佐渡裕が2015年から音楽監督を務めるウィーンのトーンキュンストラー管弦楽団の演奏会です。新潟での公演は2016年5月以来2年ぶりとなります。
今回の日本ツアーはレナード・バーンスタイン生誕100周年記念として、5月12日から27日まで、全13公演が開催されます。新潟公演は5公演目で、昨夜はサントリーホール、明日は大阪のフェスティバルホール、日曜日はNHKホールと、かなりタイトなスケジュールで、新潟は日帰りだそうです。そのためか、開演時間が18時30分と早くて、スケジュール調整に苦労しました。
今日は雨が降って湿度が高く、気温も上がって鬱陶しい一日になりました。何とか17時半に仕事を切り上げ、大急ぎでりゅーとぴあへと車を進めました。
今日は催しが重なっているようで、劇場は開場待ちの列が長く伸びていて、コンサートホールは開場の真っ最中でした。
ホールに入りますと、予想に反して空席が目立ちました。人気指揮者の佐渡さんですので、満席かと予想していたのですが、ステージ周りはかなり埋まっていたものの、ほかは席が空いてました。りゅーとぴあ発売分はかなり埋まっているようでしたが、私の席の前方もかなりの空席がありました。そして意外にも最高額のSS席エリアは結構埋まっていました。
開演時間となり、佐渡さんのプレトークがあり、その後拍手の中に団員が入場しました。全員揃うまで起立して待つ東響新潟定期方式。違うのはコンマスが初めから入場していたこと。ステージいっぱいの16型の大編成のオケは壮観です。
オケの配置は対向配置ではなく、ヴァイオリンが左、ヴィオラ・チェロ・コントラバスが右で、ヴィオラが最前方でした。オケのひな壇はかなり高めに設定されていました。
佐渡さんが登場して、前半はバーンスタインの2曲です。最初は映画「波止場」の音楽を組曲にしたものです。アカデミー賞多部門受賞の名作ですが、私は観たことがありません。でも、映画の場面が眼前に思い浮かぶようなダイナミックな音楽に聴き入りました。叙情性豊かな美しいメロディーもあり、楽しめる音楽であり、演奏でした。
2曲目の「シンフォニック・ダンス」はバーンスタインを代表する名曲であり、おのずと聴く機会も多いのですが、さすがバーンスタインの愛弟子の佐渡さんというような、スカッとする演奏でした。指鳴らしやマンボの掛け声もばっちり。ウィーンのオケではありますが、アメリカンな雰囲気が良く出ていました。サムホエアのメロディで静かに終わるとともに、盛大な拍手が贈られました。
後半はショスタコーヴィチの「革命」です。バーンスタインが名録音を残しており、弟子の佐渡さんとしても思い入れの多い曲のようです。
前半同様にスカッとするような演奏でした。深刻さや暗さは感じさせず、むしろ爽やかさも感じるような小気味良い演奏でした。速めのテンポでスピードアップし、興奮と感動のフィナーレへと突進しました。大太鼓の連打で〆られた後、ブラボーとともに大きな拍手が贈られました。
アンコールにハンガリー舞曲を豪快に演奏して終演かと思ったところでウィーンの香り漂うポルカを演奏し、陽気な掛け声で盛り上げて、スタンディングオベーションで終演となりました。
今日の演目はいずれもCD発売されており、演奏もこなれているものと思います。演奏がどうのと議論するのは無意味であり、楽しく気分良く音楽に浸り、幸せな気分になれたというのがすべてです。佐渡さんの作り出す熱い音楽に身を委ね、良い音楽を聴けたという満足感を胸に、帰路に着きました。
(客席:2階C7-41、S席:会員割引:¥14400) |