今週末もたくさんのコンサートがあり、どこに行くか悩ましいです。手元には「新潟ウインドオーケストラ第54回定期演奏会」と「北区フィルハーモニー管弦楽団第4回ファミリーコンサート」のチケットがあります。同時刻の開催であり、距離も離れており、二者択一を迫られます。どちらも魅力があり、両方のチケットを買ってしまったのですが、今日の朝になっても、どっちに行こうかと悩みはつのります。

　結成前から応援を続けている「北区フィル」は、夏の定期演奏会が仕事のために行けず、冬のファミリーコンサートは、何としても行こうと思い、チケットを早々に買っていました。
　しかし、「新潟ウィインド」が、ヤナーチェクのシンフォニエッタの全曲をやると聞き、これも聴き逃せないと思い、こちらのチケットも買いました。時間は重なり、会場は離れていますので、はしごするわけにもいきません。
　熟慮に熟慮を重ねて、雪道ということも鑑みて、豊栄遠征はあきらめて、「新潟ウインド」を選択しました。「北区フィル」の皆さんごめんなさい。

　ということで、開場とともに入場。2階ステージ周りと3階席は使用されませんでしたが、使用された席は8〜9割がた埋まっていたのではないでしょうか。私は2階中央に席をとしました。

　開場とともにロビーコンサートが始まり、クラリネットアンサンブルの心地良いハーモニーがホワイエに響き渡っていました。その後はステージ上でサックスとパーカッションのパフォーマンスが繰り広げられました。

　開演時間となり、かっこいい松井さんが登場して、バーンズの曲で開演しました。これは最初の音を聴いて、うまいと唸りました。良い音出していました。続く岩井さんの曲も良い演奏でした。

　そして、今日の目玉の「シンフォニエッタ」です。パイプオルガンの前に13人のバンダ登場して、演奏開始。バンダとティンパニによる壮大なファンファーレを期待しましたが、ちょっとバンダの力不足を感じないではありませんでした。トランペットのハイトーンがうまく決まると良かったのですけれど。弱奏部、緩徐部での安定性ももう少しあれば良かったかなと感じました。でも、5楽章からなるこの曲をうまくまとめてくれたと思います。期待しすぎていたこともありますが、ちょっとだけ欲求不満というところです。

　休憩後は、プログラムに書かれていない「大ラッパ供養」で開演しました。客の入っていない3階席の左右にバンダが配置され、立体感のある素晴らしい音響効果を生んで、大満足させていただきました。ヤナーチェクで感じた欲求不満を払拭するに十分な、味わい深く、迫力ある演奏に恍惚感を感じました。
　この曲、最近聴いたことあるなあと思いながら聴いていましたが、「題名の無い音楽会」で、宮川彬良指揮の大阪市音楽団の演奏を聴いていたことを思い出しました。

　ここで、司会の小林さんが登場して、以後は今年の5月に亡くなられた日本吹奏楽界の父・岩井直溥さんの曲目が演奏されました。
　岩井さんといえば、2006年の新潟ウインドオーケストラ創立20周年記念演奏会に来演しており、私も聴きに行きました。今考えますと、新潟に客演したというのは素晴らしいことだったと思います。

　甲子園でお馴染みのアフリカン･シンフォニーで始まり、お馴染みの曲が、素晴らしい演奏で繰り広げられました。ウインドの皆さんの演奏は安定感があり、安心して曲に没頭できます。

　アンコールを2曲演奏して終演となりましたが、新潟ウインドの素晴らしさを再認識しました。若さに溢れ、色彩感のある生き生きとした演奏です。いずれも良い演奏でしたが、「大ラッパ供養」が演奏効果もあって、一番楽しめました。

　新潟には数々の吹奏楽団がありますが、双璧は新潟市民吹奏楽団と新潟ウインドオーケストラではないかと思います。ともに違った魅力があり、新潟市民吹奏楽団が佼成ウインドオークストラとするなら、新潟ウインドはシエナ･ウインドオーケストラじゃないでしょうか。

　何といっても、指揮の松井さんが素晴らしいです。イケメンで長身で見映えが良いですし、若さに関わらず音楽性も豊かです。良い指揮者を迎えたものですね。これからの益々の発展を祈りたいと思います。


　 　
（客席：２階Ｃ５−１１、\1000）