新潟アルス・ノーヴァ 新春ファミリーコンサート |
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2018年1月7日(日) 14:00 新潟市音楽文化会館 |
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新潟ARS NOVA
Vn1:廣川抄子、庄司愛、藤田旬葉、井口歩 Vn2:佐々木友子、原山美香、
Vla:片倉多恵、加藤礼子、Vc:渋谷陽子、Cb:星野勝彦
Fl:市橋靖子、Ob:金子いつか、Cl:広瀬寿美、Fg:小武内茜、
Hr:宮野大輔、Tp:藤井裕子、打:本間美恵子、ソプラノ:山下尚子
共演:武藤祥圃(箏)、若杉百合恵、小黒亜紀(Pf)、宝よなぐ(朗読) |
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J, シュトラウスII:トリッチ・トラッチ・ポルカ
石川亮太:山の音楽家 じゅんばん協奏曲
プッチーニ(小西奈雅子・編):私のお父さま
プッチーニ(小西奈雅子・編):誰も寝てはならぬ
宮城道雄:ロンドンの夜の雨
八橋検校(小西奈雅子・編):六段の調べ
ハチャトゥリアン:剣の舞
J,S.バッハ:G線上のアリア
J,シュトラウスII(小西奈雅子・編):春の声
(休憩15分)
サン=サーンス(小西奈雅子・編・台本):組曲「動物の謝肉祭」
J,シュトラウスI:ラデツキー行進曲
(アンコール)
日本古謡:さくらさくら (山下、武藤)
ホルスト:ジュピター |
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新潟出身・在住のプロの音楽家により2006年4月に結成された新潟ARS NOVA は、スクールコンサートを中心に活発な演奏活動を重ねており、私も2009年8月に初めて聴いて以来何度も聴かせていただいています。個々のメンバーはそれぞれの分野で活躍されており、まさに新潟のオールスター集団という感じです。
昨年1月に、県内の小中学校でのスクールコンサートが10周年になるのを記念して、初めてメンバー全員が集まり、共演者を加えて「新春コンサート」が開催されましたが、今年も昨年に引き続いて「新春ファミリーコンサート」が開催されました。新潟の音楽家を応援するためにも、新年最初のコンサートとしてこのコンサートを選びました。
今日は朝から青空が広がり、冬の新潟には貴重な 晴れの休日となりました。鉛色の空から解放されて、太陽の光のありがたさを実感しました。西区某所で今年初めてのラーチャンをいただき、コンサートに臨みました。
開場待ちの短い列に並び、前方やや左寄りに席を取りました。今年の新潟市は例年のウインナワルツのコンサートが上越市に奪われてありませんので、新春最初のコンサートとしてもっと賑わうかと思いましたが、それなりの盛況となりました。
開演のチャイムが鳴り、照明が暗い中、色とりどりの華やかなドレス姿の団員が入場。「トリッチ・トラッチ・ポルカ」の演奏開始とともにステージが明るくなりました。
弦は、ヴァイオリンが4人+2人、ヴィオラ2人、チェロ1人、コントラバス1人。管楽器はフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット各1人。そして打楽器が1人という総勢17人の編成です。ホルン、コントラバス以外は美しい女性の皆さん方で、ステージに花が咲いたようでした。
小編成ながらもさすがにプロの音楽家集団だけあって、見事なアンサンブルで演奏水準の高さを見せ付けてくれて、一気に演奏に引き込まれました。
薄水色のドレスが麗しい山下さんが登場し、以後山下さんのMCで演奏が進められました。ちなみに、山下さんは小柄ながらも華があり、初めて歌声を聴いた2009年8月以来の大ファンです。
管楽器の楽器紹介があり、続いては木管五重奏により、楽しく楽器紹介する「じゅんばん協奏曲」が演奏されました。途中各楽器が、オーボエ〜ホルン〜フルート〜ファゴット〜クラリネットの順で、それぞれの楽器のソロが有名な曲を演奏して楽しませてくれました。
続いては山下さんの歌で「私のお父さま」。やっぱり良い歌声ですね。私の娘の結婚式のチャペルで某ソプラノさんが歌ってくれたことを思い出しました。
次は金管楽器の紹介があって、藤井さんのトランペットがテノールの代わりにソロを取る「誰も寝てはならぬ」です。ちょっとハイトーンがつらそうでしたが、盛り上げてくれました。
続いてはゲスト奏者の箏の武藤さんが昨年に引き続いて登場。琴と箏が違うことなどを紹介した後、独奏で「ロンドンの夜の夢」を技巧を駆使して演奏し、箏の魅力を余すことなく知らしめてくれました。
続いてアルス・ノーヴァのメンバーと共演しての「六段の調べ」が演奏されましたが、小西さんの見事な編曲により和楽器と洋楽器が癒合して、聴き応えある音楽を創り出していました。
続いてマリンバの楽器紹介があり、本間さんの鮮やかなマレットさばきで「剣の舞」が演奏されました。さらに弦楽器の楽器紹介があった後、弦楽合奏でG線上のアリアが演奏され、弦楽アンサンブルの美しさに酔いしれました。
前半最後は山下さんの「春の声」。美しいコロラトゥーラ・ソプラノに魅了され、山下さんの魅力全開というところでしょうか。
後半はゲストのピアノの若杉さん、小黒さん、朗読の宝さんとの共演により「動物の謝肉祭」です。薄暗い中奏者が入場し、演奏開始とともにステージが明るくなりました。
すばらしい宝さんの朗読によって楽しい音楽物語が進められました。各楽器が動物を描き分けますが、新潟を代表する奏者ばかりですので、各曲の演奏は言うことはありません。有名な割には全曲通して聴く機会は少ない曲ですが、新潟でこれほど高水準な演奏が聴けるということは感嘆すべきだと思います。
奏者もさることながら、宝よなぐさんの朗読も賞賛すべきでしょう。さまざまな声色を駆使しての朗読により、眼前に総天然色の音絵巻が繰り広げられているようでした。声優志望とのことですが、素晴らしい実力の持ち主だと思います。
プログラム最後は、箏も含めて全員集合しての「ラデツキー行進曲」で、新年の喜びをみんなで分かち合いました。やっぱり新春コンサートと銘打つには欠かせない曲ですものね。
アンコールは、山下さんと武藤さんによる「さくらさくら」にうっとりと、しんみりと聴き入った後、ジュピターを演奏し、最後をフルオケ並みにバシッと決めて、興奮と感動の中に終演となりました。
家族で楽しめる肩の凝らないコンサートは、新年を祝うに相応しいものでした。外から呼ばなくても、新潟に素晴らしい音楽家が大勢いることの喜びを胸に家路に着きました。
(客席:8-9、¥2000) |