グレゴリオ聖歌 ミラノ大聖堂聖歌隊アドベント・コンサート
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2014年11月30日(日) 17:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
合唱:ミラノ大聖堂聖歌隊
指揮:クラウディオ・リヴァ
オルガン:アレッサンドロ・ラ・チャチェーラ
 
第1部 グレゴリオ聖歌(アンブロジオ聖歌)

 公現節の晩課(夕の祈り)の賛歌「いと高きものよ、輝かせ」
 待降節第2週のレスポンソリウム(応唱)「なぜなら全地の王が」
 待降節第4の主日のマニフィカト・アンティフォナ「あなたは幸いなかたマリア」
    とマニフィカト
 待降節第4の主日の応唱「天使ガブリエルの口によって」
 ミサのグロリア「天のいと高きところには神に栄光」
 主の御降誕のミサからアレルヤ唱「幼子が私たちのために生まれた」
 公現説の晩課(夕の祈り)のアンティフォナ「すべての父祖らは」
 主の御降誕のミサ奉納唱「見よ、神殿は開かれ」
 主の御降誕のトランジトリウム(拝領唱)「喜び、歓喜しよう」
 公現節後第4の主日のトランジトリウム(拝領唱)「あなたを讃美します」
 賛歌(朝の祈り)の賛歌「永遠の創造主よ」
 ボッビオ修道院の写字室のアンティフォナ集から3つのラテン語のラウダ
    「言葉は肉となり」、「幸いなるかな、天から出で」、「祝されたかた、マリア」

(休憩20分)

第2部 クリスマス・プログラム

 モーツァルト:「主に向かって歌え」
         「アレルヤ」
         「アヴェ・マリア」(カノン)

 リテーズ:アンジューの人々のノエルによる変奏曲 
(オルガンソロ)
 メシアン:「主の降誕」より「わたしたちのうちにおられる神」 
(オルガンソロ)

 J.S.バッハ、グノー:「アヴェ・マリア」
 フランク:「天使のパン」
 ミリアヴァッカ:「いとも祝せられたおとめ」
 スピネッリ:「丘が生み出される前」、「偉大な美しさ」、「魂へのキリストの声」
 グルーバー(ミリアヴァッカ編):「きよしこの夜」
 ミリアヴァッカ:「神の御子は今宵しも」

(アンコール)
 フランチェスコ・マリア・ベネデッティ:「喜び踊れ 清らかな天体よ」
 
 
 私はキリスト教徒ではないですが、若い頃からグレゴリオ聖歌には魅力を感じていました。このローマ・カトリック教会で歌われた単旋律の聖歌は、仏教の声明にも似て、心に染みこんでくるように思います。心が疲れたときのBGMに最適に思っていましたが、実際に生で聴く機会というのはこれまでありませんでした。
 新潟でこのようなコンサートがあるのは貴重であり、これを聴き逃せば、次はいつ聴けるかわかりませんので、是非聴こうと思っていました。
 グレゴリオ聖歌にもいろいろあるようですが、グレゴリオ聖歌の中でも最も古い形を保つ、ミラノに特有のアンブロジオ聖歌というのが今回の演目になっています。

 りゅーとぴあに着きましたら他の公演もあり、ロビーは人で溢れていました。開場とともにホールに入場。3階席は使用されていませんでしたが、販売された席はほぼ満席の大盛況となりました。それだけ注目されていたということでしょうか。私の席の前には、偶然にも友人ご夫婦がおられてびっくりしました。ほかにも知人の姿がありました。

 場内が暗くなり、教会の法衣を身に着けた合唱団18人と指揮者が登場して開演です。無伴奏で単旋律のグレゴリオ聖歌が、切れ目なしで、淡々と歌われました。
 プログラムには対訳が挟まれていましたが、それには目をやらず、じっとホールにこだまする歌声を聴いていましたら、ホールが大聖堂に変わったかのごとく感じられました。
 心は次第に落ち着き、脳にはα波が優位となり、やがてまどろみの世界へといざなわれました。ときどき配置を換えながら歌われましたが、どの曲も単旋律で同じような曲調ですので、どの曲を歌っているのか途中で分からなくなってしまいました。
 前半最後の3曲は単旋律ではなく、重唱になっており、これまでの曲と趣が異なり、ふっと我に帰りました。癒しのひとときを過ごして前半が終わりました。

 後半は、ヨーロッパの近現代の宗教音楽が演奏されました。合唱団は衣裳換えして黒いスーツで登場。最初は、無伴奏でモーツァルトの3曲が歌われました。輪唱になっていて面白かったです。

 続いてはオルガンソロで2曲を演奏。現代曲で、ダイナミックで荒々しく、宗教曲という感じではなく、クリスマスというロマンチックな世界とは相反するような音楽に感じました。演奏は凄かったです。ホールいっぱいに轟く大音響は、めったに聴けないように思います。

 その後はオルガンの伴奏で、独唱も交えながら、親しみやすい曲が歌われました。クリスマスにはまだ早いですが、雰囲気を盛り上げるには良かったです。最後に定番の2曲を歌って締めとなりました。

 アンコールを歌って終演となりましたが、時間は7時半。内容たっぷりのコンサートにお腹いっぱいになりました。音楽に感動ということとも違いますが、貴重な音楽を聴けたことは良かったです。


   
(客席:2階D6−31、A席:会員割引:\2700)