新潟市ジュニア音楽教室第14回スプリングコンサート
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2018年3月31日(土) 14:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
 
(ロビーコンサート)
ジュニアオーケストラ教室 金管・打楽器アンサンブル
  藤井裕子:Fanfare for JO
ジュニア邦楽合奏団
  久本玄智:三段の調べ
  星野 源:恋
ジュニアオーケストラ教室
  木管五重奏 
    イベール:3つの小品 より I. allegro
  フルートアンサンブル 
    アルビージ:春の歌
  弦楽アンサンブル
    ホルスト:セントポール組曲 より ジーグ
ジュニア合唱団
  ホーキンス:Oh Happy Day
  ロイド=ウェバー:Pie Jesu
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新潟市ジュニア邦楽合奏団 (指揮:鯨岡 徹)
  初級合奏 
     川崎絵都夫:子どもの四季
  中・上級合奏
     川崎絵都夫:風と光と大地のうた 第1楽章「息吹き」
  全員合奏
     鯨岡 徹: たみうたのおと (新曲初演)

新潟市 ジュニア合唱団  〜Nコン課題曲を集めて〜
   トランペットを吹きながら、花のまわりで、空がこんなに青いとは
   未知という名の船に乗り、花と草と風と、うたえおどれ、
   気球に乗ってどこまでも
   ミスター・モーニング、いつか、時間
   あたま上に空

(休憩15分)

新潟市ジュニアオーケストラ教室
  A合奏 (指揮:藤井裕子)
    バード(ストーン編):ソールスベリー伯爵に捧げるパバーヌ
    ウッドハウス:いなかの踊り
    メキシコ民謡(ストーン編):ラ・クカラーチャ
  B合奏 (指揮:永峰大輔)
    スッペ:喜歌劇「軽騎兵」序曲
    ハチャトゥリアン:バレエ音楽「ガイーヌ」より
      レズギンカ
      目覚めとアイシェの踊り
      アルメンのヴァリエーション
      バラの乙女たちの踊り
      剣の舞

合唱とオーケストラの合同演奏 (指揮:永峰大輔)
   宮川彬良:幸せはすべての人に
   杉本竜一:Believe
 
     

 今日で3月も終わりです。厳寒・大雪の冬がうそのように、一気に春になりました。今日も朝から空は晴れ渡り、清々しい陽気となりました。まさにスプリングコンサート日和と言えましょう。

毎年欠かさずに来ているこのコンサート。新潟が誇るジュニア・オケ、ジュニア合唱団、ジュニア邦楽合奏団をまとめて聴けるという魅力あるコンサートです。例年は最終日曜日なのですが、今年は土曜日の開催です。スケジュール調整して、今年も何とか駆けつけることができました。

 開場30分前にホール入りしましたが、すでに開場待ちの列が伸びており、私も列にに並びました。開場後2階正面に席を取り、ロビーコンサートを聴くため、3階バルコニーへ移動しました。

 毎回恒例のファンファーレでロビコンが開演しました。まずはジュニア邦楽合奏団です。箏の合奏による「三段の調べ」の後、箏・十七弦・三味線・尺八による合奏で「恋」が演奏されましたが、素晴らしいアンサンブルでした。和楽器の魅力を知らしめてくれました。

 続いてはジュニアオーケストラのメンバーによる木管五重奏とフルートアンサンブル、そして弦楽アンサンブルの演奏です。いずれも美しい響きで魅了し、特に弦楽アンサンブルの美しさには驚きを感じ、今年のジュニ・オケは違うなと感じさせられました。

 最後はジュニア合唱団です。意表をついた演出で、明るく元気に「Oh Happy Day」を歌い、次は一転して、静かに、穏やかに、「ピエ・イエス」。ざわめいていたロビーが、シーンと静まり返りました。
 ジュニア合唱団がこれを歌ったら感動しないわけがありません。溢れ出そうな涙を抑えるのに大変でした。ソロをとった団員の歌声の素晴らしさ。汚れきった私の心が浄化されるようでした。

 子どもたちのひたむきさ、鍛え抜かれた演奏。この感動がジュニアの魅力です。このロビコンだけでも十分な満足感であり、これで帰っても良いような気さえするほどでした。しかし、これからが本番なのです。


