寺宵 23回 10周年記念演奏会
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2018年10月6日(土) 14:00  瑞光寺
 
演奏:新潟ARS NOVA
 Vn:廣川抄子、庄司 愛、藤田旬葉、佐々木友子、原山美香
 Vla:加藤礼子、井口 歩 Vc:渋谷陽子 Cb:星野勝彦
 Fl:市橋靖子 Ob:金子いつか Cl:佐藤日菜子 Fg:小武内茜 
 Hr:宮野大輔 Tp:藤井裕子 打:本間美恵子

共演 箏・三味線:武藤祥圃 ソプラノ・司会:山下尚子
 

J.シュトラウスU:トリッチ・トラッチ・ポルカ
パッヘルベル:カノン
ドヴォルザーク:「新世界より」より 第2楽章
J.シュトラウスU:「こうもり」より 「アデーレのアリア」
ハチャトゥリアン:剣の舞
プッチーニ:「トスカ」より 「歌に生き、恋に生き」

(休憩15分)

ムソルグスキー:「展覧会の絵」より 「プロローグ」「市場」「古城」
宮城道雄:春の海
九代目杵屋六左衛門:越後獅子
エルガー:威風堂々

(アンコール)星に願いを

 りゅーぴあでの1コインコンサートを終えて外に出ますと、ギラギラ太陽で、気温の高さに驚きました。歩くだけで汗が噴出してきます。台風のフェーン現象で気温は上がり、季節外れの猛暑となりました。
 上古町の楼蘭で昼食を摂りましたが、開店50周年とのことで、記念の格安メニューをやっていました。古き良き昭和の香りがする店。いつまでも頑張ってもらいたいものです。
 恒例の古町どんどんを少し覗いて、西堀通りにある瑞光寺へと赴きました。ちょうど開場時間でしたが、既にたくさんの客がおられ、チケット完売の大盛況。後方の空き席に着席して開演を待ちました。

 西堀のお寺という異空間で、音楽やお茶を楽しみながらゆったり過ごす「寺宵」という企画は、2008年11月から始まりました。たくさんの寺院が立ち並ぶ西堀・寺町で、様々な寺院を会場として開催され、今回で23回目となります。「寺宵」とはいうものの今回は昼間の開催で、新潟ARS NOVAを迎えての10周年記念演奏会です。

 主催者の挨拶と住職の講話があった後、色とりどりのドレス姿が麗しいメンバーが登場して演奏が進められました。司会進行はソプラノの山下尚子さんです。

 新潟ARS NOVAは2006年4月に「アンサンブル・ルゴーサ」として発足し、翌年に新潟ARS NOVAと改名して、多彩な音楽活動をしています。メンバーは新潟で活躍しているプロの音楽家たちであり、お馴染みの名前がずらりと並んでいます。まさに新潟のオールスターメンバーからなる室内オーケストラです。コンミスは廣川抄子さんです。
 私は2009年8月以来、これまで何度も聴かせていただいており、今年も1月の新春ファミリーコンサートを聴かせていただいています。
 演奏の素晴らしさもさることながら、ソプラノの山下尚子さんとの出会いも忘れられません。それまで声楽にはあまり興味がなかったのですが、山下さんの歌声を聴いてからすっかり虜となり、以後声楽のコンサートにも足を運ぶようになりました。新しい世界に導いてくれた山下さんに感謝です。

 さて、演奏は期待通りのもの。小西奈雅子先生の編曲も素晴らしく、美しい音楽に仕上がっていました。圧巻は山下さんの歌うアリア。「アデーレのアリア」で華麗なコルラトゥーラソプラノで魅了し、切々と歌う「歌に生き、恋に生き」では感動を誘い、ブラボーが贈られました。いやー、素晴らしい。さすがですね。
 箏でお馴染みの武藤さんは三味線も披露。パーカッションの本間さんは相変わらずのパフォーマンスです。途中楽器紹介もあって、本堂を埋めた老若男女は楽しいひと時を過ごせました。
 肩の凝らないコンサートながらも、演奏の質は高く、大いに満足できるコンサートでした。途中新大病院のドクターヘリの轟音が響いたりもありましたが、これもまた乙なもの。

 寺町である西堀、そして新潟の魅力を再発見できる素晴らしい企画。このような催しを10年も続けてきた主催者と、企画・構成に尽力されてきた小西先生に敬意を表したいと思います。

 今回の会場となった瑞光寺は開其より500年以上という由緒あるお寺で、境内には会津八一のお墓があります。いつもは前を通り過ぎるだけで、気にしていなかったお寺のそれぞれに、歴史と魅力があることを再認識し、これほどまでの寺町を形成していった西堀の歴史に思いを馳せました。

 外に出ますと、夕方ではありますが気温は高いまま。西日がまぶしかったです。三条では10月の日本最高気温を更新したとのことです。その後暴風警報が発令されて、夜半からは強風が吹き荒れました。もう台風はこりごりです。
 
 

(客席:右後方、¥2500)