イタリア ベルカント・オペラ名曲集
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2017年3月11日(土)17:00 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
ソプラノ(S):リンダ・カンパネッラ、テノール(T):ブラゴイ・ナコスキ、バリトン(B):レオナルド・ガレアッツイ
ピアノ:山口佳代
司会・バス:小鉄和広
 
第1部 喜劇オペラ

ドニゼッティ:オペラ「ドン・パスクワーレ」から
  マラテスタのアリア「天使のように美しい娘」(B)
  ノリーナのアリア「その眼差しは騎士を」(S)
  ノリーナとマラテスタの二重唱「用意はできている」(S)(B)

ロッシーニ:オペラ「セビリアの理髪師」から
  アルマヴィーヴァ伯爵のアリア「空はほほえみ」(T)
  バジリアのアリア「陰口はそよ風のように」(小鉄)
  アルマヴィーヴァ伯爵のアリア「私の名前を知りたいと」(S)
(T)(B)
  ロジーナのアリア「今の歌声は」(S)

ロッシーニ:歌曲「人生での別れ」(T)

(休憩20分)

第2部 「狂乱の場」を中心に

ベッリーニ:オペラ「夢遊病の娘」から
  アミーナとエルヴィーノの二重唱「指輪をあげる」(S)(T)
  アミーナのアリア「花よ、お前を見るとは思わなかった・・
             思いもよらぬ幸せ!」(S)
  
ベッリーニ:オペラ「清教徒」から
  リッカルドのアリア「永久にあなたを失った」(B)
  エルヴィーラのアリア「ここで彼の優しい声が・・
               来てください愛するお方、空には月が」(S)

ドニゼッティ:オペラ「ランメルモールのルチア」から
  ルチアのアリア「彼の甘い声音が・・香炉はくゆり」(S)

(アンコール)
ドニゼッティ:オペラ「ランメルモールのルチア」から
  「ブラーヴォ・ブラーヴォ・ドン・パスクワーレ」(S)(T)(B)(小鉄)
 

 小鉄和広さんプロデュースによる毎年恒例の「りゅーとぴあオペラ劇場・オペラコンサート」ですが、毎回密度の高い演奏を聴かせてくれて楽しませていただいています。今年はイタリア・ベルカント・オペラ名曲集です。 

 巻文化会館からの移動で、最初は開演に間に合わないかと危惧したのですが、順調に車を進め、開演15分前にはりゅーとぴあ入りできました。
 1、2階席のみ使用されましたが、残念ながら集客は良いとは言えません。毎年素晴らしい内容にもかかわらず、盛況とはならないのですが、今回は特に寂しく感じました。少数精鋭で臨みましょう。

 場内が暗転し、小鉄さんの解説を交えながら公演が進みました。バリトンのガレアッツイさんが風邪で体調不良のため、前半のプログラムが大きく変更されました。今日の演目の中で一番有名なアリアであるセビリアの理髪師の「私は町の何でも屋」が外され、小鉄さんによるアリアが急遽歌われることになりました。さらにはオペラ以外の歌曲が歌われて帳尻合わせした形になりました。

 ガレアッツイさんの歌は前・後半1曲ずつになりましたが、コンディションの悪さは感じさせず、良い声を出してたように思います。ナコスキさんはこれまで何度も来演されていますが、相変わらず素晴らしい歌声です。そして、小鉄さんの迫力あるバスの歌声を聴くことができたのは儲け物でした。
 でも、今日の主役はカンパネッラさんです。前半は青いドレス、後半は黒に金のドレス、さらに白いドレスで登場し、素晴らしいコロラトゥーラ・ソプラノで魅了しました。ホールいっぱいに響く歌声は美しく、お見事というしかありません。さすがに本場物は違うなあなどと、素人の私は素直に感動してしまいました。

 アンコールに小鉄さんを含めて出演者全員で歌ってお開きになりましたが、内容の濃い演奏であり、淡々とした小鉄さんの解説もわかりやすく、オペラの内容を簡単に理解できて良かったです。

 そして忘れてはならないのが山口さんのピアノ。このコンサートには欠かせないピアニストで、今日も各歌手の歌声を支えていました。黒いドレスに包まれたスリムな容姿も魅力的です。

 こんな素晴らしい内容でありながら集客が良くないのは不思議です。皆さんアルビの応援に行ったのかなあ・・。それとも酒の陣かなあ・・。もっと多くの人たちに聴いてほしかったです。次回はたくさんの観衆で盛り上げましょう。


(客席:2階D4-29、B席:会員割引:¥3150)