澤クヮルテットは、メンバーの大関さんが長岡出身ということもあって、1996年の長岡リリックホール開館以来、アソシエート・アンサンブルとして、アンサンブルリリックの指導や様々なコンサートを開催しています。今回はその第16回コンサートだそうです。私も何度か聴かせていただいていますが、最後は2012年11月で、久しく聴いていませんでしたので、今回長岡遠征したついでにこのコンサートにも行くことにしました。
澤クヮルテットは1990年11月の結成で、今月でちょうど結成28年になります。この間メンバーが全く変わっていないというのはすごいですね。なお、カルテットじゃなくて、クヮルテットという表記にこだわっているのもさすがと思います。
今回は、ハイドンの「皇帝」、ドヴォルザークの「アメリカ」という弦楽四重奏の定番曲のほか、群馬交響楽団の第一クラリネット奏者の西川智也さんを迎えてブラームスのクラリネット五重奏曲が演奏されます。
「皇帝」は前回も演奏されていて重なってしまいましたが、なじみやすいプログラムで楽しめそうでしたので、チケットを買ってしまいました。
晴れ渡った青空。今日は気持ち良い秋晴れとなりました。せっかくの好天ですので、早めに家を出て、某温泉でひと休み。青空を見上げながらの露天風呂。ストレスが一掃されました。
昼食を食べ、リリックに到着。劇場では県内の高校生の演劇の発表会があり、ロビーは女子高生であふれていました。
ほどなくして開場となり、私も入場しました。客の入りはほどほどでしょうか。会場内には知った顔がチラホラ。新潟からの遠征組も多いようでした。
開演時間となり、最初は「皇帝」です。柔らかな四重奏の調べ。さすがに熟練の業と思いながら聴いているうちに、ちょっとウトウト。お昼を食べすぎた身には心地良かったです。
続いては「アメリカ」。曲調にもよりましょうが、寄り添うと言うよりせめぎ合う演奏。ちょっと攻撃的にすら感じる緊張感ある演奏でした。眠気も醒まされるいい演奏でした。
後半は、クラリネットの西川さんを中央に迎え、ブラームスのクラリネット五重奏曲です。クラリネットの柔らかい調べ。秋の終わりを思わせる暗い曲調。ちょっと憂鬱な気分になりました。
演奏としては聴き応えあるもので、せめぎ合い、寄り添い、絶妙のアンサンブルの弦楽四重奏に支えられて、クラリネットは安心したように、自由に音楽を奏でていました。
アンコールは、暗い気持ちを晴らすためかモーツァルトのクラリネット五重奏曲の第2楽章。ブラームスよりこっちが良いですね。うっとりと聴き入りました。
これで終わりかと思いましたら、もう1曲。シューベルトのロザムンデの第2楽章でした。しっとりとコンサートを締めくくってくれました。
東京藝大学長が率いる澤カルテット、いや、澤クヮルテットはさすがですね。スルメの如く、噛むほどに味わいが出てくるような熟練の演奏で魅了してくれました。
さて、市立劇場に急がねば・・・。
(客席:11-23、¥3000) |