ウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団 ニューイヤー・コンサート2020
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2020年1月12日(日) 14:30 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
指揮・ヴァイオリン:ヨハネス・ヴィルトナー
 

ヨハン・シュトラウスU:喜歌劇「ジプシー男爵」序曲
ヨハン・シュトラウスU:ポルカシュネル「突進」
ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ「うわごと」
ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・マズルカ「とんぼ」
ヨハン・シュトラウスU:ポルカ「雷鳴と電光」
ヨハン・シュトラウスU:ワルツ「ウィーン気質」

(休憩15分)

ヨハン・シュトラウスU:喜歌劇「くるまば草」序曲
ヨハン・シュトラウスU:ワルツ「もろびと手をとり」
ヨハン・シュトラウスU:ポルカ「クラップフェンの森で」
ヨハン・シュトラウスU:「騎士パズマン」のチャルダッシュ
ヨハン&ヨーゼフ・シュトラウス:ピツィカート・ポルカ
ヨハン・シュトラウスU:ポルカ・シュネル「観光列車」
ヨハン・シュトラウスU:ワルツ「美しく青きドナウ」

(アンコール)
上真行:一月一日
ヨハン・シュトラウスII:シャンパン・ポルカ
ヨーゼフ・シュトラウス:憂いもなく
ヨハン・シュトラウスI:ラデツキー行進曲

 

 新年を迎え、早くも12日。もう正月気分でもありませんが、新年といえばニューイヤー・コンサートですね。元日にウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートをたっぷり楽しみましたので、今さらウィンナワルツでもなく、このコンサートに行く予定もなく、チケットは買っていませんでした。

 今日は家でゆっくりと休養を取るつもりでいましたが、家内が出かけ、ひとり寂しく昼食を食べていますと、体がムズムズ、気持ちはソワソワ。時刻は1時半。どうしようかと悩んだ末、急遽出掛けることにしました。

 ウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団は毎年新潟でニューイヤー・コンサートを開催しており、私も何度か聴かせていただきましたが、2011年1月以来聴いておらず、9年振りになります。
 このコンサートは、ずっと新潟市での開催が続いていましたが、なぜか2018年は上越市、2019年は長岡市での開催でしたので、新潟市は2017年以来3年振りとなります。

 ウィーンのムジーク・フェラインでウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートを聴くのが夢ではありますが、見果てぬ夢であり、現実的には新潟で聴くニューイヤー・コンサートが身分相応ということでしょう。これを聴けるだけでも感謝すべきですね。

 駐車場に車をとめ、急ぎ足でホールに着きますと、既に開場が始まっていました。当日券を買い求めましたが、3階席は使用されず、A席エリアはステージのサイド席のみで、他は全てS席に設定されていました。どうしようか思案しましたが、いつもの2階正面に空席がありましたので、結局S席を購入しました。

 開演時間となり拍手の中に団員が入場。全員揃うまで起立して待ち、チューニングとなりました。オケの編成は前回聴いたときと同じです。
 弦5部は、10-5-3-3-3で、ヴァイオリンが左右に別れる対向配置です。ほかは、フルート 1、フルート/ピッコロ 1、オーボエ 2、クラリネット 2、ファゴット 2、ホルン 4、トランペット 2、トロンボーン 1、ティンパニ 1、パーカッション 1、ハープ 1です。第1ヴァイオリンが多くてアンバランスではありますが、これがこのオケの基本編成であり、シュトラウスの曲に合わせてのものなのでしょうね。

 恰幅の良いヴィルトナーが登場して、「ジプシー男爵」で開演しました。やはり本場物は違いますね。軽快に、流れるように、楽しく演奏が進められました。
 ヴィルトナーにより日本語を交えての挨拶があり、以後ドイツ語なまりの英語で曲目紹介しながら演奏が進められました。
 いずれの演奏もすばらしいアンサンブルで楽しませてくれました。ウィーンには行ったことはなく、偉そうなことは言えませんが、私が思い描くウィーンの香りがたっぷりと感じられました。
 ウインナワルツはウィーンのオケで聴くのが1番ですね。何せ、ヨハン・シュトラウスを冠してるオケですから、これに勝るものはないはず。と、良いように勝手に解釈して、ウィーンの風景を思い浮かべながら音楽に浸っていました。「ウィーン気質」ではヴィルトナーがヴァイオリンの弾き振りで楽しませてくれました。

 休憩時間は楽団員がホワイエに出て来て、気軽に写真撮影に応じていました。このサービス精神には恐れ入りました。

 後半も気兼ねなく楽しめる演奏が続きました。「クラップフェンの森で」では、打楽器の2人がカッコーや小鳥の鳴き声の擬音をコミカルに奏で、客席まで降りてきて観客を沸かせました。
 プログラム最後は、もちろん「美しく青きドナウ」です。定番の曲を、定番の演奏で聴くのは楽しいものですね。うっとりと聴き入りました。

 大きな拍手に応えてのアンコールは、4曲とも前回聴いたときと全く同じ。ワンパターンではありますが、これが魅力でもあります。
 「シャンパンポルカ」では、コルク栓を客席に飛ばして楽しませ、最後はもちろん「ラデツキー行進曲」。水戸黄門の印籠の如く、これがなければニューイヤーコンサートは締めくくれません。観客の拍手も手馴れたもので、楽しいコンサートはスタンディングオベーションの中に終演となりました。最後は団員全員での礼でお開きとなりました。

 終演後にはサイン会を開催というサービス満点のコンサートでした。毎年正月に来演してくれてありがたいことです。
 芸術性がどうの、緊張感がどうのと、深刻ぶって、息を凝らしながら聴くコンサートも良いですが、娯楽として気兼ねなく楽しむコンサートも良いですね。やっぱり音楽は楽しくなければね。

 このウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団は、今回が37回目の日本ツアーで、1月3日から日本全国を巡演しています。昨日は八王子、今日は新潟、そして明日は東京オペラシティで、11時と15時の2回公演を行うという過密スケジュールです。ご苦労なことですが、頑張って日本の聴衆を楽しませていただきたいと思います。

 ということで、急遽思い立って行ったコンサートでしたが、小雨降る中、気分明るく家路に着きました。

  

(客席:2階:C3-7、当日券:\8300)