久石 譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2016 |
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2016年7月30日(日) 17:00 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール |
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指揮・ピアノ:久石 譲
管弦楽:新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ
ソプラノ:市原 愛 |
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久石 譲:交響曲第1番 THE EAST LAND SYMPHONY
1.The East Land
2.Air
3.Tokyo Dance
4.Rhapsody of Trinity
5.The Prayer
(休憩20分)
久石 譲:Summer
久石 譲:Life is
久石 譲:Dream More
久石 譲:交響組曲 PRINCESS MONONOKE
「アシタカせっ記」〜「TA・TA・RI・GAMI」〜「旅立ち」〜
「コダマ達」〜「シシ神の森」〜「ものけ姫」〜
「レクイエム」〜「アシタカとサン」
(アンコール)
久石 譲:World Dreams
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映画音楽やCMの音楽で大活躍の久石さんのコンサートです。私にとって久石さんのコンサートは今回が3回目ですが、オーケストラとの共演を聴くのは2009年8月以来2回目であり、7年ぶりということになります。
新日本フィルを母体とするワールド・ドリーム・オーケストラを指揮して自作曲を演奏する今回の全国ツアーの目玉は、交響曲第1番「The
East Land Symphony」と映画「もののけ姫」の音楽を交響組曲化した「Symphonic suite PRINCESS
MONONOKE」の世界初演です。しかし、ツアーの初日は昨日の長野公演であり、新潟は2日目となりますので、残念ながら真の初演ではありません。
日本を代表する人気作曲家のコンサートであり、チケットは早々に完売となり、たくさんの人々がりゅーとぴあに集いました。
猛暑の中、ちょっと遅めに会場入りしましたが、開演間近というのに、入場待ちの長い行列ができていました。この主催者の公演のときは段取りが悪いことが多いのですが、今回の入場ゲートは1つ(もぎりは2人)だけ。これでチケット完売で1900人の客を入場させるとなると、もぎり1人あたり900人を30分以内でさばかねばなりません。時間が足りないのは明白。開演時間直前になってようやく入場ゲートを2つにするありさま。まあ、どうでもいいですけれど、見るに見かねてしまいます。
ということで、満席の客席は壮観です。私の席は3階正面。S席のすぐ後ろのA席です。客層はいつものコンサートとは全く異なり、平均年齢はかなり低いものと思います。
拍手のない中、団員が入場。コンマスが一礼して漸く拍手が贈られました。この辺も新潟での通常のクラシックコンサートとは異なります。
編成は、いわゆる14型の編成で、ヴァイオリンが左右に分かれる対向配置です。コントラバス、チェロが左、ヴィオラが右に配置され、後方に多種多彩な打楽器やピアノ、チェレスタ等が並び、ステージいっぱいです。
前半は全5楽章からなる「The East Land Symphony」です。久石さんが登場して演奏が始まりましたが、第1楽章から久石さんお得意のミニマル・ミュージックが炸裂しました。不協和音と小気味良いリズムの反復が、いかにも現代の音楽を感じさせましたが、馴染みやすい音楽ではありました。
第2楽章は一転して神秘的な静かな音楽で、朝霧が立ち込める森のようでした。チェレスタの音色が演奏効果を上げていました。この楽章は最後まで作曲が終わらず、コンサートの直前に漸く出来上がったそうです。
第3楽章はソプラノが加わり、日本語と英語が混じった歌詞は聞き取れませんでしたが、美しい歌声で心に迫るものを感じました。
第4楽章は再びミニマルの刺激的な複雑なリズムが迫り、第1楽章と同様に、ぐいぐいと押し切られるような感じで、心地良い陶酔感を感じさせました。
第5楽章は再びソプラノが加わりました。これまでのミニマル攻撃で疲れた心を癒すかのように、優しい癒しの音楽が繰り広げられました。感動の中に終演を迎え、大きな拍手が贈られました。
休憩時間に、会場で見つけた知人にご挨拶することができました。久しぶりにお会いしましたが、お元気そうで良かったです。これからのさらなるご活躍をお祈りします。
後半はおなじみの「Summer」で開演しました。ピッチカートでテーマが奏でられ、その後久石さんのピアノに引き継がれて、美しい久石ワールドを聴かせてくれました。
続いては、コンサートのスポンサーになっているエリエールのテーマ曲で、これも初演だそうです。ちなみに、入場のときにエリエールのポケットティシュが配られました。
次はプレミアム・モルツのCM曲です。耳に良く馴染むメロディが、オーケストラの多彩な音色で奏でられ、聴き応えがありました。
一旦久石さんが退場し、最後は「PRINCESS MONONOKE」です。和太鼓を加えた打楽器群が迫力ある演奏効果を上げていました。おなじみの「もののけ姫」の歌はソプラノでしっとりと歌われ、久石さんのピアノ演奏もありました。最後はソプラノの歌声とともに静かなフィナーレを迎えました。
大きな拍手に応えてアンコールを演奏して終演となりましたが、久石さんの作り出す音楽の斬新さと深遠さを感じさせるコンサートだったと思います。
単なる久石さんの名曲コンサートではなく、クラシックの現代音楽の作曲家としての気概を感じさせ、充実した内容だったと思います。新日本フィルの皆さんの演奏もすばらしく、市原さんの歌声も曲に良く合っていて美しかったです。
作曲家として、指揮者として大活躍している久石さん。出身地の長野ではベートーヴェンの交響曲全曲演奏にも取り組まれています。今度はどんな音楽とともに新潟に来てくれるか楽しみです。久石さんは、私が好きなペルトの音楽もしばしば取り上げており、新潟でも聴けたらなあ、などと考えております。
(客席:3階 I 5-9 、A席:\8400) |