スロヴェニア・マリボール国立歌劇場 「アイーダ」
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2014年11月3日(日) 14:00  新潟県民会館 大ホール
ヴェルディ: 歌劇「アイーダ」 全4幕


 第1幕、第2幕

 (休憩20分)

 第3幕、第4幕


指揮:フランチェスコ・ローザ
演出:ピエール・フランチェスコ・マエストリーニ
マリボール国立歌劇場管弦楽団/合唱団/バレエ団

アイーダ:アンダ=ルイゼ・ボグザ
ラダメス:ミロ・ソルマン
アムネリス:レベッカ・ロカール
アモナズロ:ヤキ・ユルゲッツ
ランフィス:スラウコ・セクリッチ
エジプト国王:アルフォンス・コドリッチ
巫女の長:ヴァレンティナ・チュデン
使者:マルティン・スシュニック

 

 

 大荒れの連休。冬型の気圧配置となり、今日も強風が吹き荒れ、気温も下がってしまいました。行楽には厳しい天候となり、こういうときは芸術の秋を堪能しましょう。

 今日は、久しぶりに家内と二人でオペラ鑑賞です。新潟でのオペラ公演はめったになく、今年の公演もこれだけですので、選択のしようもありません。

 今回はスロヴェニアのマリボール国立歌劇場です。チラシの宣伝文句によれば、ウィーンから車で2時間半、グラーツから30分の距離にあって、耳の肥えたオペラ・ファンたちが連夜バスで押し寄せるほどのレベルの高い上演をしているんだそうです。
 とはいえ、不勉強な私は、チラシを見るまでマリボールの名を知りませんでした。「堂々凱旋!国家予算を贅沢に投入し、ついに実現した一大スペクタル!」というキャッチコピーに期待しましょう。

 今回の演目はアイーダ。毎年お馴染みのカルメンやフィガロでなくて良かったです。新潟でアイーダを観るのは、2003年9月のマグデブルグ歌劇場公演以来であり、11年ぶりになります。大がかりなオペラですので、狭い県民会館のステージ、オーケストラピットでどう公演するのかちょっと心配でした。

 東欧の国々のオペラ、オーケストラ公演の常ですが、同情するくらいの過密スケジュールで日本全国を回ります。10月17日の練馬公演を皮切りに、20日間で17公演という強行軍。新潟公演はその14公演目にあたり、昨日は前橋、明日は水戸です。疲労もピークになっているのではと危惧されます。国にとっては貴重な外貨稼ぎということなんでしょうが、皆さん大変ですね。

 このような状況ですから、当然ながら、出演者は指揮者も含めてダブルキャスト、トリプルキャストが組まれています。調べてみますと、出演者は同じダブルキャストでも、東京と新潟では随分違っています。地方は差をつけているのでしょうか。

 さて、りゅーとぴあのレストランでゆっくりと昼食を摂り、開場の列に並んで入場しました。今回の席は2階席の最前列。県民会館でオペラを楽しむにはここがベストと思います。

 オーケストラピットでは楽員が音出し。時間となり、指揮者が登場して開演です。舞台装置は簡素ですが、必要十分です。

 今日の出演者は、いずれもなかなかのできでした。ただし、ラダメスはちょっと音量不足でした。最初の見せ場である「清きアイーダ」では、声がかすれていました。でも他の出演者は素晴らしい歌声でした。特にアイーダは太めですが存在感は抜群でした。合唱団も素晴らしく、バレエも最高。一番の見せ場である第2幕の凱旋の場面も迫力満点でした。オケも良い音を出していました。

 一流とはいえないのかもしれませんが、何の不足もなく、古きエジプトの物語に誘われました。新潟のような地方都市で、このようなオペラを楽しめるのはありがたいことです。やはりオペラは舞台芸術の最高峰ですね。オケに合唱団にバレエ団。豪華な舞台は、観る側の気持ちをリッチにさせます。
 
 今日は久しぶりの夫婦でのオペラ。家内も満足してくれてうれしかったです。新潟でのオペラの公演はめったにありませんが、来年もどこかの歌劇場の公演があることを楽しみに待ちたいと思います。

 


(客席:2階1-28、S席:¥16500)