 開演時間となり、いよいよ本公演の始まりです。最初はジュニア邦楽合奏団です。まずは初級合奏で、お馴染みのオリジナル曲「子どもの四季」。初級とは思えない聴き映えする演奏でした。
 続く中上級合奏はオリジナル曲の「風と光と大地のうた」です。打楽器も加わって聴き応えも十分。さすがという演奏で魅了しました。今回は第1楽章のみでしたが、夏の定期演奏会では全曲演奏するそうです。楽しみですね。
 最後は全員合奏。さすがに大人数の合奏は音の厚みがあります。鯨岡先生の新曲で、本日が初演でした。日本の民謡が散りばめられた曲で楽しませていただきました。
 邦楽合奏といっても、全国的にも珍しく、編成に合った曲がいくつもあるわけではありません。おのずとオリジナル曲を作る必要があり、苦労も多いものと想像します。全国的にも稀有なこの邦楽合奏団の発展を祈りたいと思います。

 続いてはジュニア合唱団です。NHK音楽コンクールの課題曲を集めたプログラムです。聴いたことのある歌はわずかしかなく、ほとんど聴きなじみがないものでしたが、合唱をやっていた人には懐かしかったものと思います。
 3曲歌った後、年少者も登場して4曲楽しく歌いました。そして高学年者での3曲は、さすがといわせる美しさで、合唱の魅力を知らしめてくれました。
 最後は全員合唱で、ダンスも交えて楽しく歌い、盛り上がった中で終演となりました。短い曲が多数歌われ、まとまり感に欠ける面もありましたが、つぼを押さえた演出も良くて楽しく聴かせていただきました。

 休憩の後はいよいよジュニア・オケの登場です。まずは初級者のA合奏。藤井先生の指揮で、ちゃんとしたオーケストラサウンドを聴かせてくれて、練習の成果は良く出ていたと思います。「いなかの踊り」はしばしば演奏され、過去との比較がしやすいですが、今年の演奏はこれまでよりさらに良かったように思います。
 最後の「ラ・クカラーチャ」は楽しい演奏で心も和みました。楽しそうにリズムを刻むジュニアらしからぬ女性がおられましたが、良く見たら新潟のパーカッショニストの代表ともいうべき本間さんじゃないですか。指導者ということで出てられたようで、ご苦労様です。

 続いては永峰先生の指揮でB合奏です。指導者の方々も末席で参加され、お馴染みの顔を捜すのも面白かったりします。
 最初は「軽騎兵序曲」ですが、さすがにレベルの違う演奏です。この曲は以前も取り上げられたことがありましたが、さらに洗練されて文句のない演奏だったと思います。明るく生き生きしたサウンドはジュニアならではで、目を閉じれば中学・高校生の演奏とは信じられないレベルです。
 そして「ガイーヌ」。これも各曲のコントラストも鮮やかに、色彩感・躍動感に富む演奏でした。特に最後の「剣の舞」は圧巻。迫力ある演奏に心も高ぶりました。
 ロビコンで今年のジュニ・オケは違うなあという感想を持ちましたが、これまで以上にレベルアップしているように思いました。永峰先生の下で、更なる発展を祈念したいと思います。9月の定期演奏会が今から楽しみです。

 スプリングコンサートの最後は合唱とオーケストラの共演です。選ばれた曲は2015年のスプリングコンサート以来の「幸せはすべての人に」。私を泣かせるために選んだのではないかと勘ぐってしまう選曲です。案の定、込み上げる感動を抑えきれず、涙が溢れ出てきました。最高です。
 最後は全員参加で総勢260人での「Believe」で、感動のステージは終演となりました。

 ジュニアは新潟市の宝であり、誇りであることを再認識しました。財政難の新潟市は、音楽文化への予算が削減され、ラ・フォル・ジュルネが中止されたり、小学校5年生が全員りゅーとぴあで東響の演奏を聴く催しも中止されたりと、心は暗くなるばかりでしたが、ジュニアのパワーで力をもらったように思います。これからのジュニア音楽教室の発展を願いながら家路に着きました。
 

(客席:2階C5-11、会員割引:¥630)