アモーレ・マルー グランドコンサート
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2015年5月17日(日) 14:00  新潟市江南区文化会館 音楽演劇ホール
 
リコーダー:丸山友裕 チェンバロ:丸山洋子 ソプラノ:風間左智 バロックフルート:水島あや 
ヴァイオリン:熊田美也子、井口歩 ヴィオラ:森本麻未 チェロ:瀬高伸一郎
 

ウッチェリーニ:ラ・ベルガマスカ

ヘンデル:歌劇「ジュリアス・シーザー」より 
        クレオパトラのアリア 〜この胸に息のある限り

ヴィヴァルディ:弦楽のためのラ・フォリア

テレマン:リコーダーとフルートのための二重協奏曲

(休憩15分)

ラモー:クラブザン曲集より 「ためいき」
スカルラッティ:ソナタK.141 ニ短調

J.S.バッハ:G線上のアリア

カッチーニ:アヴェ・マリア

ヴィヴァルディ:リコーダー協奏曲 「夜」

ブロスキー:歌劇「アルタセルセ」より 揺れる船のように

(アンコール)
ヘンデル:涙の流れるままに
ガストルディ:勝ち誇った愛

 
 
 
 東響ロビーコンサートが1時半過ぎに終わり、東響定期が始まるまでの間どうしようかと思案しましたが、間に合うかどうかは定かではありませんでしたが、一か八かという感じで、江南区文化会館へと車を走らせました。新潟バイパス・亀田バイパスと車を進め、予想外に早く、20分ほどで到着して、悠々と開演に間に合いました。

 さて、アモーレ・マルーは、新潟を代表するリコーダー奏者である丸山友裕先生を中心に、昨年9月に結成されたバロック合奏団です。おそらくマルーというのは丸山先生の「丸」からきているんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。(以前もアモーレ・マルーという名前でアンサンブルを作っていたと記憶していましたが、メンバーを替えての結成で、チラシに「新生」と書いてあるのはそのためかもしれません。)

 メンバーはこれまでも活躍してこられている実力者の面々です。定期演奏会としてはこれが最初となるものと思いますが、先日のLFJ新潟の交流ステージに出演されており、一部しか聴けませんでしたが、演奏に引き付けられ、このコンサートも聴いてみたいなあと思っていました。

 当日券を買って入場。客の入りは良く、空席は少数しかありません。仕方なく、といいますか、始めからそのつもりでしたが、正面最前列に席を取りました。小編成のバロックアンサンブルですので、できるだけ近いほうが良いと考えましたが、実際良かったと思います。

 ラ・ベルガマスカで開演しました。編成は、左からリコーダー、バロックフルート、ヴァイオリン1、ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、後方に赤いチェンバロです。男の二人は黒ですが、女性陣はカラフルなドレスで、ステージは花が咲いたように華やかでした。
 美しい弦楽アンサンブルに載って奏でられるリコーダーとバロックフルートの柔らかな響きが心地良く、最初から演奏に引き込まれました。

 続いて、リコーダーが退席し、代わりにきらびやかな金色のドレスの風間さんが登場してのアリアです。風間さんはプロジェクト・リュリやSophia sinistra の公演などで何度も聴かせていただいていますが、古楽やバロックでの風間さんの存在感は抜群であり、風間さんなしでは演奏できないのではないでしょうか。今日も素晴らしい歌声でした。

 続いては弦楽とチェンバロだけで、ラ・フォリアです。弦楽は立っての演奏です。この曲のメロディは、なぜか心に馴染みやすく、切々とした調べが癒しを感じさせます。きれいなアンサンブルでした。

 前半最後は、リコーダーとフルートの二重協奏曲です。丸山、水島という二人の名手とバックのアンサンブルにより、熱のこもった演奏を聴かせていただきました。

 後半はチェンバロ独奏で開演しました。2曲続けて演奏されましたが、丸山さんの情感豊かな演奏にひきつけられました。

 続いては弦楽とチャンバロで、お馴染みのG線上のアリアをしんみりと演奏し、全員登場して、カッチーニのアヴェ・マリアが切々と歌われました。

 そして次は、照明が落とされた中で、リコーダー協奏曲「夜」が演奏されました。まさに夜を感じさせる演出と演奏に心打たれました。

 最後は、ブロスキーの歌劇を風間さんが見事に歌い上げ、ホールいっぱいの聴衆を魅了しました。これまでは声を抑えた歌が多かったですが、この曲は声量豊かに歌い、最後を締めくくるにふさわしい演目でした。

 アンコールにヘンデルをしっとりと歌い、勝ち誇った愛で終演となりました。カーテンコールではたくさんの花束が渡され、人気の高さが伺えました。

 高水準の演奏を聴かせていただいて感謝です。これから毎年定期演奏会を続けるそうであり、発展を祈りたいと思います。

   
(客席:1-14、当日券:¥2500)