りゅーとぴあアウトリーチ事業第2期登録アーティスト ジョイント・コンサート
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2016年3月6日(日) 14:00  新潟市秋葉区文化会館
 
金子由香利(フルート)、小黒亜紀(ピアノ)、小山瑠美子(ソプラノ)
 
金子由香利  (Pf:若杉百合恵)
  ドビュッシー:「小組曲」より 小舟にて
  ダマレ:白つぐみ
  メシアン:クロウタドリ
  ガムゾー:ヴェルディの歌劇「椿姫」による幻想曲

小黒亜紀 
  ショパン:ワルツ第6番 変ニ長調 「子犬のワルツ」 Op.64-1
  ショパン:ポロネーズ第6番 変イ長調 「英雄」 Op.53
  ショパン:ノクターン第20番 嬰ハ短調 遺作
  リスト:メフィスト・ワルツ第1番 「村の居酒屋での踊り」

(休憩)

小山瑠美子  (Pf:斉藤晴海)
  中田喜直/阪田寛夫:はなやぐ朝
  成田為三/林古渓:浜辺の歌
  中山晋平/北原白秋:砂山
  中田喜直/三好達治:たんぽぽ
  ケージ:アリア
  サティ/ボノー&ブレス:エンパイア劇場の歌姫
  サティ/バコリー:あなたがほしい
  グノー:歌劇「ファウスト」より 宝石の歌

(アンコール)
  さくら
  花
   

 りゅーとぴあのアウトリーチ事業で活躍されているフルートの金子由香利さん、ピアノの小黒亜紀さん、ソプラノの小山瑠美子さんのジョイントコンサートです。どうして秋葉区でやるのか疑問に感じましたが、魅力ある3人の出演とあって、遠路秋葉区文化会館へと向かいました。
 このホールは何度か来ていますが、デザイン優先に思われ、丸い建物で入り口がわかりにくいですし、駐車場も建物を取り囲むようになっているため、ちょっと方向感覚が狂いやすく、駐車しにくく感じます。中の構造も複雑で、メンテナンスが大変なんじゃなかと勝手に心配しています。

 早めにホール入りし、開場待ちの列に並びましたが、新潟でのコンサートのお馴染みさんが勢ぞろいしており、3人の人気の高さが伺えます。前方中央やや左寄りに席を取って開演を待ちました。

 最初は金子さんのフルートで、ピアノ伴奏は若杉百合恵さんです。金子さんはオレンジのドレスで登場。長身でステージ映えしますが、若杉さんが小柄でいらっしゃいますので、その差が大きく感じられました。
 「小舟にて」をゆったりと、情感豊かに演奏し、その後は鳥にちなんだ曲が2曲演奏されました。「白つぐみ」はピッコロでの演奏で、客席に出て演奏して楽しませてくれました。メシアンの曲は、いかにも現代曲というような深遠さがあり、精神を集中させて聴き入りました。
 最後は「椿姫」。昨日「椿姫」のハイライトのコンサート聴いたばかりであり、楽しく聴かせてもらいました。ピアノの若杉さんの演奏も良くて、金子さんの魅力が大きく発揮されたと思います。

 続いてはピンク色のドレス姿が麗しい小黒さんの登場です。最初の「子犬のワルツ」は緊張感も感じさせましたが、「英雄ポロネーズ」で大爆発。これぞ小黒さんというような力と情熱があふれる演奏にノックアウトされました。
 一転して「ノクターン」ではしんみりと、切々と演奏し、心に訴えかけました。そして最後は「メフィストワルツ」。再び小黒ワールが全開となり、興奮と感動を誘いました。あのかわいらしいお姿から、情熱が爆発するようなパワーあふれる演奏が生まれるなんて、いつもながらに驚きます。

 休憩後は小山さんの歌唱で、ピアノは斉藤春海さんです。ピンクとオレンジのドレスの小山さんが登場し、最初は日本の歌曲を歌いました。美しい、耳に優しい声質で、しっとりとした味わいを感じました。日本語の発音が良く、言葉が聴き取りやすくて良かったです。当たり前のことなんですけど、そうじゃないことも多いものでして・・。
 その後は現代曲のケージです。楽譜が投影されましたが、理解不能であり、こんな前衛的過ぎる曲に取り組んで、実際に演奏する小山さんに驚きを感じました。結局私には理解できませんでしたが。
 続いてはサティの曲を2曲。ケージの後ではほっとした気分になり、パリの洒落た雰囲気が伝わるようでした。そして、最後は「ファウスト」。オペラ歌手としての力量を見せてくれて終演となりました。
 声質は耳に優しく、フランス語が良く合うように思います。どんなジャンルでもこなす懐の深さに感銘し、今後どのように活躍されるのかが楽しみになりました。

 アンコールは3人が登場して、「さくら」と「花」を小黒さん、金子さんの伴奏で小山さんが歌って、内容の濃い演奏会が終演となりました。
 アウトリーチの任期はもう1年あるとのことであり、新潟市内の子供たちに、すばらしい音楽を届け、音楽の喜びを知らしめてくれることでしょう。ご活躍を祈ります。
  

(客席:5-16、会員割引:¥1350)