春爛漫コンサート
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2019年4月21日(土) 14:00 だいしホール
 
ソプラノ:田辺千枝子、 メゾソプラノ:中森千春
ピアノ:梅津幹子、本間 優
 
瀧廉太郎:花 (田辺千枝子、中森千春、Pf:本間 優)
瀧廉太郎:荒城の月 (中森千春、Pf:本間 優)
團伊玖磨花の街 (田辺千枝子、Pf:梅津幹子)
木下牧子:女声合唱とピアノのための《花のかず》より
 1. 花のかず  3. クルミ  5. 曇り日なら  7. 竹とんぼ
 8. あさっておいで  9. ある日のたび
             (田辺千枝子、中森千春、Pf:梅津幹子)

ラフマニノフ(コチシュ編):ヴォカリーズ Op.34-14 (Pf:本間 優)
チャイコフスキー:《四季》より 4月 「待雪草」 (Pf:本間 優)

小林秀雄:すてきな春に (田辺千枝子、Pf:梅津幹子)

(休憩15分)

アーン:クロリスに (中森千春、Pf:本間 優)
サン=サーンス:歌劇《サムソンとデリラ》より
       あなたの声に私の心は花開く (中森千春、Pf:本間 優)
グノー:歌劇《ファウスト》より 宝石の歌 (田辺千枝子、Pf:梅津幹子)

シューマン(リスト編):献呈 (Pf:梅津幹子)

ドリーブ:歌劇《ラクメ》より
       愛の二重唱(ジャスミンとバラの群れ咲くアーチ)
              (田辺千枝子、中森千春、Pf:本間 優)

(アンコール)
菅野よう子:花は咲く (田辺千枝子、中森千春、Pf:梅津幹子) 

 

 梅津幹子さん、田辺千枝子さん、中森千春さん、本間優さんの4人によるコンサートです。皆さん新潟大学のご出身で、それぞれ活発な活動をされており、これまでにも聴かせていただく機会がありましたが、この4人揃ってのコンサートは初めてです。
 美しく華やかな4人によるコンサートは春を愛でるにふさわしく、まさに春爛漫コンサートです。チラシの「千の枝に幾千の春が来た」、「優しい幹に身を任せ」というコピーが面白いですね。各人の名前が読み込まれていて、ニヤッとしてしまいます。

 昨日は快晴だったのですが、今日は薄雲が広がっています。雨にはならず、過ごしやすい日曜日になりました。ゆっくりと昼食をとり、だいしホールに赴きました。開場とともに入場し、いつもの場所に席を取りました。

 紫色のドレスの田辺さん、青いドレスの中森さん、そして黄緑色のドレスの本間さんが登場して、二重唱で「花」を歌って開演しました。

 田辺さんが下がって、中森さんが「荒城の月」を朗々と、切々と歌い、心を打ちました。

 続いて田辺さんと朱鷺色のドレスの梅津さんが登場して、「花の街」が歌われました。田辺さんのちょっとハスキーなソプラノは、それはそれで魅力的ですね。

 ここで田辺さんによる挨拶があり、中森さんが登場して、梅津さんのピアノで、木下牧子の合唱曲集から6曲が続けて二重唱で歌われました。曲も歌も楽しめました。中森さん、田辺さんそれぞれの独唱も良いのですが、二重唱はさらにすばらしいですね。
 
 続いては本間さんのピアノ独奏で3曲続けて演奏されました。目を閉じていても分かるような、まさに本間さんという演奏でした。叙情的にしんみりという演奏ではなく、内に秘めた情熱が湧き出るような明るくパワーある演奏でした。

 次は田辺さんと 梅津さんにより「すてきな春に」が歌われ、前半が終了しました。

 後半はフランスのオペラが集められました。銀色のショールをまとった中森さんが登場し、本間さんのピアノで「クロリスに」と「サムソンとデリラ」の有名なアリアが歌われました。
 偶然ながら、「クロリスに」は昨日の鈴木愛美さんのコンサートでも歌われましたが、中森さんも劣らずと感じました。「サムソンとデリラ」での落ち着いた中に情熱を感じさせる歌声は存在感があり、心に迫りました。

 次はクリームソーダ色のドレスに着替えた田辺さんが登場し、梅津さんのピアノにより、小道具を使って演技を交えながら「宝石の歌」が歌われて、大いに楽しませていただきました。

 続いては梅津さんのピアノ独奏で「献呈」。これは聴き映えのするいい演奏でした。燃え上がるような情熱を感じさせて、心に迫りました。

 そしてプロラム最後は本間さんのピアノに載せて、田辺さんと中森さんにより「ラクメ」の「花のニ重唱」が演技を交えながら歌われました。ソプラノとメゾソプラノによる美しい二重唱は、最後を飾るにふさわしいものだったと思います。

 アンコールは梅津さんのピアノとともに「花は咲く」。これも胸を打つ美しい歌声でした。感動の中に終演となりました。

 4人の個性が良く出た素敵な演奏会だったと思います。特に後半のオペラ曲は楽しめました。それぞれが実力を発揮され、コンサート名の如く春爛漫の喜びを感じることができました。

 終演後は皆さんがロビーに出てきて見送ってくれました。美しい4人にクラクラし、視線を合わせることができなかったことを悔やんでいます。知り合いの人が多いようで、盛り上っている皆さんを横目にホールを後にしました。
 

(客席:G-6、¥2000)