6月23日に引き続いてのマッチングギフトコンサートの第2回目です。東京交響楽団は、昨夜はサントリーホールで客を入れての公演を無事行いましたが、今日は川崎で無観客の公演です。
今日は土曜日で休みが取れましたので、生でこの公演を聴くことにしました。ゆっくりと昼食を摂り、パソコンをセットし、開演を待ちました。
やがて開演の鐘が鳴り、その後開演のアナウンスが流れました。舞台袖からは音出しの音が漏れ聞こえ、通常のコンサートと同様に緊張感が高まりました。
今日のプログラムは、前半が金管アンサンブル、後半が弦楽アンサンブルです。前半は金管セクションによる演奏です。
ホルンセクションの6人の奏者が静かにステージに登場し、横1列に並びました。
照明が暗くなり、ケルコニアンの「ホルンの為の六重奏曲」で開演しました。残響豊かなホールに響き渡るホルンの柔らかなサウンドが心地よく感じられました。
東響が誇るホルン奏者による六重奏の分厚い響きが重厚感も生んで美しく響き、うっとりと聴き入いるうちに終わってしまいました。短い曲であり、もう少し聴いていたかったです。
続いては、金管奏者10人による演奏です。左からトランペット4、ホルン、テューバ、トロンボーン4という配置です。曲は「高貴なる葡萄酒を讃えて」という曲で、全5曲からなる組曲です。それれの曲が、それぞれのワインをイメージしての曲のようです。
第1曲の演奏が開始された後、酔っぱらいの千鳥足を演じながら飯森さんが現われて、シャンペンの栓をパンという大きな音で開けて、おどけながら下がっていくという演出がありましたが、軽快な楽しい曲で、踊り出したくなるようでした。
第2曲は、しっとりとした曲で、都会の夜のけだるさを感じさせるようで、大人のムードが漂って、しみじみとした演奏が心に染みました。
第3曲は、南欧の空気感を感じさせる明るい曲調の曲で、ファンファーレのように響き渡り、透明感のある爽やかなサウンドが気持ち良かったです。
第4曲は、終始テューバが大活躍し、テューバのための曲といっても良いようでした。重厚な響きが心地よく、ユーモアも交えて、テクニック抜群の濃厚なサウンドが気持ちよかったです。
第5曲は、テューバを底辺として、各パートとも大活躍。スペインの闘牛でも見るかのような軽快なサウンドで、南国の熱い光と燃え上がる情熱を感じさせました。
最後に飯森さんともう1人の酔っぱらいがシャンペンボトルを持って、再び千鳥足で登場し、ドタバタ喜劇を演じて袖に下がり、軽快なリズムで盛り上がった中で終演となりました。飯森さんのノリの良さに感激です。
ここで15分の休憩があり、気分を盛り上げるため、私もトイレ休憩しました。この間舞台チェンジが行われ、この間を利用してこの原稿を書き始めました。
休憩後の後半は弦楽セクションによる「弦楽セレナード」です。開演5分前の鐘が鳴り、席に着くようにとのアナウンスがあり、私も席に着き、開演を待ちました。実際はベッドに寝転んでいるのですけれど。
しばらくして関係者によるパラパラ拍手の中に弦楽器奏者が入場。弦5部は
10-8-6-4-3 で、対向配置ではない通常の並びです。コンサートマスターはニキティンさん、次席は廣岡さんです。火曜日は立奏でしたが、今回は着席しての演奏です。全員お揃いのグレーの東響マスクを着用しています。
お馴染みの曲ですので、詳細は省きますが、飯森さんは暗譜での指揮でした。激しいアクションで、これでもかと、大きなためを作って歌わせる、まさに飯森節でした。
第1楽章のゆったりと歌わせた重厚なアンサンブルは美しく、東響の弦楽セクションの実力が一瞬にして示されたように思います。軽快な第2楽章のワルツで踊り、第3楽章のエレジーで胸を熱くしました。アタッカでつなげた第4楽章は激しくリズムを刻んでスピードアップ。そして冒頭のメロディが再び現れて、これでもかと盛り上げた中にフィナーレとなりました。
こういう曲は飯森さんの十八番であり、盛り上げどころ、泣かせどころをバッチリと決めてくれるので、感情移入しやすくて良いですね。文句なく素晴らしい演奏でした。
アンコールは、スポンサーの川崎市に気を遣って、川崎市歌です。画面には歌詞の字幕が表示されましたが、市民なら誰もが知っているんでしょうね。
最後は前半出演の金管奏者も登場し、全員で礼をして終演となりました。素晴らしい演奏を無料で聴かせていただいて感謝です。東京交響楽団の素晴らしさがを再認識できた有意義なコンサートだったと思います。
明日は川崎定期演奏会が無料配信されます。このような試みは素晴らしいですね。でも、当然ながら、生で聴けたらもっと良いですよね。
(客席:自宅 、無料) |