第5回新潟クラシックストリート
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2015年5月5日(火)   新潟市内各所
 
 
12:00 加藤礼子・中村哲子   (音楽文化会館練習室10)
       クライスラー:愛の悲しみ
       スーク:愛の歌
       ドヴォルザーク:4つのロマンティックな小品
       (アンコール)グリーグ:アリエッタ

12:30 新潟中央高校コーラス部(指揮:立川祐子)  (音楽文化会館ホール)
       ウィテカー:5つのへブライの愛の歌より 絵、可憐な花嫁
       コチャール:サンドバーグの詩による6つの女声合唱曲より 谷の歌
       カライ:花の哀歌〜ジョルジュ・ミハールカのために
       風になる
       花は咲く
       瑠璃色の地球
       (アンコール)天使にラブソングを より

13:30 渋谷陽子・山田美子  (りゅーとぴあスタジオA)
       ベートーヴェン:チェロソナタ第5番 ニ長調
       (アンコール)パラディス:シチリアーノ

14:00 アンサンブル・フィーデル  (音楽文化会館ホール)
       ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女
       シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44 より 1,2,3,楽章     

15:00 廣川抄子・佐藤芳明・渋谷陽子  (音楽文化会館練習室10)
       パーセル:シャコンヌ
       ショスタコーヴィチ:5つの小品
       ピアソラ:天使の死
       (アンコール)ピアソラ:アヴェ・マリア

15:30 フルートアンサンブル・デュレーフ  (音楽文化会館ホール)
       グリーグ:我、君を愛す
       ジョルダーニ:カロ ミオ ベン
       エルガー:愛の挨拶
       イタリア歌曲:曲名不詳
       J.S.バッハ:ガボットとロンド
       マイハート・ウィル・ゴー・オン
       ワン
       カルメン組曲(4曲)
       (アンコール)帰れソレント

16:30 笠原恒則・飯田万里子、皆川要  (燕喜館)
       エルガー:愛の挨拶
       ニーノ・ロータ:ロミオとジュリエットのテーマ
       谷山浩子:河のほとりに
       モンポウ:君の上には花ばかり
       フォーレ:月の光
       フォーレ:パヴァーヌ

17:30 トリオ・アンシュミネ  (古町6ストリート)
       エルガー:愛の挨拶
       ミヨー:コレットによる組曲
       プッチーニ:ある晴れた日に、私が街を歩けば
       モーツァルト:ディヴェルティメント より
       (アンコール)見上げてごらん夜の星を
 
 
 毎年GWに恒例になった新潟クラシックストリート。今年で5回目となります。歴史ある新潟ジャズストリートのノウハウをクラシックに拡大したものです。
 衰退著しい古町地区を活性化する「町興し」イベントとして画期的なはずですが、行政からの補助はほとんどないと伺っています。採算抜きでボランティアで運営されているというのは賞賛すべきであり、行政に頼らず自ら立ち上がり、このようなイベントを立ち上げた地元の皆さんに敬意を表します。
 主催者、出演者、会場提供者等関係の方々に報いるためには、少しでも多くの会場を回り、集客の一端に貢献することが私の務めと考えております。

 などと野暮な話は止めにして、要するに私は音楽が好きなのであり、たくさんの良い音楽を聴かせていただきたいというのが本音です。

 全26会場で135もの公演が行われ、どれに行くのか悩むばかりです。どうしても聴きたい人をリストアップし、場所と移動時間を勘案し、実際聴けた公演が上記のものとなりました。苦渋の選択で断念せざるを得なかったのがいくつもあったのは残念でした。

 コインパーキングに駐車し、まずは腹ごしらえ。上古町の楼蘭の冷やし中華が始まっていましたので、美味しくいただきました。細麺に良く合う甘口のたれ、上に載せられた具材、練り辛子に至るまで、私の好みにピッタリです。

 最初は音分の練習室10での加藤礼子さんのヴァイオリンです。佐々木友子さんと並んで新潟のヴァイオリニストでは大好きなひとりです。当然最前列の真正面で聴かせていただきました。歌心があり、朗々と歌わせる演奏は絶品であり、ますます好きになりました。実は、ピアノの中村哲子さんもファンなのであります。そのお姿は、新潟の仲道郁代と私は勝手に思い続けています。演奏中も見とれてしまいました。

 急いで3階のホールに上がりますと、新潟中央高校のコーラス部の演奏が始まっていました。最初の曲では、ピアノのほかヴァイオリン、タンバリンも加えて演奏されて面白かったです。前半は2・3年生の演奏で、コンクールで歌った曲だけあって、高水準の歌声に驚きました。後半は1年生も加えての歌声を楽しませていただきました。アンコールは若さいっぱい。若いって良いですね。

 次はスタジオAに移動し、渋谷陽子さんのベートーヴェンの5番のソナタです。昨年は3番でしたので、是非聴きたいと思っていました。ピアノは昨年同様に山田さん。そして譜めくりは何と今年も佐々木友子さん!
 席は当然最前列正面。私のすぐ前に渋谷さんのお姿があります。私好みの美女が弾く演奏が悪かろうはずはなく、幸福なひとときを過ごさせていただきました。アンコールも心に染みるものでした。

