日本センチュリー交響楽団 新潟特別演奏会
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2014年7月13日(日) 18:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:飯森範親
コンサートマスター:荒井英治
 

(ウェルカム・ロビーコンサート)
     Vn1:松浦奈々、Vn2:高橋宗久、Vla:丸山 奏、Vc:北口大輔

  ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番 ヘ長調 作品96 B.179 「アメリカ」
     第1楽章、第4楽章



ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調 作品90

(休憩20分)

ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 作品68
 
 
 
 “東響新潟定期+α「日本のオーケストラシリーズ」”ということで、東響新潟定期会員は無料招待(定期会員料金に含まれると言うべきでしょうか)されるコンサートです。東響以外のオケを、東響定期と同じ席で聴き比べできるというのが魅力です。
 今年のオケは、新潟でお馴染みの飯森さんが4月に主席指揮者に就任した日本センチュリー交響楽団です。主席指揮者就任披露演奏会ではブラームスの交響曲の全曲が演奏されましたが、その初日の演目が今日のプログラムだそうです。このオケを聴くのは全く初めてであり、どんな演奏を聴かせてくれるのか期待が膨らみました。

 今週は雨模様が続き、大雨になったりして、散々な一週間でした。週末も、昨日は晴れましたが、今日は再び雨模様となってしまいました。天気が悪いと気分も晴れません。

 今週末は仕事のため休みがとれず、疲労が蓄積しています。午後になり、漸く仕事から解放され、某所で一風呂浴びてから会場入りしました。

 入場しましたら、ちょうどロビーコンサートの時間となり、3階バルコニーに上がって聴きました。ここで友人夫婦とばったり。(業務連絡:また飲みましょうね)
 アシスタント・コンミスの松浦さんをはじめ、各パートの主席による弦楽四重奏で、メリハリのある、生き生きとした演奏に、早くも大満足でした。もだえるような松浦さんの熱い演奏姿が、そのまま演奏に表れていました。振り返って、このロビーコンサートの演奏が、本公演でのオケの演奏を象徴しているように思いました。

 飯森さんの挨拶があった後、楽員が入場。オケの編成は小ぶりで、弦5部は、10-8-6-6-4です。ヴァイオリンが左右に分かれる対向配置で、コントラバスとチェロが左、ヴィオラが右でした。ブラームスの時代では一般的な配置だと、開演前のトークで飯森さんが話されていました。

 前半は、ブラームスの3番です。最初の音を聴いた瞬間から、オケの素晴らしさを実感しました。エネルギッシュな飯森さんの指揮に応えて、ダイナミックで、明るく、切れのある演奏を聴かせてくれました。弦の編成が小さい分、快活で、透明感ある音色を生み、管楽器のうまさも相まって、躍動感ある音楽を作り出していました。歌わせるところは歌わせ、第3楽章のホルンも良かったです。オケが飯森さんの手の内にあることが良く伝わってきました。

 後半の1番も前半と同様の印象でした。緊張感あふれる出だしのティンパニーの連打に重なる弦のうねり。最初から音楽に引きこまれていきました。身振りの大きい飯森さんの動きと呼応して、ダイナミックレンジが大きく、躍動感のある音楽を作り出していました。
 緊張感を失わず、一糸乱れぬ弦のアンサンブル。速めのテンポでグイグイと押してきます。管楽器もお見事。特にオーボエが良かったです。
 オケは加速を続け、熱狂のフィナーレを迎えました。久しぶりに感じる精神的高揚感。オーケストラを聴く醍醐味です。

 観客を感動させるツボを押さえた飯森さんの曲作りの素晴らしさ、それに応えたオケの素晴らしさ。大満足なコンサートでした。梅雨空を蹴散らすような快演に、心も晴れて、明日からの活力をもらったように感じました。

 飯森さんの手で山響が変わったように、センチュリー響も生まれ変わることでしょう。これから目が離せそうにありません。

 外に出ましたら雨模様。でも、良い音楽を聴いた後では、雨なんか気になりません。ウキウキ気分で家路につきました。

   
   
(客席:2階C*−*、S席:定期会員招待)