東京交響楽団第89回新潟定期演奏会
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2015年5月17日(日) 17:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:ユベール・スダーン
フルート:高木綾子、ハープ:吉野直子
コンサートマスター:水谷 晃
 


モーツァルト:交響曲第31番 ニ長調 K.297「パリ」

モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299

(休憩20分)

フランク:交響曲 ニ短調 作品48

 
 
 

 2015年度最初の東響新潟定期です。今日の演目は5月14日のサントリー定期と同じ内容です。通常は東京で演奏した翌日に新潟で演奏するパターンなのですが、今回のサントリー定期が木曜日だったため、中2日となってしまいました。間が空きすぎた感がありますが、どうなるか興味深いです。

 江南区文化会館でのアモーレ・マルーの公演を終え、車を順調に走らせ、20分ほどで白山公園の駐車場入り。ホールに着きましたら、ちょうど開場が始まるところでした。

 開場とともに入場。客席に座って一休みしようと思ったのですが、開場直後のガラガラの客席に関わらず、私の隣、周辺に早々とお客さんが座り、私の周りだけが混み合っているという変な状況になりました。その後だんだん客は増え、サイド席に空席がみられますが、いつもより若干客の入りが良いようです。

 開演時間となり、いつものように拍手の中団員が入場。オケは小編成で、ステージの奥の方に並び、前方を大きく空けていました。指揮台はありません。

 最初は「パリ」です。モーツァルト・ファンの方は多いと思いますが、私はこの曲は好きではなく、持っているCDも何年も聴いていないというのが実情です。しかし、軽快で生き生きとした、躍動感ある音楽に引き込まれ、こんな私でも楽しめてしましました。さすがにスダーンさんのなせる業でしょうか。
 この演奏中、いつもの東響定期では楽章間の拍手が起こることはないのですが、今日は第1楽章終了後に拍手が聴こえました。新しいお客さんが増えたのでしょうか。これは良いことですね。

 続いては、編成がさらに小さくなり、フルートとハープのための協奏曲です。この曲を生で聴くのは、2013年3月に、新潟が誇る若手奏者のフルートの小山裕幾さん、ハープの山宮るり子さんがNHK交響楽団と共演したとき以来となります。そのときはフレッシュな演奏に感激しましたが、今日はベテラン奏者です。どんな演奏を聴かせてくれるのか楽しみです。
 グリーンのドレスの高木さん、ブルーのドレスの吉野さんが登場し、ステージが華やぎました。さすがに日本を代表するプレーヤーだけあり、容姿そのままの明るく色彩感あふれる音楽を奏で、ステージにさわやかな春風が吹き抜けるかのようでした。
 メロディが美しい名曲ではありますが、単に甘くて癒しの音楽に終わるのではなく、協奏曲としての本分を忘れていません。フルート、ハープ、そしてオーケストラが、協調しあった中にも自己主張も忘れず、生命感あふれる音楽を創りだしていたように思います。

 後半は、オケは16型のフル編成となり、ステージいっぱいとなり、視覚的にも豪華になりました。フランクの交響曲は、2002年の第18回新潟定期で大友さんの指揮で演奏されていますが、あれから13年も経っています。曲名は有名でも、実際に聴く機会はほとんどありません。
 いろんな主題が現れては消えを繰り返し、取り留めもない音楽というのが、これまでのこの曲に対する私の印象なのですが、東響の皆さんの見事な演奏により、飽きることなく楽しむことができました。
 第2楽章から第3楽章は切れ目なく演奏され、アクセル全開で、豪華絢爛、ホールいっぱいに響き渡るオーケストラサウンドに酔いしれ、興奮のフィナーレを迎えました。音楽的にも、音響的にも文句はなく、良い音楽を聴いたという満足感で胸が高鳴りました。

 さすが、前音楽監督のスダーンさんと東響の相性は良く、スダーンさんの要求する音楽を見事に具現化していたのではないでしょうか。スダーンさんに対しては楽員からも称賛の拍手が続き、会場と一体となって、スーダンさんを讃えていました。

 サントリー定期から中2日で、一度リセットされてしまったのではないかと心配しましたが、杞憂に終わりました。今年度の東響新潟定期も順調なスタートを切りました。
 来月は音楽監督のノットの登場です。満員の聴衆で迎えたいものです。定期会員が増えますように・・・。
 
   
(客席:2階C*−*、S席:定期会員 \5600)