井上静香&品田真彦 プライベート演奏会
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2019年1月6日(日) 14:00  見附市文化ホール 練習室
 
ヴァイオリン:井上静香
ピアノ:品田真彦
 


ヒンデミット:ヴァイオリンソナタ

ドビュッシー:ヴァイオリンソナタ

(休憩15分)

ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第8番

ブラームス:ヴァイオリンソナタ第3番


(アンコール)
パラディス:シチリアーノ

 2019年最初のコンサートは見附に遠征してきました。見附の音楽愛好家の方主催のプライベートコンサートですが、いつもお世話になっているYさんのご紹介により参加させていただきました。会場は見附市文化ホールの練習室です。

 新潟市は穏やかな天候でしたが、三条を過ぎた頃から雪が降り出し、見附市内は雪模様。さすがに中越は違いますね。
 ホールに到着しましたが、駐車場もロビーもひっそりとしていました。非公開のコンサートですので、当然といえば当然なのですが・・。
 ロビーでYさんとお会いし、時間を見計らって練習室に入りました。主催者の方にご挨拶し、席を取りましたが、お茶を出していただいたりして、アットホームな雰囲気でした。客は総勢12人という贅沢なコンサートです。

 井上さんと品田さんが入場してヒンデミットのソナタで開演しました。譜めくりは新潟中央高校音楽科1年生のお嬢さんで、プロを目指しているそうです。

 ヒンデミットなどめったに聴く機会はなく、ヴァイオリンソナタはもちろん初めて聴きました。眼前で響くヴァイオリン。ダイレクトに迫ります。現代曲ではありますが、聴きやすく、ヴァイオリンとせめぎ合うピアノの素晴らしさもあって、楽しませていただきました。いきなりの攻める演奏にさすがと唸らせられました。

 続くドビュッシーは少しほっとした感じで聴きました。輝きのあるピアノとヴァイオリンが絡み合い、歌い合い、幽玄な音世界に身を委ねました。

 休憩時間には奏者も交えてお茶をいただき、後半はベートーヴェンとブラームスが続けて演奏されました。濃厚・重厚な演奏に疲労感を感じる間も与えられず、眼前で繰り広げられる鬼気迫る演奏に、唖然として聴き入るだけでした。
 井上さんのヴァイオリンの良さはいうまでもなく、品田さんのピアノの素晴らしさも賞賛すべきだと思います。ヴァイオリンソナタというものの、ピアノが同等に活躍しますものね。

 終演後は品田さんは息も絶え絶え。ご苦労様でした。演奏にこんなにも精力を注いでおられるとは・・。音楽もスポーツじゃないかと思うほどでした。

 アンコールにデザートとしてシチリアーノを優しく演奏して、聴衆の疲れを取ってくれて、コンサートを爽やかに締めくくってくれました。


 内輪のコンサートということで、新春にふさわしい聴きやすい名曲を並べるかと思いきや、ちょっとマニアックな重量級プログラムで、聴く方も大変でしたが、演奏する方はもっと大変だったものと思います。
 品田さんの素晴らしいピアノに支えられて、井上さんはどっしりと構え、堂々とした横綱相撲を見せてくれました。ソナタ4曲を難なく弾ききる姿はプロの風格が漂っていました。さすがです。

 聴衆12人というコンサート。音楽指導者のほか、新潟音楽界のご意見番的なS氏がおられたり、FMのクラシック番組でお馴染みの方もおられたりと、私以外の人たちは音楽のプロとでも言う人ばかりで、マニアックな会話にはついていけません。場違いなところに来ちゃったかなと思いましたが、濃密な時間を過ごさせていただいて感謝です。

 こういう人たちを相手にするため、井上さんも攻撃的な本格的演目で勝負をかけてくれたものと思います。井上さんは2月17日にJTアートホールでのカンマームジークコンサートに出演されるそうです。また、品田さんは10月6日に、だいしホールでリサイタルを開催するそうです。今後益々のご活躍を祈念したいと思います。

 

(客席:正面中央、¥志)