ジョイント・コンサート in 秋葉区
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2018年3月24日(土) 14:00  新潟市秋葉区文化会館
 
ピアノ:本間 優
ユーフォニアム:外山裕介(ピアノ:馬場 睦)
ヴァイオリン:坂口昌優(ピアノ:小澤佳永)
 
本間 優(ピアノ)
ショパン:ワルツ 第1番 「華麗なる大円舞曲」 変ホ長調 Op.98
リスト:「3つの演奏会用練習曲」S.144 より 3. ため息
ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」より
   プロムナード、卵の殻をつけたひなどりのバレエ、
   鶏の足の上に建っている小屋、キエフの大門

外山裕介(ユーフォニアム) 馬場 睦(ピアノ)
ウィルビー:コンサート・キャロップ
モーツァルト(フラッケンポール編):ミサ曲 ハ短調 K.427(K.417a)より
                     ラウダムス・テ
ビゼー(伊藤康英):歌劇「カルメン」より
             花の歌「おまえの投げたこの花を」
マンティア:「蛍の光」幻想曲

(休憩15分)

坂口昌優(ヴァイオリン) 小澤佳永(ピアノ)
クライスラー:テンポ・ディ・メヌエット
クライスラー:美しきロスマリン
ブラームス:F.A.Eソナタ より 第3楽章 スケルツォ
アイルランド民謡(クライスラー編):ロンドンデリーの歌
サン=サーンス:ヴァイオリンソナタ 第1番 第3、4楽章

 りゅーとぴあアウトリーチ事業第3期登録アーティストによるジョイントコンサートてす。今回の登録アーティストはピアノの本間優さんとユーフォニアムの外山裕介さんです。

 これまでの代々の登録アーティストによるコンサートは、毎年県内各地で、いろんな形で開催されており、つい先日も聖籠町でのコンサートも聴きました。
 秋葉区文化会館でのコンサートは2016年3月に第2期登録アーティストの小黒亜紀さん、金子由香利さん、小山瑠美子さんのジョイントコンサートが開催されて以来になります。

 今回は本間さん、外山さんのほか、ゲストとして、石川県出身で、地域創造公共ホール音楽活性化事業登録アーティストととして全国でアウトリーチ活動されている坂口昌優さんが出演され、これも注目されました。

 今日は午前中は某所で仕事。お役所からのありがたい指導を受けておりました。昼に終わって、昼食を摂り、秋葉区文化会館へと赴きました。開場待ちの列ができ始めたところで私も列に並び、前方に席を取りました。

 開演時間となり、最初は本間さんのピアノ演奏です。本間さんは新潟で多彩な演奏活動をしてこられており、私も2014年5月以来何度か聴かせていただいていますが、毎回力強い演奏が記憶に残っています。

 今日の本間さんはモスグリーンのドレスで登場。「華麗なる大円舞曲」を、それこそ華麗に演奏して、一気に聴衆の心をつかみました。この曲は本間さんがピアノ演奏を始めた原点になる曲とのことで、思い入れが大きいようです。以後曲目紹介をはさみながら演奏が進められました。

 「ため息」をしっとりと演奏し、一旦退場して、メインの「展覧会の絵」が演奏されました。後方の壁に曲に関連した絵画が投影され、イメージが分かりやすかったです。
 「プロムナード」を力強く演奏し、その後の「卵の殻をつけたひなどりのバレエ」をさらりと演奏し、ここで大きく深呼吸して息を整え、「鶏の足の上に建っている小屋(バーバ・ヤーガ)」、「キエフの大門」へと突進しました。

 本間さんにぴったりな曲であり、強靭な打鍵から繰り出されるパワー溢れる音楽は、まさに本間さんの世界です。このホールのスタインウェイからこれほどの音量と輝きのある音を紡ぎだした人がこれまであったでしょうか。圧倒的迫力におののくばかりでした。

 続いてはユーフォニアムの外山さんで、ピアノの共演は馬場さんです。ユーフォニアムは吹奏楽の中の楽器として聴く機会はありますが、ソロでの演奏を聴く機会はなく、今回が初めてです。もちろん外山さんの演奏も初めてになります。

 きちっとした燕尾服姿の外山さん、黒い上下でシックな感じのピアノの馬場さんが登場して、「コンサート・ギャロップ」で演奏開始しました。さすがにユーフォニアムのために書かれた曲だけあって、この楽器の素晴らしさが良く伝わってきました。ソフトで心を癒すような優しい響きでありながら、軽快に駆け抜けて、演奏の素晴らしさも感じさせました。
 その後も馬場さんの万全のサポートを得ながら、「ラウダムス・テ」、「花の歌」と続き、聴き応えある「蛍の光幻想曲」で楽しませてくれました。終始微笑を忘れない外山さんの表情にも癒され、人柄の良さが伝わってきました。


 休憩後はゲストの坂口さんのステージです。黒地に赤い花柄のドレスの坂口さんとショッキングピンクのドレスが目にまぶしい小澤さんが登場して、「テンポ・ディ・メヌエット」で開演しました。

 落ち着きのの中に華やかさも垣間見える演奏に、心奪われました。ヴィジュアル的にも素晴らしく、チラシの写真よりはるかに美しく、前方に席を取った甲斐がありました。

 「美しきロスマリン」を優雅に爽やかに演奏したところで、ステージに譜面台が運び込まれるとともに、華麗なるフメクリストが登場しました。何とKさんじゃないですか。ご苦労様です。
 ということで、続いては「F.A.Eソナタ」です。アイドルチックな容姿とは裏腹の、力強く、激しく、熱く燃え上がる演奏に魅了され、この奏者の実力を見せ付けられました。

 「ロンドンデリーの歌」をゆったりと詩情豊かに演奏して高揚した心を鎮め、最後はサン=サーンスのヴァイオリンソナタです。これは最後を飾るに相応しい選曲であり演奏だったと思います。ヴァイオリンとピアノがせめぎ合い、超絶的テクニック、特に高音部のクリアさに驚愕しました。ヴァイオリンとピアノが絡み合いながら猛スピードで突進し、興奮のるつぼへと身をゆだねるしかありませんでした。

 本間優さん、外山裕介さん、そして馬場睦さんは、この1年間たくさんのアウトリーチ活動をされてきました。その活動の中で培われ、洗練された演奏は、やはり心に響くものがあります。トークもこなれており、場数を踏んだだけはあります。これからの活動も期待したいと思います。

 そしてゲストの坂口昌優さんと小澤佳永さん。さすがに全国レベルで活動されているだけはありますね。これからも聴く機会が持てたら良いなあと思います。

 春の訪れを実感するに相応しい爽やかなコンサートでした。春っていいなあ・・・。
 

(客席:4-14、会員割引:¥1350)