北区フィルハーモニー管弦楽団第5回定期演奏会
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2016年6月26日(日) 14:00  新潟市北区文化会館 ホール
 
指揮:長谷川正規
 

(ロビーコンサート:弦楽四重奏)
 葉加瀬太郎:情熱大陸


ブラームス:大学祝典序曲 作品80

チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」

(休憩15分)

ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 「運命」 作品67

(アンコール)
 グリーグ:2つの悲しい旋律より 「過ぎし春」

 今日の新潟も魅力ある公演が重なっています。こんな中でもこのコンサートは外せません。

 北区フィルは、2010年11月の創立という若いオケにも関わらず、6月に定期演奏会、12月にファミリーコンサートを開催し、そのほか訪問演奏を行うなど、その活発な活動と、高水準な演奏には驚かされます。奇跡のオケという世間の評判も良く理解できます。

 私は結成間もない頃の有志によるデビューコンサートからファンとなり、公式デビューとなった2011年10月の第1回ファミリーコンサート、そして、2012年6月の第1回定期演奏会も聴かせていただいております。
 定期演奏会のメイン曲は、第1回が「田園」、第2回が「新世界より」、第3回が「ベト7」、第4回が「ブラ2」、そして今回は、第5回ということもあってか、第5番「運命」です。アマオケの定番曲を着実にこなしながらレベルアップが図られています。

 今週末は仕事で、昨夜は泊まり勤務でした。仕事を終えて昼食をとった後、北区文化会館へと赴きました。早めに開場待ちの列に並び、ロビーコンサートの開演を待ちました。
 ロビーコンサートの開演時間となりましたが、ロビーにはそれらしき様子もなく、どうしたのかと思った時に、ステージ衣装ではなく、カジュアルな服装の奏者がおもむろにヴァイオリンを演奏し始め、順にどこからともなく各奏者が出てきて、立った姿勢での弦楽四重奏となり、「情熱大陸」をノリノリに演奏して、聴衆を沸かせました。フラッシュモブみたいな演出で良かったです。
 このヴァイオリン奏者は新潟の葉加瀬太郎と称される小島健弘さんのように見えたのですが、いつものヘアスタイルではなかったです。「情熱大陸」が得意といえば、やはり小島さんのように思うのですけれど・・。

 開場時間となり、前方中央に席を取りました。チケット完売とのことであり、客席は満席となりました。けたたましい興ざめのブザー音で開演となり、団員が入場し、コンマスが一礼して大きな拍手が贈られました。賛助出演が加わってオケの編成は大きく、ステージが狭苦しく感じられました。
 メンバー表に賛助出演で小島さんの名前がありましたので、やはりロビコンは小島さんだったのではないでしょうか。
 
 長谷川さんが登壇して、「大学祝典序曲」で開演となりました。最初からなかなのアンサンブルを聴かせてくれて、感激でした。おなじみのメロディを軽快に演奏し、最後を盛り上げてバシッと決まりました。

 続いては「ロメオとジュリエット」です。この曲は先月大阪で聴き、先週は潟響の演奏を聴いたばかりです。なぜか続くときは続くんですよね。
 この演奏は1曲目よりさらに良い仕上がりでした。劇的な物語を劇的に、ダイナミックに演奏し、決め所もしっかりと決めてくれました。先週の潟響に負けず劣らずの情熱あふれる演奏であり、演奏の精度も高く、練習の成果が見事に出ていたと思います。個人的には潟響よりも楽しめた演奏でした。

 後半はメインの「運命」です。さすがに「ん、ジャジャジャジャーン」の「ん、」が難しそうでしたが、良くまとまった演奏ではなかったでしょうか。緩徐部では一歩ずつゆっくりと踏みしめるような演奏でしたが、流れるような滑らかさ、流麗さがあれば、さらに良かったように思います。
 第3楽章から第4楽章へとエンジンが全開となり、興奮と熱狂のフィナーレを迎えました。ブラボーの声とともに盛大な拍手が贈られ、熱演を讃えました。

 アンコールは弦楽だけでグリーグが演奏されました。この曲は先週の潟響でもアンコールで演奏されており、その偶然性に驚きました。弦楽のアンサンブルはお見事でした。

 先週の潟響定期と2曲かぶってしまいましたが、オケを比較するには良かったです。歴史ある潟響の優位性は認めざるをえませんが、北区フィルも十分に対抗できる演奏内容であり、5年でここまでやれるというのは、やはり驚くべきことだと思います。今後の発展が楽しみです。

 

(客席:11-9、\1000)