live from Muza! マッチングギフトコンサート Vol.3
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2020年7月3日(金) 19:00  ミューザ川崎シンフォニーホール
指揮:井上道義
 

ヴィドール:「組曲」より 第3楽章 ロマンス

グノー:小交響曲 より
       第3楽章 スケルツオ
       第4楽章 フィナーレ

(休憩:15分)

モーツァルト:交響曲第36番「リンツ」

(アンコール)
中村八大:上を向いて歩こう
 

 ミューザ川崎での無観客公演を、無料ライブ配信するとともに寄付金を募り、集まった寄付金額と同額相当分を川崎市が支援するというのがマッチングギフトコンサートです。
 6月23日、27日に引き続いて、今回は3回目となります。19時開演でしたが、仕事でオンタイムで参加することはできませんでしたが、タイムシフト機能を利用して、後から視聴させていただきました。

 ニコニコ生放送のサイトにアクセスしますと、無人のステージが映し出されていました。譜面台が7台並べられており、しばらくして中央にハープと椅子、そして譜面台が2台新たに運び込まれました。パソコン前に陣取り、気分を高めながら、しばし開演を待ちました。

 時間となり、フルートの相澤さんとハープの景山さんが登場し、ヴィドールのロマンスで開演しました。ハープに載せて、柔らかなフルートが舞い踊り、ロマンチックな優雅な香りで酔わせました。

 ハープが片付けられ、手を振りながら9人の木管奏者が登場。2曲目はグノーの小交響曲です。左からフルート、オーボエ2、ホルン2、ファゴット2、クラリネット2という並びです。
 ちょっとしゃれた感じの、優美さを感じさせるさわやかな曲で、日曜日の朝に、紅茶でも飲みながら聴くにいい感じでした。ステージ上で音楽が踊るようで、聴く者の心を明るくしてくれました。東響が誇る木管群の技量が如実に示された美しいアンサンブルに気分も高まりました。特にオーボエの荒木さんの、踊るような楽しげな演奏が印象的でした。

 ここで15分間の休憩となり、オーケストラ用にステージが組まれました。この間を利用してこの原稿を書き始めました。

 時間となり団員が入場。最後にコンマスの水谷さんが登場しました。次席は田尻さんです。弦5部は、私の目視で、6-6-6-4-2 という小さな編成です。
 弦楽器奏者は、お揃いのマスクを着けていますが、なぜかコンマスだけはマスクなしで、逆に異様に感じました。また、ティンパニもマスクなしでした。

 指揮の井上さんが颯爽とマスクなしで登場。井上さんの指示で、団員は起立して楽器を拳上して全国の聴衆に挨拶しました。
 後半は、モーツァルトの交響曲第36番「リンツ」です。井上さんは指揮棒を持たず、いつものように踊るような指揮ぶりです。体をくねらせ、大きくアクセントをつけ、飛び跳ねるような、軽快で生き生きした音楽に、心も明るくなるかのようでした。美しい弦楽アンサンブルが小気味良く歌い、管も、ティンパニもいい仕事してました。
 メリハリをつけた躍動感のある音楽。緑の草原を吹き抜ける春風のように爽やかです。新型コロナが蔓延を続け、暗い気分の毎日を忘れさせてくれるような、明るく元気付けてくれる音楽に感激しまっした。生で聴いたらブラボー間違いなしです。

 井上さんがあれこれ話をして、アンコールは弦楽アンサンブルで「上を向いて歩こう」です。チェロ以外は立っての演奏で、弦以外の皆さんは、体でリズムを取ったり指を鳴らしたりと、楽しい気分にしてくれました。

 演奏が終わらぬ間に井上さんは舞台袖に下がり、そして再登場し、最後は前半の出演者も登場して、全員が手を振って終演となりました。

 心を明るくしてくれる音楽に、元気をもらったコンサートでした。これで3回に渡って開催されたマッチングギフトコンサートが終了しました。
 弦楽器、打楽器、金管楽器、木管楽器、さらにはハープと、東響の各パート毎の演奏が組まれ、東響の各奏者の素晴らしさを知ることができました。もちろんオーケストラとしても楽しめました。

 ネット配信の音質も良く、このような企画をしてくれた東京交響楽団と川崎市に感謝したいと思います。このまま演奏活動が続けられますように・・・。

 

(客席:自宅 、無料)