第54回新潟県音楽コンクール受賞者コンサート
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2019年11月9日(土) 14:30 だいしホール
司会:BSNアナウウサー 行貝寧々
 
1.ピアノ独奏 片岡菜納子
  ヘンデル:シャコンヌ ト長調 HWV.435
  ラフマニノフ:コレルリの主題による変奏曲 作品42

2.フルート独奏 吉井美月 (ピアノ:小林浩子)
  カゼッラ:シシリエンヌとビュルレスク
  マルタン:バラード

3.ソプラノ独唱 梅澤ゆきの (ピアノ:品田真彦)
  山田耕筰:この道
  成田為三:浜辺の歌
  信時潔:北秋の
  ベッリーニ:喜ばせてあげて
  ヴィヴァルディ:私はジャスミンの花
  モーツァルト:「ドン・ジョバンニ」より ぶってよマゼット
  ドニゼッティ:「連隊の娘」より さようなら

(休憩15分)

4.ヴァイオリン独奏 後藤苺瑚 (ピアノ:向井もと子)
  モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調 K.261 より 第1楽章
  ヴィエニャフスキー:ヴァイオリン協奏曲第2番 ニ短調 作品22 より 第1楽章

5.ピアノ独奏 石栗穂乃香
  バーバー:ピアノソナタ第1楽章
  ショパン:バラード第1番 Op.23
  ラフマニノフ:前奏曲 作品32-12
  リャブノフ:12の超絶技巧練習曲集 作品11-10 レズギンカ
 

 毎年恒例の新潟県音楽コンクール受賞者コンサートです。今年は大賞の該当なしという異例の結果となりましたが、将来ある新潟の若き音楽家たちを応援するべく、聴きに行くことにしました。

 三吉屋でいつもの中華大盛りをいただき、だいしホールへと向かいました。すでに開場時間は過ぎており、当日券を買って入場しました。いつもの前方左寄りに席を取りましたが、なかなかの盛況です。

 開演時間となり、司会のBSNアナウウサーの行貝寧々さんが登場し、以後行貝さんの進行で演奏が進められました。演奏後には出演者へのインタビューも行われました。
 行貝さんはアイドルチックな容姿がキュートで、なかなか魅力的なアナウンサーですね。ちなみに、このコンサートの司会は、毎回BSNの新人女子アナが務めており、これも楽しみです。

 最初は、ピアノ部門で最優秀賞を受賞した片岡さんです。クリーム色のドレスで登場。トップバッターの緊張感は計り知れないものと思いますが、力強い打鍵で、迫力と重厚感ある演奏で圧倒しました。さすがに最優秀賞だけはあります。

 続いては、管楽部門で最優秀賞を受賞したフルートの吉井美月さんで、ピアノは小林浩子さんです。吉井さんは真っ赤なドレス、小林さんは黒のドレスです。
 超絶技巧を駆使した迫力ある演奏にノックアウトされました。小林さんという素晴らしいピアニストにサポートされ、その実力をまざまざと見せ付けられました。さすが最優秀賞だけはあると納得できました。

 前半最後は、優秀賞を受賞したソプラノの梅澤ゆきのさんで、ピアノ伴奏は品田真彦さんです。梅澤さんは薄い黄緑色のドレスで登場。容姿端麗で華があり、登場とともに会場の空気を鷲掴みしました。
 日本の歌曲をしっとりと歌い、オペラの歌曲をリリックなソプラノで魅了しました。声の若々しさは感じましたが、声量もあり、これから磨かれれば素晴らしいオペラ歌手になる素養もあるんじゃないかと思いました。品田さんという素晴らしいサポートを得て、実力は存分に発揮できたものと思います。
 歌声の素晴らしさのほか、一番驚いたのは現役の高校3年生!ということ。音大の高学年くらいかなと思って聴いていたのですが、高校生とは想像できませんでした。演奏後のインタビューは今時の女子高生そのもの。演奏中の姿とのギャップの大きさにも驚きでした。

 休憩後の最初は、県知事賞を受賞したヴァイオリンの後藤苺瑚さんで、ピアノは向井もと子さんです。後藤さんはグレーのドレスで登場。何と小学校5年生。まだ小さい体で、これほどの演奏するとは・・・。さすが奥村和雄先生の門下生ですね。
 演奏は荒削りながらも迫力満点。向井さんのピアノとともに、コンチェルトを楽しませてくれ、カデンツアもしっかりと演奏して魅了しました。未完の原石が、中学・高校と、これからどう磨かれていくかが楽しみです。期待を持って見守りたいと思います。

 コンサート最後は、県知事賞を受賞したピアノの石栗穂乃香さんです。青緑色のドレスで登場。予定したプログラムが大きく変更されましたが、どうしたのでしょうか。最初のバーバーのピアノソナタのみ楽譜を見ながらの演奏でしたが、譜メクリストは何と品田さん。ご苦労様です。
 演奏は迫力あるもので、聴かせる演奏でした。バーバーのソナタは初めて聴きましたが、現代曲らしい複雑なメロディを見事に弾ききり、他の曲も胸に迫る演奏に感動を誘われました。中でも曲目変更して演奏されたショパンのバラード第1番には圧倒されました。コンサートの最後を飾るにふさわしい感動の演奏に、大きな満足感を感じました。

 司会進行の行貝さんの挨拶で終演となりましたが、若き才能を目の当たりにして、大きな感動をいただきました。皆さん若い人たちであり、これから研鑽を積み、更なる高みへと羽ばたいてほしいと思います。

  

(客席:D-6、当日券:\1000)