昨日の朝は晴れたものの、その後は冷たい雨が降り続き、憂うつな休日となりました。こんな中ではありますが、今日はたくさんのコンサートが重なり、それも同時刻の開演がいくつもあって、悩ましい事態となりました。
特にプロジェクト・リュリには是非とも行きたいところでしたが、東響定期会員招待のこのコンサートに来てしまいました。お許しください。
ということで、雨の中やって来ましたが、駐車場はどこも満車。空き待ちをして、何とか某所に駐車して、ホール入りしました。
開演時間となり、白いドレスが麗しい萩原さんが登場し開演しました。萩原さんを聴くのは2016年3月の東響新潟定期でのラヴェルのピアノ協奏曲の演奏を聴いて以来2回目となります。
前半はリストの曲です。卓越した演奏技術に裏打ちされた流れるようなスピード感とダイナミックレンジの広さ。粒だちの良い透明感のある音はクリスタルのよう。弱音の美しさと濁りのない強奏部。どれをとっても、さすがと唸らせます。
お馴染みの「ラ・カンパネラ」では、早くもブラボーが贈られました。先日聴いたフジコさんの魂の演奏も良かったですが、こちらも圧倒されるような演奏で、フジコさんより音の数が多いんじゃないかと思いました。最後の「主題と変奏」で完全にノックアウトされ、興奮の中に休憩に入りました。
休憩時間に調律が入念になされ後半に入りました。萩原さんは白と黒のドレスに着替えて登場。挨拶があり、曲目紹介の後、台信さんの曲が演奏されました。台信さんは35歳といい、パリ高等音楽院時代からの知り合いだそうです。秋の長雨をイメージしての曲だそうですが、静かで美しい曲で、心が洗われるようでした。
最後はシューマンの「謝肉祭」。全20曲からなりますが、途中から何曲目か分からなくなりましたが、最後を華やかに盛り上げて興奮を誘いました。
アンコールは子どものときによく弾いたというショパンの2曲を流れるように演奏し、さらに拍手に応えて「月の光」をしっとりと演奏し、しばしの静寂の後に大きな拍手が湧き上がって終演となりました。
素晴らしい演奏テクニックとともに、透明感・色彩感あふれる音楽を聴かせてくれました。アイドルチックなチラシの写真とは裏腹の、繊細でありながらも、心を揺り動かす力強い音楽に感激しました。若き才能の爆発に元気をいただき、高揚した気分で家路に着きました。
(客席:2階C7-13、S席:東響定期会員招待) |