 ホールに上がりますと、アンサンブル・フィーデルの皆さんの演奏が始まっていました。高校生から熟年までの愛好家によるグループで、弦はVn1:3人、Vn2:2人、Va:2人、Vc:2人 という編成で、これにピアノが加わっていました。いかにもアマチュアという、ほのぼのとした雰囲気が漂い、音楽を演奏する喜びを感じさせるものでした。
 リーダーはヴァイオリンの高橋百合さんで、ピアノの村山和子先生とともに演奏を支えていました。危うさの中でも曲としてちゃんと聴かせてくれたのは村山先生のピアノがあってのことでしょう。

 再び練習室10に移動し、ヴァイオリンの廣川抄子さん、アコーディオンの佐藤芳明さん、そして渋谷陽子さんの3人による演奏です。渋谷さんが出るということだけでなく、アコーディオンとの組み合わせが興味深かったです。
 佐藤さんのユーモアあふれるMCに載せて演奏が進められましたが、ヴァイオリン、チェロとアコーディオンが絶妙に絡み合い、情感あふれる音楽を創り出していました。
 廣川さんのヴァイオリンも美しく、渋谷さんのチェロは、スタジオAで聴いたときより良く響いており、場所による聴こえ方の違いも面白かったです。右手・左手で別のメロディーを弾くアコーディオンの奥深さに、今さらながら気付かされました。

 再びホールに上がりましたら、おなじみの浅利守宏さんが率いるフルートアンサンブル・デュレーフの演奏が始まっていました。浅利さんのほかは色とりどりのドレスの美しき女性5人。短い曲が次々と演奏されましたので、曲は全部書ききれません。個々の奏者の演奏技術も優れており、美しいアンサンブルを聴かせてくれました。

 続いては燕喜館に移動して、笠原恒則さん、美しき飯田万里子さんのチェンバロの2人、そしてリーコーダーの皆川要さんの3人による演奏です。チェンバロの調律に時間がかかって、遅れての開演となりましたが、皆川さんのMCにより演奏が進められました。
 「愛の挨拶」と「ロミオとジュリエット」は飯田さんと皆川さん、「河のほとり」は笠原さんと皆川さん、「君の上には花ばかり」は笠原さん、飯田さんのツインチェンバロ、「月の光」は笠原さんと皆川さんの歌、そして最後の「パヴァーヌ」は3人の合奏でした。
 和室で聴くチャンバロとリコーダーも風流ではありましたが、座布団に座って聴いていますと腰が痛くなって、少々つらかったです。
 後ろを見たら私の同級生がおられました。昨年のクラシックストリートでも行く先々でお会いし、好みの一致に驚いています。

 続いては、18時から佐々木友子さんを聴くか高橋百合さんと小林浩子さんを聴くか悩みましたが、佐々木さんは先日聴いたばかりでしたので、フレッシュな高橋・小林さんを聴こうと思いました。会場のDr.可児に行きましたら、前の公演が終わってまだ賑わっていましたので、開演までの間に、古町6番町のトリオ・アンシュミネを聴くことにしました。

 トリオ・アンシュミネはオーボエの渡辺茜さん、クラリネットの林佳保里さん、ファゴットの金子恭子さんの美女3人によるユニットです。リードを使うこの3つの楽器の組み合わせはトリオ・ダンシュというんだそうですね。勉強になりました。
 若いながらも実力者の3人ですので、演奏は素晴らしく、人々が行きかうオープンスペースでの演奏でしたが、演奏にひきつけられました。途中で退席して高橋・小林さんの公演に行くはずだったのですが、結局アンコールまで聴いてしまいました。
 ちなみに、この古町会場の会場係はコンチェルトの佐藤さんが務めておられました。半日ご苦労様でした。

 急ぎ足で上古町に向かって歩き、Dr.可児に行ってみましたら満席! 元々が狭い会場ですので人がびっしり。入り込むのがはばかられましたので、断念して帰ることにしました。残念。

 でも、今日は天候にも恵まれ、日頃閑散としてしている古町の人出も多かったようです。クラシックストリートに参加した人たちばかりではないのでしょうが、賑わってくれて何よりと思います。
 今週末はLFJ新潟に古町どんどんが重なります。ものすごい賑わいが予想されます。新潟の春の喜びをを多くの人で分かち合いましょう。

 帰り道、夕方のTVのローカルニュースを運転しながら聴いていましたら、県民会館でのNegiccoのライブを中継していました。面白そうなので車を止めて、TV画像を見ていましたら、ステージ右手に弦楽ユニットが映っていて、ヴァイオリン奏者の顔がチラリと見えましたが、何と先ほど音分で聴いたばかりの廣川抄子さんの姿があり、その横には庄司愛さんとおぼしき人がいるじゃないですか。
 車のTVの小さな画面ですので定かではないですが、間違いないんじゃないかと思います。ご存知の方がおられましたら教えてください。ほかにも弦楽メンバーがおられましたが、確認できませんでした。チェロは誰かなあ・・?


 これだけのイベントにかかわらず、応援すべき地元マスコミの反応が乏しいのはなぜかなあ。新潟市中心部のにぎわい復活のために、地元の人たちが採算抜きで、ボランティアで取り組んでいるというのに、どうして応援しないのでしょうね。


(1日フリーパス券:¥1000)